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北米

2026.08.09 07:00

中東派遣の米空母リンカーン、乗組員の士気に懸念 緊迫下で長期展開続く

イランに対する「壮絶な怒り(エピック・フューリー)作戦」の支援任務のため、米海軍の空母エイブラハム・リンカーンの飛行甲板を滑走するF/A-18E戦闘機。2026年3月2日、洋上で撮影(U.S. Navy via Getty Images)

中東に派遣されているもう1隻の米空母は、ニミッツ級空母の10番艦で最終艦の「ジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)」だ。ジョージ・ブッシュは3月31日にノーフォーク海軍基地を出港し、アフリカ南端の喜望峰回りのルートを航行して4月23日にアラビア海に到着した。南へ迂回する航路をとったのは、紅海やバブ・エル・マンデブ海峡といった危険度の高いチョークポイント(難所)を避けるためとみられる。

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エイブラハム・リンカーンの交代は時間の問題だが、選択肢は限られる。

米東海岸に母港がある「ドワイト・D・アイゼンハワー(CVN-69)」は、引き続き次期展開に向けた準備を行っている。次の展開を始めるのは今秋以降になる可能性が高い。今秋ごろに中東へ向かうとしても、航路は大西洋を横断後、ジョージ・ブッシュと同じようにアフリカ回りのルートをとらざるを得ないかもしれない。あるいは、地中海からスエズ運河を抜けて紅海に入り、ジェラルド・フォードが今年したようにそこから作戦行動を実施する可能性もある。

米西海岸に母港がある「セオドア・ローズベルト(CVN-71)」は、ハワイ周辺海域で6月下旬から7月末まで行われた2年に1度の環太平洋合同演習(RIMPAC)を主導したあと、サンディエゴのノースアイランド海軍航空基地への帰途についた。地元紙サンディエゴ・ユニオン・トリビューンによると、CVN-71は短期間のターンアラウンド(次の任務に向けた補給・整備などの準備)を経て、9月にも本格的な展開を始める見通しとなっている。

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前方展開している「ジョージ・ワシントン(CVN-73)」が中東に派遣される可能性もある。ジョージ・ワシントンは日本の横須賀を母港とし、5月23日に2026年の展開を開始した。ただ、同艦を中東に送れば、米海軍は西太平洋での空母のプレゼンスがなくなることになる。

米海軍に利用可能な空母が不足していることを考えれば、エイブラハム・リンカーンはイランに対して発動される可能性のある戦闘作戦に備え、少なくともあと1カ月、おそらく2カ月は展開を継続する公算が大きい。つまりエイブラハム・リンカーンの展開期間は、ジェラルド・フォードが打ち立てた326日という最長記録に迫る可能性がある。もっとも、乗組員は進んでそうしたいわけではないだろう。

最後に、ジョージ・ブッシュが現在、128日間洋上にある点にも留意しておく必要がある。同艦の6~7カ月間の派遣期間もまた、延長されることになるかもしれない。世界の複数の脅威に対処するには、米海軍で就役している空母は単純に言って数が足りていないのだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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