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リーダーシップ

2026.08.08 15:41

AI時代の組織フラット化、マネージャーは25人をコーチングできるか

stock.adobe.com

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2022年5月から2025年5月にかけて、上場企業のマネージャー数は6.1%減少した。エスティ ローダーとマッチ・グループはそれぞれマネージャーの約5分の1を削減し、UPS、シティグループ、グーグル、アマゾンも人員をスリム化した。さらにガートナーは、2026年までに5社に1社の「組織が、AIを利用して組織構造をフラット化し、現在の中間管理職の半数以上を削減する」と予測している。

この削減には、現在「大いなるフラット化(Great Flattening)」という名がついている。そのうたい文句は明快だ。AIがその階層を正当化していた調整業務を吸収し、意思決定が迅速化され、コストが削減される、というものだ。その多くは真実である。しかし、その後に何が取り残されるのかについて、計算している人はほとんどいない。

組織はマネージャーのキャパシティを見誤っている

組織が中間管理職の層にAIを組み込むと、リーダーの業務は二分される。状況報告、プロジェクトの追跡、スケジューリング、情報の上下伝達といった日常的な業務は、AIが得意とする分野だ(その多くは、なくなってせいせいするものだ)。調整業務が自動化されても、管理における人間的な側面が仕事に占める割合が小さくなるわけではない。有意義なフィードバックの提供、メンターシップ、職場の空気を読むこと、そして優先事項が衝突したときにチームをまとめることこそが、仕事そのものになるのだ。したがって、AIの導入によって中間管理職の役割が消え去るわけではない。それは単に「調整」から「コーチング」へと移行するだけだ。問題は、誰もその先の計算(キャパシティの再評価)をし直していないことにある。

マッキンゼーのマネジャー類型モデルは、マネジメント業務のタイプごとに妥当な管理範囲を割り当てている。標準化された業務を監督する「コーディネーター」であれば、15人以上の直属の部下を管理できる。真の育成、フィードバック、判断、メンタリングを提供する「コーチ」は、6人か7人が上限であるべきだ。重い実務を自らこなす「プレイングコーチ」の直属の部下は、5人以下に抑えるべきとされる。「大いなるフラット化」の中心にある矛盾は、マネージャーをコーチへと転換させようとするまさにその時に、コーディネーター規模のチームを委ねている点にある。

ギャラップの報告によると、「マネージャーに報告を行う部下の平均数は、2024年の10.9人から2025年には12.1人に増加した」。これは、25人以上のチームが2%増加したことが影響している。最も極端な事例はバイエルだ。同社は「ダイナミック・シェアード・オーナーシップ(Dynamic Shared Ownership)」と呼ぶモデルの下、階層の大部分をフラット化した。マネジメント職を半減させ、その役職名を「コーチ」へと変更した後、バイエルの平均的なチーム規模は従来の3〜5人から、15〜30人以上へと急増した。

すでに生じつつある3つの痛点

マネージャーの肩書を「コーチ」に変えることは、午後の一時でできる。しかし、その人物に今週の金曜日までに25人を適切にコーチさせることは不可能だ。組織がこうした期待をかけるとき、主に3つの痛点が生じる傾向がある。

1. コーチングは記憶力だけでは回らない:5人を指導するコーチであれば、5つの関係性を頭の中に留めておくことができる。どのメンバーがフィードバックを受け入れにくいか、あるいは誰が人知れず行き詰まっているかを容易に指摘できる。しかし、25人を指導するコーチは、個々の関係性を詳細に把握し続けることができず、結果としてコーチングの質と影響力が低下する。

2. 優秀な人材が自己疑念を抱き始める:業務範囲が一夜にして拡大すると、優秀なマネージャーであっても「自分には能力が足りない」と判断してしまう。これは大規模に生み出されるインポスター症候群であり、以前にも筆者が指摘したパターンである。ただし今回は、組織図が意図的にそれを生み出している。

3. そもそも、大半の会話にマネージャーは関与していなかった:10人のチームにおいて、リーダーが直接関与する1対1の関係性は全体の約5分の1にすぎず、残りはメンバー同士で完結している。中間管理職の層をフラット化することは、この比率をさらに極端にする。

HRリーダーが取るべき4つの対策

組織構造のフラット化を計画しているHRリーダーに向けて、この変革が組織の人材力を確実に強化するものとなるようにするための4つの要点を紹介する。

1. 階層を削減する前に、人間的な業務を誰が引き継ぐかを特定する:もし率直な答えが「誰も引き継がない」であるなら、組織をフラット化したことにはならない。ただ残された人々に過度な負担を強いているだけだ。したがって、人員を削減する前に、フィードバック、メンタリング、そして判断業務を誰が担うのかを決めておく必要がある。

2. 予算だけでなく、業務内容に合わせて管理限界を設計する:コーディネーター規模の管理限界でコーチングの役割を果たそうとすれば、構造上、破綻することは目に見えている。もし組織構造が広い管理限界を要求するのであれば、その範囲内でもコーチングが実行可能となる仕組みを作らなければならない。

3. 広い管理限界にレバレッジを効かせる:規模の拡大に対応できるのは、個々の関係性に応じた、準備された具体的なガイダンスだ。この人物がどのようにフィードバックを受け止めるか、誰と誰のスタイルが衝突するか、何が心に響くかといった点である。ここでこそ、強みを活かした育成(ストレングス・ベース・デベロップメント)が真価を発揮する。従業員のプロフィール情報が、実際の対話に向けた具体的なガイドラインとなる。

4. 全員を武装させ、失われた「はしごの段」を補う:大半の業務はコーチが立ち会わない対話の中で発生するため、「マネジング・アップ(上司への働きかけ)」や同僚とのコラボレーションが今や不可欠となる。また、中間層の役職は将来のリーダーがリーダーシップを学ぶ場でもあったため、メンタリングと後継者育成を意図的に設計しなければならない。

「大いなるフラット化」を勝ち抜く準備が最も整っているのは、必要な計算を事前に行った企業だ。定型業務がAIに移行するにつれ、人間的な業務は、より広い範囲をカバーする少数の人々に集中する。その範囲でのコーチングを可能にする誰か、あるいは何かが不可欠だ。階層の削減は真の強みになり得る。ただし、会話がその削減を生き延びる場合に限られる。

forbes.com 原文

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