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リーダーシップ

2026.08.08 11:16

なぜ私たちは「エグゼクティブ・プレゼンス」を誤解してきたのか

stock.adobe.com

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自信やカリスマ性についての通り一遍のアドバイスは忘れよう。最も強いエグゼクティブ・プレゼンスを持つリーダーは、もっと実践的で、はるかに効果的なことを実行している。

リーダーが受け取る能力開発のフィードバックで、最も一般的でありながら、最も役に立たないもののひとつがこれだ。「もっとエグゼクティブ・プレゼンス(存在感や風格)を高める必要がある」というものだ。

一見すると、このアドバイスは極めて真っ当に思える。多くのビジネスパーソンは、エグゼクティブ・プレゼンスを目にすればそれと分かるし、大半の組織も「周囲に与える印象」をシニアリーダーにとって重要な差別化要因と捉えているからだ。

ところが、クライアントに「そのフィードバックをどう活かせばいいと思うか」と尋ねると、会話はぎこちなく止まってしまう。

背筋を伸ばすべきなのか。もっと慎重に話すべきなのか。自信を感じさせるべきなのか。より良いスーツを買うべきなのか。魅力を前面に出すべきなのか。

私の仮説は、私たちが根本的な「カテゴリーエラー」を犯しているというものだ。エグゼクティブ・プレゼンスを、リーダーが備えている(あるいは欠いている)一種の「パーソナリティ(性格特性)」のような、実体のつかめない資質だと考えてしまっている。だから、エグゼクティブ・プレゼンスを高めるように促されたとき、リーダーはいったい何を変えればいいのか分からなくなる。自分自身だろうか。それとも自分の性格だろうか。

CEO、取締役会、シニアリーダーシップチームに助言してきた20年以上の経験の中で、私はエグゼクティブ・プレゼンスについての考え方を私たちは逆さまにしてきたと確信するようになった。

CEO、取締役会、シニアリーダーシップチームに助言してきた20年以上の経験の中で、私はエグゼクティブ・プレゼンスについての考え方を私たちは逆さまにしてきたと確信するようになった。それは主として、カリスマ性や自信、コミュニケーションのスタイル、あるいは重厚感の産物ではない。むしろ、最も強いエグゼクティブ・プレゼンスを備えたリーダーとは、その場が何を求めているかを見極め、その状況にふさわしいリーダーになろうと選び取ることに長けた人たちなのだ。

エグゼクティブ・プレゼンスは持つものではない。選び取るものだ

実のところ、エグゼクティブ・プレゼンスが最も求められる場面ほど、私たちはその瞬間ではなく、自分自身に意識を向けてしまいがちだ。

次のように問う代わりに──

  • 自分は自信ありげに聞こえているか?
  • 自信を放てているか?
  • 専門性を示せているか?

強いエグゼクティブ・プレゼンスを持つリーダーは、こう問う。

  • この状況はどんなアプローチを求めているか?
  • 自分が生み出したい成果は何か?
  • どう適応できるか?

状況こそが教師である

エグゼクティブ・プレゼンスは抽象的に試されるものではない。次のような瞬間にこそ、それは姿を現す。

1. 取締役会

あるCEOが、周到な準備を整えて会議室に入る。数字を把握し、すべてのスライドを確認し、あらゆる質問に答えられる。それでも会議は盛り上がりを欠く。役員たちは上の空になり、議論は停滞する。彼女はフラストレーションを抱えたまま会議室をあとにする。

何が起きたのだろうか?

問題はおそらく準備不足ではなく、調整不足だった。

取締役会は、経営陣がどれだけ知っているかを示してほしいわけではない。求めているのは、視座、判断力、率直さ、そして対話だ。プレゼンをやりきることに固執するリーダーは、対話の機会を逃してしまう。

実践的な示唆: 次の取締役会や重要なプレゼンの前に、自分の目的が「準備の周到さで場を圧倒すること」なのか「より良い議論に人々を巻き込むこと」なのかを自問してみよう。

2. リーダーシップチームの会議

あるシニアエグゼクティブが強い持論を持ち、ある方針を熱く主張する。だが押せば押すほど、抵抗は強まっていく。

何が起きたのか?

ここでも、問題は信念ではなく適応にあった。

リーダーシップには主張が必要な局面もあるが、探究(問いかけ)のほうが有効な場面もある。強いエグゼクティブ・プレゼンスを持つリーダーはその違いを理解し、使い分けている。自分の立場を押すべき時と、問いを投げかけるべき時を知っているのだ。影響力は多くの場合、確信ではなく好奇心から生まれることを、彼らは理解している。

実践的な示唆: 次に議論をより強く押し進めようとしている自分に気づいたら、いったん止まって、次の主張を繰り出す前に、心からの問いをひとつ投げかけてみよう。

3. 場に合わないエネルギー

アドバイザリー業務でとても頻繁に見かけるケースだ。あるリーダーが、フラストレーションや不安、防衛的な気持ちを抱えたまま、重要な会話の場に到着する。意図せずして、その感情のエネルギーを部屋に持ち込んでしまう。

周囲の人々は、メッセージを聞くというより、その感情のほうを強く受け取る。

  • 本人は緊急性をアピールしているつもりでも、周囲には「せっかち」と映る場合がある。
  • 決断力を示しているつもりが、「他人の意見を退けている」と受け取られることもある。
  • 自信を示しているつもりが、「傲慢」と受け取られてしまう。

エグゼクティブ・プレゼンスとは、リーダーが自分をどう見せる(present)かではなく、自分をいかに効果的にコントロール(manage)できるか、ということなのだ。

実践的な示唆: 重要な会議に入る前に、10秒だけ立ち止まって、自分がこれから部屋に持ち込もうとしている感情を観察してみよう。それは、この状況があなたに求めているものだろうか?

その瞬間が求めるリーダーになる

エグゼクティブ・プレゼンスを高めるとは、別人になることではない。自分自身のどの側面を前に出すのかを、より意図的に選び取ることだ。

最も強いエグゼクティブ・プレゼンスを備えたリーダーは、必ずしも部屋で一番カリスマ性のある人物ではない。むしろ驚くほど控えめな人も多い。そうしたリーダーを際立たせているのは、状況を読み、何が求められているかを理解し、それに応じて対応する力だ。彼らは真正さ(オーセンティシティ)を頑なさと取り違えないし、効果的なリーダーシップとはあらゆる状況でまったく同じ振る舞いをすることだとも考えていない。

彼らは、リーダーシップとは一連の選択の連続であることを理解している。

エグゼクティブ・プレゼンスは、持つものではない。それは何度でも選び取るものだ──その瞬間が求めるリーダーであることを。

forbes.com 原文

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