信頼は長らく、リーダーシップにおいて最も望ましい資質の1つとされてきた。だが多くの組織では、信頼はいまだに業務上の規律ではなく、目指すべき理想にとどまっている。リーダーは信頼が重要だと胸を張って語る一方で、財務業績、顧客満足、業務の卓越性に注ぐのと同じ厳密さで信頼を管理している人は少ない。その結果生まれるのが、目に見えない負債だ。それは忠誠心、イノベーション、人材定着、そして最終的には事業成果を静かにむしばんでいく。
リーダーシップ研究者でコンサルタントのコリー・シアーは、著書Closing the Trust Gapで、まさにこの断絶を掘り下げている。シアーは、信頼を無形の美徳として捉えるのではなく、測定し、強化し、意図的に育てることができるものだと論じる。最近の対話の中で彼は、リーダーシップに関するいくつかの一般的な思い込みに疑問を投げかけ、信頼は単なる文化的な利点ではなく、持続的な組織成果を築く土台であると説明した。
シアーによれば、多くの組織が最初に犯す過ちは、事業成果が十分に強ければ信頼は自然に生まれるものだと考えることだ。
「ほとんどの組織は、信頼をソフトで無形なものとして扱い、放っておいても解決するか、あるいは戦術や小手先の手法で対処できると考えています」と彼は語る。その代わりに彼は、「トラストギャップ」を、組織が今立っている場所と、明日目指したい場所との距離として定義している。
「信頼は、自然に解決することを期待するものではなく、測定し、名前を付け、強化できるものになります。そして、組織に共通言語や実証済みの枠組みがなければ、この重要な仕事は最も権限を持つ人物に任されたものと見なされるか、放置されるか、あるいは特定の部門や委員会に追いやられます。実際には、信頼は戦術的で、具体的で、すべてのリーダーの責任なのです」
この視点は、信頼を抽象的な文化的理想から、すべてのリーダーが共有する業務上の責任へと捉え直すものだ。
シアーの研究によれば、組織は能力や問題解決を評価することには長けている一方で、同じく重要な第3のリーダーシップ能力である「人への真摯な配慮」を見過ごしがちだという。彼の調査では、リーダーが配慮を示していると高く評価した従業員は約半数にとどまった。
「他者への配慮のスコアが最も低いのは、それが最も偽りにくく、最も見過ごされやすいからです」と彼は言う。「能力や問題解決はどこでも評価されます。そうした成果はより目に見えやすく、測定もしやすいからです」
課題は、配慮には今日の絶え間ないスピード感と必ずしも合致しない行動が求められる点にある、と彼は指摘する。
「配慮は、別のものを求めます。リーダーに対して、ペースを落とし、先入観や意図を持たずに耳を傾け、早く動いて成果を出すことが求められているまさにその時に、相手を一人の人間として丸ごと大切にすることを求めるのです」
シアーは、配慮を性格特性として片づけるのではなく、育てることができるものだと強調する。
「他者への配慮は、具体的で学習可能な行動を通じて築くことができますし、築かなければなりません。他者への配慮は、単なる原則ではなく実践なのです」
その事業上の意味は、従業員の士気をはるかに超えて広がる。
シアーは、信頼が失われると従業員の忠誠心や自社を推奨する割合が66%低下するという研究を挙げる。多くの経営幹部は、信頼を主に人事の問題と見なし続けているため、この数字を過小評価している。
「研究が示しているのは、忠誠心、自社への愛着、勤労意欲、人材定着こそが、売上、採用、成長を動かすレバーであり、信頼がなければそれらは崩れ落ちるということです」と彼は語る。「信頼は成果の周辺にあるものではありません。信頼が成果を動かすのです」
皮肉なことに、多くのリーダーは、自分はすでに信頼されていると確信している。
シアーは、その原因を、彼らが「従順であること」と「信頼していること」を混同しているからだと考えている。
「人々は出社し、従い、肩書きに従って動きます。リーダーはそれを、信頼が存在する証拠だと読み取ります」と彼は言う。「しかし、服従だけでは信頼とは言えません」
信頼を意図的に評価しなければ、組織は沈黙を「不満がないこと(エンゲージメント)」と誤解してしまう恐れがあると彼は警告する。
「沈黙と服従が信頼と誤読された瞬間、有害な罠が仕掛けられるのです」
シアーは組織の健全性を、2つの対照的なイメージで説明する。1つはバイオハザードのマークに似たもので、人、方針、目的を表す別々の円が互いに離れて漂っている。もう1つは、それらの円が意図的に重なり合う健全なベン図だ。
「違いは、そのつながりをつくることへのコミットメントにあります」と彼は説明する。
「同じ3つの円が互いに近づき、重なり合うと、結節点が生まれます。それは、どれか1つの円だけよりもはるかに強いものです。そこで、能力、問題解決、他者への配慮という信頼の構成要素が、競合して隙間を生むのではなく、互いを補完し、強化するのです」
成功している組織であっても、信頼の侵食と無縁ではない。むしろシアーは、高業績企業こそ、彼が「不信の大罪」と呼ぶものの1つ、すなわち現状維持の受け入れに陥りがちだと論じる。
「成功が安心感を生み、その安心感がゆっくりと『これが私たちのやり方だ』という硬直した考え方に変わります」と彼は言う。「最も健全な組織は、自分たちの成功を、継続的改善を免除してくれるものではなく、最も継続的改善を必要とするものとして扱います」
彼は、安定と停滞の間に重要な違いがあると指摘する。
「現状を守ることは、それが既得権益化へと変わった瞬間に危険になります」と彼は言う。「機能しているものを尊重することと、次に進むこととの境界線を見極めるには、信頼の3つの構成要素すべてが必要です。何が役立っているかを判断する能力、それがもはや役立っていない時を見極める問題解決力、そして必要な変化を通じて人々を導く配慮です」
シアーはまた、採用判断の失敗を、組織の信頼を損なう最も速い方法の1つとして挙げる。適性を欠く採用とは、単に技術的スキルが足りない人を採ることではない、と彼は言う。「その役割が求めるものに対して、間違った席に置かれた人のことです」
より大きな損害は、その後に生じることが多い。「同僚たちは、リーダーシップがミスマッチを容認する様子を見て、なぜ何も対処されないのかと静かに疑問を抱きます。その沈黙がギャップを広げ、リーダーシップが何を受け入れるつもりなのかをチーム全体に教えてしまうのです」
おそらくシアーの最も強い警告は、彼が「末期的な有害性」と呼ぶものに関するものだ。
「有害性が末期的になるのは、不信が副産物であることをやめ、武器化された瞬間です。つまり、権限を持つ誰かが意図的にそれを振りかざし始めた時です」と彼は言う。
組織はしばしば、問題のある人物が高い事業成果を上げているために、初期の警告サインを見落とす。「しかし、成果が武器化された不信を正当化することは決してありません。不信は、有害な意図によって助長されてはならないのです」
シアーは、エンゲージメント調査だけに頼るのではなく、人々がどのように感じているかだけでなく、なぜそう感じているのかを明らかにする、本格的な信頼評価を行うよう組織に促している。そこからリーダーは、彼が「信頼の設計図」と呼ぶものを構築し、信頼づくりを戦略計画そのものと同じくらい意図的なものにすべきだという。
「戦略計画は、事業がどこへ向かうのかを示します」と彼は言う。「信頼の設計図は、そこへ到達するための文化的土台をどのように築くのかを示すものです」
リーダーシップをめぐる議論では、戦略、イノベーション、実行に焦点が当たりがちだ。シアーのメッセージは、その下に信頼がなければ、こうした能力はいずれも本来の力を発揮できないというものだ。組織は、信頼が存在すると決め込むことで持続的な成果を得るわけではない。追い求める事業成果と同じくらい、信頼を測定可能で、行動に移せて、不可欠なものとして扱うことで、それを獲得するのだ。



