最近は、多くの人が自分を「燃え尽き症候群(バーンアウト)」だと自己診断しているようだ。忙しい1週間を終えた後、単に疲れ果てているだけの人もいれば、パフォーマンスへのプレッシャーに直面している人もいる。しかし、この言葉が広く使われているわりには、本当の燃え尽き症候群ははるかに少ない。「燃え尽き」というラベルを乱用すると、その言葉本来の意味が失われてしまう。専門家は、燃え尽き症候群は一見するほど蔓延していないと警告する。日常的な疲労や一時的なストレスを、より深刻な状態である燃え尽き症候群と混同していないか、見極める方法を紹介しよう。
燃え尽きているのか、それともただ疲れているだけなのか
現代のビジネスパーソンは、しばしば「燃え尽き」という言葉を便利な総称として使う。しかし、本人が燃え尽きたと感じているからといって、実際に燃え尽き症候群であるとは限らない。感情は事実ではないのだ。現在、働く人々が過去よりも多くのストレスにさらされ、メンタルヘルスの課題を抱えていることは疑いようがない。
不安や仕事上のストレス、それに伴う疲労感や消耗感の報告は増加傾向にある。職場のパフォーマンスやウェルビーイングは、過剰な自己犠牲や燃え尽き、心身の健康の喪失と引き換えに得られるべきではない。しかし、ストレスを感じて疲弊しているからといって、本当に燃え尽きているのだろうか。
筆者は昨年、Moodleが実施した調査を取り上げた。それによると、2025年に何らかの燃え尽き感を経験していると答えた従業員は66%に上った。データによると、若い世代ほど燃え尽きを経験する割合が著しく高く、55歳以上の層では49%にとどまったのに対し、18〜24歳では81%、25〜34歳では83%に達している。
『Leading Relationships: Build Meaningful Connections, Eliminate Conflict, and Radically Improve Engagement(関係性をリードする:有意義なつながりを築き、対立をなくし、エンゲージメントを根本的に高める)』の著者であるスティーブ・マクラッチーは、極度の疲労と燃え尽きは同じではないという見方に同意すると筆者に語った。「激しい仕事は肉体的、精神的、感情的な疲労をもたらすことがあるが、同時に深いモチベーションややりがいを感じることもできる」と彼は指摘する。「対照的に、燃え尽き症候群は情熱や目的意識の喪失を伴うものだ」
この違いを理解することは、現代の働く人々にとって極めて重要である。仕事上のストレスの増加を軽視するわけではないが、燃え尽き症候群は、通常の疲労やストレスとはまったく異なるものであると認識することが大切だ。そして、疲労、ストレス、燃え尽きでは、その兆候も対処法も異なる。
「疲労」の兆候
自分が燃え尽きているのか、ストレスがたまっているのか、あるいは単に疲れている(疲労している)だけなのか。通常の疲れとは、身体が休息を必要としているという自然なシグナルだ。それは通常、睡眠不足や肉体的負荷、あるいは一時的な繁忙期によって引き起こされる。主な兆候としては、エネルギーの低下や眠気、集中力の低下、イライラ、身体のだるさなどが挙げられる。
それが燃え尽き症候群ではないことを見極める基準は、「休めば回復するかどうか」だ。ただの疲労であれば、十分な睡眠や週末の休み、あるいは短い休暇によって通常はエネルギーが回復する。メンタルヘルスの専門家は、通常の疲労は休息をとれば解消され、より深いモチベーションの低下や感情的な問題を引き起こすことはないと指摘している。
疲労とは、バッテリーの残量が少なくなっており、単に充電が必要な状態だと考えればよい。そして、その充電は比較的すぐに完了する。
「ストレス」の兆候
ストレスもまた、燃え尽き症候群とは異なる。ストレスは、求められる要求(過剰な締め切り、責任、プレッシャーなど)が自分のリソースを超えたときに発生する。心理学者は、ストレスとは、自分に課された要求が自分の対処能力を超えていると認識したときに起こる自然な反応であると説明する。主な兆候には、圧倒されるような感覚、思考の空回りや不安、状況についていかなければならないというプレッシャー、リラックスすることの困難さなどがある。
ストレスには、まだエネルギーと切迫感が残っている。緊張し、過負荷を感じているかもしれないが、それでも仕事には関与し続けている。しかし、ストレスは燃え尽きではない。ストレスとは、過剰なプレッシャーである。管理されない慢性的なストレスは、感情的な燃料を枯渇させるため、脳に悪影響を及ぼし、燃え尽き症候群へとつながる。
ストレスとは、あまりにも多くのアプリが起動しているために、バッテリーが急速に消耗している状態だと考えればよい。
「燃え尽き症候群」の兆候
燃え尽き症候群は、単なる疲労でもストレスでもない。2019年、世界保健機関(WHO)は「慢性的な職場のストレス」に起因する職業上の燃え尽き症候群を公式に疾病として分類し、医師が病気を診断する際のガイドブックである「国際疾病分類(ICD)」にこの状態を掲載した。
燃え尽き症候群は、同分類の雇用または失業に関連する問題のセクションに登場する。そこでは燃え尽き症候群を「管理に成功していない慢性的な職場のストレスに起因するものとして概念化された症候群」と説明し、特に職場の文脈において診断するための3つの兆候を挙げている。
- エネルギーの枯渇または消耗感
- 仕事に対する心理的距離の増加、あるいは仕事に対する冷笑的(シニカル)な見方や離脱感
- 職務上の有効性や達成感の低下
燃え尽き症候群とは、バッテリーが単に消耗しているだけでなく、システムそのものが故障している状態だと考えればよい。
ある科学者が語る、本物の燃え尽き症候群の体験談
燃え尽き症候群には消耗感が伴うため、多くの人は単に疲れているだけのときにも燃え尽きたと思い込んでしまう。しかし、疲労やストレス単体では燃え尽き症候群とは言えない。燃え尽き症候群は、単なるエネルギーの低下だけでなく、感情的な離脱や有効性の低下を伴う。
科学者としての訓練を受け、グローバルなエネルギー技術企業を創業したシャオチン・スン(Shaoqing Sun)博士は、『From Burnout to Bliss(燃え尽きから至福へ)』の著者でもある。彼は、最も野心的で成功しているリーダーたちが、なぜ自分自身の燃え尽き症候群の警告サインを見落としがちなのかを説明している。
彼によると、高い実績を上げる人々はストレスを自分の強さと混同しがちであり、野心的な働き手は燃え尽きを仕事への献身として覆い隠してしまうことがある。しかし、それは持続不可能だ。急成長を遂げる国際的企業を築き上げ、自らを崩壊の危機にまで追い込んだスンは、現在、過労や感情的な消耗を引き起こす隠れた心理的パターンについてエグゼクティブ向けに講演を行っている。
「何十年もの間、私は最高レベルのパフォーマンスで働き続けた。外から見れば、それは成功に見えただろう。しかし内実としては、それが燃え尽きへとつながった。自分の燃え尽き症候群の根本原因を振り返ると、すべては一つのことに行き着く。それは、エゴだ。エゴが私の視野を狭め、真実を見えなくしていた」
リーダーが見落としがちな初期の危険信号(レッドフラッグ)には、身体的症状、感情的な離脱、そして自分のアイデンティティを仕事の成果に過剰に結びつけてしまうことが含まれる。高い実績を上げる人々は、燃え尽きを野心の代償だと思い込み、自分がそれに陥っていることを認めるのが最も遅くなりがちだ。しかしスンは、燃え尽き症候群とは、成功がエゴに支配され、より深い目的からズレてしまっていることを示す警告信号であると指摘する。
スンは、エゴに基づいて働くことを、くしゃくしゃになった古い地図を頼りに人生をナビゲートするようなものだと表現する。それは一応機能するものの、常に自分を疑い、逆戻りし、不確実性の中で苦労し続けることになるという。
「しかし、意識的な意図に基づいて行動するようになると、リアルタイムでアップデートを受信する、インターネットに接続されたGPSシステムに切り替えるようなものだ」と彼は気づいた。「突然、ルートが明確になり、道路の状況と同調できるようになる。依然として前進し続けるが、抵抗ははるかに少なくなる」



