8位のスペインは、1年間有効なデジタルノマドビザの申請料が73ユーロ(約1万3000円)で、調査対象国中3番目に安い。平均インターネット速度は148.63Mbpsと、8番目に速い。医療水準は5位だ。平均家賃は911ユーロ(約16万6000円)、食費は253.70ユーロ(約4万6000円)で、もはや欧州で特に生活費の安い国とは言えなくなった。だが、快適なインターネットの速度やビザ取得の容易さ、充実した医療制度が家賃の高さを和らげる一助となっている。
9位はリトアニアで、ビザ取得に必要な収入要件が月額895ユーロ(約16万3000円)と、調査対象国の中で最も低い水準にある。1カ月の平均的な食費は199.42ユーロ(約3万6000円)だ。インターネットの通信速度は110.74Mbpsに達し、通信費の月額は13.55ユーロ(約2500円)で、調査対象国中8番目に安い。医療水準は9位だった。
ルーマニアは最も生活費が安い国の1つとして10位に入った。都心部の家賃は平均440ユーロ(約8万円)で、調査対象国の中で8番目に安い。1カ月の食費は173.46ユーロ(約3万2000円)、交通定期券は21.39ユーロ(約3900円)だ。平均的な通信費はわずか7.20ユーロ(約1300円)で3番目に安い水準だが、ダウンロード速度は105.46Mbpsに達している。これらの数値から、ルーマニアは予算重視のリモートワーカーにとって特に適した国と言えるが、コワーキングスペースや民泊の数が限られていることや地元の催し物が少ないという側面もある。
デジタルノマドに厳しい欧州の国
ランキングの下位5カ国は、アイルランド、スイス、ベラルーシ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、フランスだった。アイルランドは英語の通用度で4位、催し物の数で6位、コワーキングスペースの数で9位と高評価を得たにもかかわらず、総合では最下位となった。同国はデジタルノマドビザを発給しておらず、交通定期券は月額97.81ユーロ(約1万8000円)と、調査対象国の中で最も高額だ。平均家賃も1606ユーロ(約29万2000円)と高く、安全性と医療水準はそれぞれ38位と37位だった。
39位のスイスにもデジタルノマドビザ制度がなく、調査対象国の中で食費が最も高額であることが順位を押し下げた。家賃は平均1785ユーロ(約32万5000円)、通信費は36.98ユーロ(約6700円)で、いずれも39位と低迷した。快適なインターネット速度や安全性、比較的豊富なコワーキングスペースは大きな利点だが、同国では生活費の高さが重荷となっている。
ベラルーシとボスニア・ヘルツェゴビナは生活費が安いが、いずれもデジタルノマドビザを提供していない。ベラルーシは食費の安さで3位、家賃と交通費で5位に入ったが、コワーキングスペースの数では最下位、インターネット速度、医療、安全性、催し物の数でも低迷した。ボスニア・ヘルツェゴビナは調査対象国中コーヒー価格が最も低く、家賃と食費も2番目に安かったが、インターネット速度では38位、コワーキングスペースの数では36位、催し物の充実度でも36位にとどまった。両国とも、生活費の安さだけでは社会基盤の不足を補えないことを示している。
フランスは医療水準とインターネット速度が4位だったにもかかわらず、総合順位は37位と低迷した。同国もデジタルノマドビザ制度を設けておらず、英語の通用度は39位、安全性は最下位だった。1カ月の平均的な食費は338.66ユーロ(約6万2000円)、交通定期券は61.12ユーロ(約1万1000円)だ。フランスはビザの取得が難しく、安全性や英語の通用度、生活費の面で劣っているため、総合順位は伸びなかった。


