10月に開催する京都YouMeトリエンナーレのゼロ回目の準備が佳境を迎えています。「佳境」とは面白い段階を意味しますが、同時に尻に火がついている、ということでもあります。
京都YouMeトリエンナーレ(この後、YouMeと略します)は英国、イタリア、日本のぼくを含む5人が発起人となり、1年半以上前から準備をはじめたものです。アート、デザイン、クラフトを横断して「人にとってつくるとは何か?」を問いながら、これをテーマとした国際的プラットフォームを築いていきます。キュレーターは、発起人にカタール、インド、日本から3人を加えた合計8人です。

今年、マニフェスト版として行い、今後、世界各地のネットワークをつくっていき、2030年の1回目の実施をより充実したものにさせていく予定です(トリエンナーレは3年毎ですが、1回目はキリのよい2030年と想定しています)。
京都駅から徒歩10分、東本願寺の飛地境内に17世紀に設けられた隠遁所、渉成園を中心に開催します。ここでプロジェクトの趣旨がわかる展示、日本のコンテポラリーアーティストの作品展示、「I AM. WE ARE. LIBERTY」という昨年創業150年を迎えたリバティ・ロンドンの記念展示の3つを構成します。また、周辺のスペースで各国クリエイターの展示、国際カンファレンス、それらに付随するさまざまなワークショップや近隣スタディツアーを実施します。
先日、このYouMeプロジェクトの実行委員会のメンバーであり、ミラノ工科大学博士課程に在籍している和田夏美さんが、日本滞在中に多くの人に本プロジェクトについて説明した際、「これだけ大きなプロジェクトなのに、純粋で軸がぶれていないのが凄い」と驚かれたと話してくれました。
このコメントを耳にして嬉しかったので、本稿を書くことにしました。私たちが目指しているビジョンが伝わった感があったのです。
YouMeは、ぼく自身のなかにあるいくつかの個人的動機のひとつに、新しいラグジュアリーの実践編という想いがあります。 『新・ラグジュアリー』の本で書いたように、従来のラグジュアリーとは異なる方向に人々は目を向けつつあり、それが何なのかは国際的な議論の対象のひとつになっています。2030年くらいには、それらの議論の結果があるカタチになって見えてくるのではないかと予想されますが、そのカタチのひとつのモデルとしてYouMeの提案は意味があると考えています。



