手当より先に求められる安全
社員は在宅勤務に何を求めているのか。メリットの最多は「通勤時間・コストの削減」で57.3%。2位の「育児・介護との両立がしやすい」16.3%に40ポイント以上の差をつけ、通勤からの解放が在宅勤務の価値だと受け止められているのだろう。

ところが改善要望になると、順位は少しずれてくる。会社に改善してほしいことの最多は「悪天候・災害時の在宅勤務ルールを整備してほしい」の21.8%で、「通信費・光熱費などの手当を充実させてほしい」の21.2%をわずかに上回った。コストを誰が負担するのかという要望と並んで、悪天候の日の基準づくりが求められていることになる。

その予兆はメリットの回答にもあり、4位の「猛暑・悪天候時の移動負担がない」9.7%には、通勤そのものをリスクと捉える視点がうかがえる。
判断が上司に委ねられる現実
天候が荒れた日に限って尋ねると、社員の答えははっきり一方に傾く。猛暑日や台風、大雪などの際に在宅勤務を認めてほしいかという問いに、「強くそう思う」が73.3%、「ややそう思う」が20.0%で、合わせて93.3%に達した。多少は便利という程度の希望ではなさそうだ。

一方で、専用のルールや制度を設けている企業は7.0%にとどまっている。「通常の在宅勤務制度の範囲内で対応」が25.7%ある一方、「上司の裁量で対応」が27.7%と最も多く、「特に対応していない」(24.0%)、「そもそも在宅勤務制度がない」(15.7%)が続いた。同じ天候の日でも、誰の下で働いているかによって出社の要否が変わっていることになる。

社員が求めているのは在宅勤務を増やすことそのものというより、悪天候の朝に何を基準に判断すればいいのかという確かな手がかりなのだろう。在宅勤務を週に何日認めるかという議論とは別に、どんな日にどう判断するのかを決めることが必須の検討事項になっていきそうだ。
【調査概要】
調査対象:企業で働く男女300人
調査期間:2026年6月10日〜6月21日
調査方法:インターネット調査
出典:労務SEARCH


