ふたりを結ぶNHKの巨頭
小山:卒業後はNHKに入局されていますが、すんなり決まった感じですか?
近衞:そうですね。父が人道支援だ福祉だという世界の最前線でやっていたので、どこかで「世のため人のため」ではないですが、いわゆる商業活動というよりは、国連で働くのはどうだろうかなと。住んでいたジュネーブは国連本部がもともとあったところですから、少なからずそういう影響を受けて。国連って映像の部署がヘッドクォーターにあって、日本にも青山のツインタワーにライブラリーがあったんです。そこに行って、「国連で映像を作ることができないですか」と尋ねに行ったら、「ここはリタイアした人が来るところだから、いっぺん現場に行って、その後おいで。ちなみに僕はNHK出身だよ」と言われて、「そうか、
NHKか」と。よくよく考えたら映像学科を作ったのは元NHKの吉田直哉先生で。
小山:ああ、吉田直哉さん!
近衞:私は吉田先生が作った映像学科の1期生なので、NHK就職には有利に違いないと単純に考えたんです(笑)。
小山:僕、吉田さんはお会いしたことがないのですが、日本大学芸術学部の放送学科出身なので、超巨匠の映像作家だという印象がありまして。吉田直哉、佐々木昭一郎というのがNHKの両巨頭。のちに僕が作った『カノッサの屈辱』という番組は、吉田さんが作った『未来への遺産』がお手本なんです。あのテイストで面白おかしいことをやろうと。だからある意味、僕も吉田直哉世代なんですよ。
近衞:なんと、それは奇遇ですね。
今月の一皿

エスニック好きのゲストのために、クミンやコリアンダーを衣に混ぜ込んだ穴子のフリットとトマトとチーズのカプレーゼを。

都内某所、50人限定の会員制ビストロ「blank」。筆者にとっては「緩いジェントルマンズクラブ」のような、気が置けない仲間と集まる秘密基地。
小山薫堂◎1964年、熊本県生まれ。京都芸術大学副学長。放送作家・脚本家として『世界遺産』『料理の鉄人』『おくりびと』などを手がける。熊本県や京都市など地方創生の企画にも携わり、2025年大阪・関西万博ではテーマ事業プロデューサーを務めた。
近衞忠大◎1970年、東京都生まれ。武蔵野美術大学を卒業後、NHKに入局。2004年、GTパートナーズを設立し、外資系企業の日本マーケティングなどに関わる。18年、curioswitchを起業し、企業や団体のマーケティングやブランディングを手がけている。


