「家全体」ではなく「一室を守る」選択肢
そこで調査では住宅が倒壊しても命を守るため、家の中に強固な空間を設ける「耐震シェルター」についても尋ねている。耐震シェルターを「知っている」人は17.5%、「名前は聞いたことがある」が37.1%で、「知らない」は45.3%だった。
一方、「短期間で設置できる」「大規模な耐震改修より安価」「家が倒壊しても命を守れる」という条件であれば、「非常に検討したい」「やや検討したい」を合わせて約半数が導入を検討したいと回答している。

調査を実施したヤマヒサではこうした選択肢のひとつとして、住宅の一室を鉄骨フレームで補強するリフォーム型耐震シェルターを展開している。建物全体を建て替えたり、大規模な耐震改修をしたりせず、家の中に安全な空間を確保する仕組みだ。
2度の熊本地震を経験して思うこと
筆者は熊本在住で、2016年の「平成28年(2016年)熊本地震」、そして2026年7月28日に発生した「令和8年熊本地震」と、2度にわたって大きな地震を経験した。被災地で古い家屋が大きな被害を受ける光景を目の当たりにして強く感じるのは、大きな揺れの中では「すぐに広い場所に移動することは難しい」ということ。揺れている最中は机の下に移動することも難しく、何かにしがみつくか座り込むしかできない。つまり「屋外へ避難」と日頃から想定している行動は、なかなか実際にはできない。
もちろん、住宅全体を耐震改修できればそれに越したことはない。しかし今回の調査が示すように、費用や工事の負担が壁となるケースもある。そう考えると、家全体の改修だけではなく、まず家の中に命を守るための空間を確保する「耐震シェルター」という考え方も、選択肢のひとつになり得るのではないだろうか。地震への備えを考えるとき、「何を備蓄するか」とともに、「揺れた瞬間、家の中でどう命を守るか」についても一度考えておきたい。


