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リーダーシップ

2026.08.07 09:54

優秀な人材に頼りすぎる組織が見落とす、致命的な弱点

stock.adobe.com

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組織は、課題への対応、問題解決、そして新規プロジェクトの推進にあたって、ハイパフォーマーに頼る傾向がある。これは理にかなっている。優れた成果を上げる人材は自ら新たな機会を求め、常に確かな結果を出し、上司の信頼を勝ち取っていく。成功を積み重ねるたびに、頼れる存在としての評価はより一層強固になる。

ハイパフォーマー自身も、こうした責任の増大を歓迎することが多い。その多くは、並外れた努力を重ねる自分に誇りを持っている。たとえ非現実的な目標を達成するために個人的な犠牲を払うことになっても、彼らは常に引き受けてしまう。

この共生関係は、短期的にはうまく機能する。リーダーは最優先事項が確実に処理されると安心でき、一方でハイパフォーマーはより大きな評価、可視性、キャリア機会を得る。しかし、この構図は人的キャパシティに対して長期的な影響を及ぼす可能性があり、それは容易には察知できない。

人的キャパシティとは、戦略的思考、意思決定、変化への適応、他者への影響力の行使に際して人が引き出す、認知的・感情的エネルギーの有限な組み合わせである。困難な判断、競合する優先事項、割り込みのすべてが、同じ資源のプールから引き出されている。組織のキャパシティは人的キャパシティの上に築かれるため、組織は今日は優秀な人材と目覚ましい成果を有しながらも、長期的なパフォーマンス維持に必要なまさにその資源を、着実に消耗させている可能性がある。

この問題を検知することは、あるいは予見することさえ困難だ。なぜなら、仕事は回り続けているからである。ハイパフォーマーは期限を守り、顧客を支え、緊急の問題を経営層に上がる前に解決する。これによって、組織が効果的に機能しているという認識が強化される。しかし実際には、少数の過剰負荷を抱えた人々が、目に見えないギャップを繰り返し埋めているのだ。

人的キャパシティが重要な理由

ハイパフォーマーへの要求は増え続ける一方だ。マイクロソフトの「Work Trend Index 2025」によると、Microsoft 365を使用する従業員は、勤務時間中に2分に1回の割合で、会議やメール、通知による中断を経験している。従業員の約半数、そしてリーダーの半数以上が、自らの仕事を「カオスで断片的」であると表現しており、これが従業員の注意力を維持し、戦略的思考に取り組むことを困難にしている。

ハイパフォーマーにとって、こうした業務の断片化は、複雑さの増大と重なり合っている。気難しいクライアントへの対応、部門間の対立の解消、困難な判断、曖昧な課題への対処などを最も頻繁に求められるのは、彼らハイパフォーマーなのだ。彼らは物事をやり遂げる能力に長けているため、成果を出すために必要な労力は、カレンダー上の実際の予定よりも目に見えにくい。このことは、個人のパフォーマンスにとどまらない影響を及ぼす。

世界経済フォーラムの「Future of Jobs Report 2025」は、雇用主にとって最も重要なコアスキルとして分析的思考を挙げている。これに続くのは、レジリエンス、柔軟性、機敏性、そしてリーダーシップと社会的影響力である。これらの能力は、注意力、判断力、感情の調整、そして強固な人間関係を必要とし、そのすべてが人的キャパシティに依存している。

ハイパフォーマーが組織の弱点を覆い隠すとき

経営陣が、迅速な対応や「いつでも連絡が取れる状態」、そしてピンチを救う行動を一貫して評価していると、組織が特定のメンバーにますます依存するパターンを強化してしまう。時が経つにつれ、信頼を寄せられているハイパフォーマーは「単一障害点(そこが崩れると全体が崩壊する箇所)」となり得る。同僚は彼らの判断に頼り、マネジャーは緊急業務を直接彼らに回し、リーダーはハイパフォーマーが業務量をこなせると信じて追加のリソース投入を先延ばしにするかもしれない。

このパターンが続くと、卓越した個人のパフォーマンスが組織の弱点を覆い隠し始める。リーダーは、不明瞭な優先事項、不十分なリソース、チーム全体で未開発のスキルを発見する機会を減らしていく。これらのギャップが隠されたままだと、組織は、長期的な組織キャパシティを強化する仕組み、プロセス、人材への投資よりも、並外れた個人の努力に頼り続ける可能性が高くなる。

長期的な組織キャパシティを構築する

この課題への対処は、事業成果が少数のハイパフォーマーの卓越した貢献にどこで依存しているかを検証することから始まる。リーダーは、常に時間外の対応を要する業務、あるいは並外れた個人の努力に依存して完遂される業務に注意を払うべきだ。こうしたパターンは、個人的なコミットメントが組織の弱点を補っている箇所を示している。

人的キャパシティを強化するには、単にタスクを再配分するだけでは不十分だ。リーダーは意思決定、人間関係、戦略的コンテクストをも分散させ、重要な業務が一部の信頼できる人材に集中しないようにする必要がある。これには、他のメンバーが重要な議論に参加する機会を設けること、共同でオーナーシップ(当事者意識)を持つ体制を確立すること、そしてハイパフォーマーが他者に知識を移転するための時間を確保することが含まれる。

また、経営陣はハイパフォーマーが戦略的に考えるための時間を守る必要がある。利用可能なすべての時間が目の前の実行作業に割かれていると、いくら優秀な人材であっても、リスクを予測し、前提を疑い、人間関係を構築し、あるいはチームを育成するための認知的余力(帯域幅)が限られてしまう。今日の要求を満たすために利用可能なすべての人的キャパシティを使い果たす組織は、明日の機会を切り開くために必要となる、まさにその有限なリソースをすり潰しているのだ。

ハイパフォーマーは、何に「イエス」と言い、どう貢献するかについてより意識的な選択をすることはできるが、組織の需要そのものを自分一人で再設計することはできない。人的キャパシティが投入される場所を左右する優先事項、構造、インセンティブを担うのは経営層である。長期的な成功は、少数の傑出した人々の並外れた努力を超えた組織キャパシティを構築することにかかっている。

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