マッキンゼーとLean Inによる「Women in the Workplace 2025」レポートは、男女間に初めて「野心の格差」があることを明らかにした。エントリーレベル、中堅、シニアいずれの層においても、女性はキャリアへのコミットメントが男性と同程度であるにもかかわらず、昇進への関心が低いと回答した。同レポートは、女性のキャリア形成を支援するために設計されたプログラムの縮小など、この野心の格差の背景にある憂慮すべき要因を指摘している。
育児や介護を担う人々に対する構造的な障壁も一因となっている。Catalystの新たな調査によると、2025年1月から8月までの間に45万人以上の女性が職場を去った。自発的に離職した58%のうち、42%が育児や介護の責任を主な理由として挙げている。こうした傾向は、十分な育児支援や柔軟性が欠如した環境で働く、育児や介護を担う人々が直面している困難を浮き彫りにしている。
今日の職場におけるマクロレベルの動向は女性のキャリアの方向性に大きな影響を与えるが、他の要因も作用している。筆者の仕事を通じて、野心的でキャリア志向が強いにもかかわらず昇進を望まない女性が増えていると感じている。多くは、自身の価値観と、支える立場にあるリーダーシップチームの価値観との間に葛藤を抱えていると語る。上を見上げても、そこに映るものに魅力を感じないというのだ。
昇進によって自分の好きな仕事から遠ざかることを懸念する人もいる。リーダーシップの階段を上がると、仕事の性質は必然的に変わる。たとえば、営業、プログラミング、データ分析が好きな場合、昇進すればその業務を担う人々を管理する立場になる可能性が高い。
昇進が自分にとって正しい選択かどうかを決められるのは、自分だけである。迷っているなら、自分のキャリアの道筋をより自信を持って主体的に選ぶために、次の3つのステップを試してほしい。
自分自身の基準で成功を定義する
いわゆる「キャリアのはしご」は、何十年にもわたり、キャリアにおける成功を語るうえで強力な概念であり続けてきた。すべてのプロフェッショナルが垂直方向のキャリア軌道を望んでいる、と当然のように見なされている。その結果、驚くほど多くの女性が、恥ずかしそうに「昇進したいかどうかわからない」と筆者に打ち明けてきた。階級を上がり続けたいと思わないことで、自分自身だけでなく、すべての女性を失望させているかのように感じているのだ。
もしキャリアの成功の尺度が、垂直方向にどれだけ上ったかだけで決まるなら、ほとんどのプロフェッショナルは基準に届かない。そもそもCスイートのポジションは全員に行き渡るほど存在しないからだ。真のキャリアの成功は主観的なものである。自分に次の問いを投げかけてみてほしい。
- どのスキルや強みを優先したいか。
- どのような仕事に最も充実感、満足感、楽しさを感じるか。
- どこで成長を続け、自分に挑戦したいか。
- 最高の仕事をするために、どのような環境条件が必要か。
- 自分はどのようなレガシーを残したいか。
自分自身の基準で成功を定義することで、新たな自信と明確さが得られる。組織の頂点に上り詰めなくても成功を達成できるのだと気づけるのだ。
選択肢を探る
昇進を望まないことは、まったく正当なキャリア上の選択である。ただし、なぜ昇進したくないのかは重要だ。上記の問いについて考えた結果、昇進は自分にとって正しい道ではないと結論づけたなら、その決断を自分のものとして受け止め、それに沿って前に進んでほしい。
しかし、その決断が恐れや不確実性に基づくものなら、さらに探ってみる価値がある。筆者は長年にわたり、「もし自分にできなかったらどうしよう」と尋ねる多くの女性と話してきた。この問いは恐れと自己不信に根ざしている。自分にできるかどうかを問う代わりに、自分はそれをやりたいのかを問いかけてほしい。やりたいのであれば、学ぶことはできる。覚えておいてほしい。今では当たり前のように備わっている強みや能力も、生まれつき持っていたものではない。
内なる批判者の声に耳を傾ける代わりに、自分のネットワークにいる人たちと話してみよう。次のような質問をしてみるとよい。
- その役割のどのような点が最も好きか。
- 最も難しいと感じることは何か。
- その役割を引き受ける決断をどのように下したか。
- 当時知っておきたかったと今思うことは何か。
- この道を検討している人にどのような助言があるか。
昇進したいかどうか確信が持てないなら、その役割に就いている人たちと話すことで、思い込みに基づくのではなく、自信を持って意図的に決断できるようになる。



