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2026.08.09 14:00

日本が教えてくれた、「法定通貨のリスクと金の価値」

stock.adobe.com

米政権が恐れた、日本による米国債の大量売却

では、なぜトランプ政権は他国の通貨問題に介入したのだろうか。

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まず1つに、日本は世界最大の米国債の海外保有国だ。ある国が自国通貨を防衛する必要がある場合、通常は外貨準備を売却して資金を調達する。そして日本の外貨準備の大半は米国政府の債券で構成されている。円の本格的な防衛には、数十億ドル規模の米国債を市場に放出することが含まれ得ることに、我々は気づいたのだ。

このページのチャートを見れば、すでに何が起きているかがわかる。米財務省のデータによると、日本の保有額は2月時点で1兆2400億ドル(約196兆円)だった。5月までにそれは1兆1400億ドル(約180兆円)まで減少し、実質的にちょうど1年前の水準に戻った。この中には、4月から5月にかけての670億ドル(約10兆6000億円)の減少も含まれる。1年間の積み増しが、消えてなくなったのだ。

次に、彼らが売却する先の市場を考えてみよう。10年物米国債利回りは2025年初頭以来の高水準にあり、30年物は19年ぶりの高水準近辺にある。そこに日本の保険会社、年金基金、銀行が売却に加わったとしたら、これは東京だけで収まる問題ではなくなる。

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ユーロを売って円を買い、米国債を売らせない設計

今回の救済策の仕組みも見てみよう。ニューヨーク連銀が介入した際、米ドルではなくユーロを売って円を買ったと報じられている。これに多くの人が首をかしげた。なぜ米国は自国通貨を使わなかったのか。同時に米連邦準備制度理事会(FRB)は、外国の中央銀行が保有する米国債を売却するのではなく、それを担保にドルを借り入れることができる制度を日本当局に案内した

つまり、この作戦は日本が米国債を売却しなくて済むように設計されていたのだ。政権は、最大の海外債権者が資産を売り払う可能性を前にして、1世代に1度の介入には政治的リスクを取る価値があると判断したのである。

次ページ > 介入は対症療法にすぎず、円安の構造要因が残る

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