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2026.08.07 15:00

アンソロピック、AIチップの自社設計チーム発足──半導体競争に挑む狙いとは?

gguy - stock.adobe.com

カスタムTPUはすでに、グーグルとブロードコムから買っている

Anthropicは、自社チームができるのを待ってカスタムチップを手にしたわけではない。同社は4月、グーグルおよびブロードコムとの提携を拡大し、2027年以降に稼働する次世代TPUを約3.5ギガワット分確保した。これは2025年10月に締結したグーグル・クラウドとの契約に基づき、2026年中に稼働する1ギガワット超へ2026年に到着する1ギガワットに上乗せされる。

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ここで押さえておくべきはブロードコムの役割だ。同社はカスタムTPUを開発・供給しており、グーグルの次世代AIラック内部で用いられるネットワーキングやその他の部品について、2031年まで及ぶ別枠の供給契約も持っている。3.5ギガワットといえば、中規模都市の電力消費量にほぼ相当する。それが一企業のAIモデルを動かすためだけに割り当てられる。

AnthropicのCFO、クリシュナ・ラオは、この契約を、「顧客基盤で目の当たりにしてきた指数関数的な成長」に応えるための、同社として過去最大のコンピューティング投資だと述べた。その成長は本物だ。Anthropicのランレート売上高(年換算収益)は、2025年末時点の約90億ドル(約1兆4220億円)から300億ドル(約4兆7400億円)超へ跳ね上がり、年間100万ドル(約1億5800万円)超を支出する法人顧客は1000社を超えた。1年で売上を3倍にしたからこそ、チップ計画の検討が初めて現実味を帯びる。

Anthropicはこの1年、カスタムシリコンを買い続けてきた。売り手がブロードコムとグーグルだったというだけの話だ。

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トークン単価を下げた効果は、全処理に複利で効き続ける

AI開発企業を自社チップ設計へと駆り立てる圧力の正体は、単純な掛け算だ。ランレート売上高300億ドル(約4兆7300億円)のAI開発企業は毎日途方もない数のトークンを処理しており、その1個あたりコストは、自社が支配していないハードウェアによって決まる。このコストを削ることは、技術部門が取り組めるほぼどんな仕事よりも価値が大きい。削減効果はすべての処理に永久に乗り続け、利用量とともに複利で膨らんでいくからだ。

汎用アクセラレータはあらゆる処理を実行できるように作られている。裏を返せば、特定企業のAIモデルが決して呼び出さない処理に備えた回路面積まで抱え込んでいるということだ。単一のモデルファミリー向けに設計された部品なら、その無駄を省ける。難点は、先端チップ計画には数億ドル(数百億円)規模の費用と数年の歳月がかかり、しかもハードウェアが追いつくまで、AIモデルのアーキテクチャが十分に安定していなければならないことだ。この道を進むのが、設計費を償却できるだけの収益と、狙いを定められるほど安定したモデル系列を併せ持つ企業に限られる理由が、ここにある。

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