AI活用推進のために人事評価への反映を
働き方が大きく変化しているにもかかわらず、人事評価はこの10年間で驚くほどほとんど変わっていない。多くの組織は今なお、従業員がどのようにAIを活用して仕事の質をどのように高めているかを尋ねることなく個人の成果に報いている。これは将来的に大きな代償を伴う視点の欠落になる可能性がある。
AIに疑問を投げかけ、その提案を精査し、テクノロジーと人間の判断を組み合わせる方法を知っている従業員は、今後ますます価値が高まるスキルを身につけている。こうした行動が評価されなければ、従業員にはそれを強化する理由がほとんどない。より思慮深いAIの活用を望むリーダーは、そうした能力は自然に育つと思い込むのではなく人事評価の面談の場で取り上げるべきだ。
問いを変えることから始まる
測定の仕組みを改善する最も簡単な方法の1つは、投げかける問いを改善することだ。プロジェクトが成功したとき、AIが時間の節約に役立ったかを尋ねるだけで終わってはならない。AIが最終的な意思決定にどのような影響を与えたか、従業員が行動する前にAIの提案を改善したか、成果を変えるような情報を明らかにするのにAIが役立ったかを尋ねるべきだ。こうした会話によって、生産性報告には決して現れない貢献が明らかになることが多い。
やがてこうした話し合いは、自分の専門知識とAIを組み合わせることで一貫してより大きな価値を生み出している従業員を見つけるのにも役立つ。そうした人材こそが、組織全体でAIをより効果的に活用する方法を他の従業員に教えられるのだ。
リーダーにとって意味するもの
今後もAIはますます高速になり、安価なものになり、性能は高まるだろう。だが、成功する組織とそれ以外の組織を分ける要因はおそらくそこではない。より大きな優位性は、AIと効果的に協働し、思慮深く疑問を投げかけ、AIが生み出したものを改善する術を知っている人材を育てることから生まれるかもしれない。こうした能力を評価する方法を身につけたリーダーは、AIがどこで価値を生み出しているのか、そして将来の投資がどこで最大のリターンをもたらす可能性があるのかを明確に把握できるだろう。AIから最大の優位性を得る組織は、人間とAIの効果的な協働を認識・測定・促進することに最も優れた組織なのかもしれない。


