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ビジネス

2026.08.08 14:15

なぜいま、AI時代のリーダーに「妄想力」が必要なのか━━AIエージェント時代の生存戦略

MDzARTPRO - stock.adobe.com

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人工知能の進化が社会構造を急速に組み替えつつあるいま、私たちは「正解を探す時代」から「問いを立てる時代」へと移行した。もはや未来は過去の延長線上にはない。テクノロジーの進化が指数関数的に加速する時代において、未来は「予測」するものではなく「構想」するものへと変わったのである。

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その変化を象徴するのが、2026年に入って本格化したAIエージェントの潮流だ。生成AIは「質問に答えるツール」の段階を超え、自ら推論し、計画を立て、複数のシステムを連携させてタスクを完遂する「実行主体」へと進化しつつある。専門特化した複数のエージェントが連携するマルチエージェント型の業務システムも実装段階に入り、「1人の創業者がAIを駆使して10億ドル規模の企業をつくる」という構想さえ、真剣に議論されるようになった。かつてSFの領域にあった光景が、わずか数年で経営の現実的な選択肢になったのである。

こうした不連続な変化の時代に、AI時代のリーダーの仕事とは何か。それは、未知と既知の間に橋を架けることだ。過去のデータをなぞるのではなく、「まだ誰も語っていない未来」を言語化し、科学・技術・ビジネスの間で形にしていく。そのために必要なのが「想像力」と「妄想力」である。両者は夢想ではなく、科学の前工程だ。未知の可能性を発見し、形に変えていくための知的装置なのである。本稿では、この二つの力を鍛えるための五つの視点を提示したい。

視点1:SFは「思考のサンドボックス」である

実務の中だけに視野を置くと、発想は既存の延長に引っ張られる。そこで強力な刺激となるのが、フィクションだ。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で主人公が過去の世界で現代の曲を演奏しても理解されなかったように、時代が違えば当たり前は当たり前でなくなる。「今の常識」が将来も通用する保証はなく、「昔の非常識」が未来の優位性になることもある。私が『マトリックス』を観たのは2005年頃だが、驚くほど違和感がなかった。あの作品が先取りしたAIと人間、現実と仮想の境界という主題は、いまや共通言語となった。重要なのは、SFを空想で終わらせず「これを実装するならどう作るか」と現実に結びつけるリンケージ力である。「できたら面白いリスト」を頭の中に持ち、技術が追いついた瞬間に構想と現実を接続する。その一瞬にイノベーションは生まれる。フィクションとは、仮説を試し、常識を疑うための「思考のサンドボックス」なのだ。

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文=茶谷公之

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