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サイエンス

2026.08.07 16:00

シャンプー後などに犬が急に走り回る「ズーミーズ」とは何か

stock.adobe.com

「自分のにおいを取り戻す」ためのズーミーズ

ズーミーズについて、追加すべき概念がもう1つある。シャンプーされた多くの犬が、直後に走り回るだけでなく、転がり回ったり、家具に体をこすりつけたり、カーペットや芝生に頭から突っ込んだりする理由を明らかにする概念だ。

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犬は世界を、においを中心に経験している。また、多くの研究者が主張するように、犬はにおいを中心にして自分を感じとっている。犬の認知行動学を専門とするアレクサンドラ・ホロウィッツが2017年に『Behavioural Processes』で発表した研究で明らかにしたように、犬では、自分本来のにおいに対する反応と、なんらかの要因で変えられてしまったにおいに対する反応が異なる。

鼻で世界を把握する犬にとって、においはどうやら、(自分を映す)鏡のような働きを持つようだ。とはいえ、犬が本当の意味で自分を認識しているわけではなく、むしろ、においを識別しているにすぎないと主張する研究者もいる。

2018年に『Frontiers in Veterinary Science』で発表されたレビュー論文によると、犬の嗅覚は、推定で人間の1万倍から10万倍も敏感だという。従って、自分特有のにおいがシャンプーで洗い流されてしまうことは、犬に言わせれば、「ちょっとした変化」では済まされない事態なのだ。自分の一部が他人のそれに置き換えられてしまうことに近いのだろう。

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これを根拠にすれば、シャンプー後のズーミーズには時として、自分のにおいを取り戻そうする目的もあるという、動物行動学の仮説が成り立つ。つまり、走り回って興奮を発散しようとしていると同時に、転がり回って体を何かにこすりつけ、なじみのないシャンプーや香料をなんとかしようとしているわけだ。

この2つの説は、矛盾しているということではなく、生理的なメカニズムと本能的なメカニズムが同時発生している可能性が高い。そして、生物学者はいまだに、ズーミーズ状態にある犬のなかで、この2つのどちらがより大きな役割を果たしているのかをはっきり見分ける手段を見つけていない。

ズーミーズの意味は、それぞれの犬で違う

犬がどういう状態にあるかを知りたいなら、その時のボディランゲージを見るのが一番だ。ゆったりと弾むようなズーミーズ状態で、耳を後ろに倒し、舌を出し、しっぽを振っているか、中立の状態になっているなら、シャンプーが終わって喜んでいるか、安心していると言える。しかし、緊張した様子で、しっぽを体に押し付け、目を大きく見開いているなら、恐怖反応の表れに近いので、笑ったりせず、犬の気持ちをきちんと受け止めてあげた方がいい。

ズーミーズが実際に示しているのは、単なるシャンプー後の出来事よりも大きいものだ。それは、一見滑稽に見えたり、不可解に思えたりする行動の多くには、動物の内面が如実に映し出されている、ということなのだ。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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