カレンダーを見て、会議が切れ目なく並んでいるだけだと、憂うつ、いら立ち、あるいはもう一杯コーヒーを取りに行きたい衝動など、さまざまな反応が湧いてくる。平均的なビジネスパーソンは、勤務時間の35〜50%を会議に費やしている。できることなら避けたいと考える人も多い。Software Finderの調査によると、従業員の30%は、AIが代わりに対応してくれると思い、会議を欠席したことを認めている。とはいえ、仕事が動く場は会議である。アイデアが生まれ、問題が解決され、存在感を示せる場所だ。キャリアを伸ばしたいなら、会議を仕事の妨げと考えるのではなく、仕事の重要な一部として扱うべきだ。
会議を最大限に生かすには、まずマインドセットを変える
会議への向き合い方を変えると、周囲があなたを見る目や、リーダーとしての可能性の受け止め方も変わる。あらゆる会議は、人に影響を与えるための舞台になり得る。あなたがどう参加するかによって、準備ができていて、プロフェッショナルで、昇進に値する人物と見られるかどうかが決まる。成果を上げる人は、会議を自分の専門性を共有し、人間関係を築き、パーソナルブランドを強化する機会と捉える。会議は、ステークホルダーの前で存在感を示し、自分の価値を証明できる貴重な場である。上司、チーム、クライアントの誰と会う場合でも、同じ原則が当てはまる。賢く見え、賢く聞こえることを意識すれば、あなたは際立つ。
会議で賢く見えるための「3つのP」
会議で賢く見えるには、3つのPを意識したい。Prepared(準備する)、Punctual(時間を守る)、Propitious(前向きで好機を生む)である。影響力のある会議にするための3つのステップに集中しよう。
Be Prepared:準備を怠らない
準備こそが、会議で存在感を発揮するプロフェッショナルと、いても注目されない人を分ける、最大の差別化要因だ。会議に入る前に議題を確認する。資料を読む。誰が参加するのかを把握する。自分ならではの貢献が何かを考える。会議における自分の目標を定め、その目標を達成するための計画を立てる。会議の前には、次の3つの質問に答える時間を少し取るとよい。「自分への3つの問い(Me Three)」である。
- 自分はどんな価値を加えられるか、加えたいか。
- どんな印象を残したいか。
- どんな成果に影響を与えたいか。
この短い内省によって、目的意識を持って会議に臨めるようになる。これを継続すれば、周囲はあなたを、一貫して価値を加えるチームメンバーとして見るようになる。
Be Punctual:時間を守る
時間通りに現れることは、単なる礼儀を超えている。それは相手への敬意と誠実さのシグナルだ。遅れて到着することは、自分の時間のほうが他の人の時間より重要だというメッセージを送ることになる。早めに到着するなら、なおよい。落ち着いて準備でき、同僚ともつながれるからだ。会議が始まる時点で準備が整い、積極的に関わっている人を、リーダーは必ず見ている。
Be Propitious:前向きで好機を生む
会議において「Propitious」であるとは、その会議と成果に対して前向きであることを意味する。つながりと達成を促すポジティブな環境をつくることだ。周囲に温かくあいさつする。何が間違っているかではなく、何が可能かに目を向ける。話題がそれたり、意思決定に時間がかかったりしても、関与し続ける。集中力と前向きさは伝染する。そしてそれは、リーダーシップの存在感を示す最も強力な例の一つである。スマートフォンを確認する、姿勢を崩す、マルチタスクをする、否定的な空気を持ち込むといった、会議でありがちな失態は避けたい。会議中の見え方は、発言と同じくらい雄弁に語る。
会議で賢く聞こえるための「6つのBe」を実践する
賢く見えれば注目される。賢く聞こえれば記憶に残る。会議の質をアップグレードする時が来た。賢く聞こえるために、次の6つの習慣を取り入れたい。
1. Be Curious:好奇心を持つ
会議で何を言えばよいかわからないなら、優れた質問をすればよい。好奇心は沈黙に勝る。洞察に富んだ質問は、不安そうではなく、思慮深く見せてくれる。理解を深める質問を投げかけよう。
- これはいま最も注力すべき問題なのか。
- 原因は何か。
- 代替案は検討したか。
- この解決策のマイナス面は何か。
賢い質問は、あなたが戦略的に考えており、自分の担当領域だけに集中しているわけではないことを示す。あなたは会話を明確さと解決策へ導くことに集中しているのだ。
2. Be Focused:焦点を保つ
会議は簡単に本筋からそれる。非公式な「焦点の番人」という役割を引き受けよう。議論を穏やかに本題へ戻す。重要なポイントを要約する。時間にも目を配る。これを行うことで、あなたは生産性を重視する人物として位置づけられる。
3. Be Resourceful:引き出しを持つ
賢く聞こえる最良の方法の一つは、アイデア同士を結びつけることだ。信頼できる情報源に言及しよう。
- 「Fast Companyで読んだのですが……」
- 「セス・ゴーディンはよくこう言っています……」
- 「Googleのマーケティングディレクターと話した際に、こんな共有がありました……」
外部の洞察を会話に持ち込むことで、議論の質が高まり、あなたはつながりを持ち、未来志向の人物として位置づけられる。
4. Be Real:自分の言葉で話す
専門用語よりも、誠実さのほうが人を引きつける。ビジネス用語の多用は避けたい。使い古された流行語は、あなたを本物らしくではなく、ありきたりに聞こえさせる。シットコム『The Office』に出てくる人たちの会話のようになってしまう。要点は平易な言葉で、明確かつシンプルに伝えよう。utilizeではなくuse、in order thatではなくso、in the event ofではなくifを使う。言葉がシンプルなほど、メッセージは強くなる。
そして、完全に排除したい言葉が一つある。「like」だ。小さな言葉だが、自信がなさそうに聞こえる原因になる。1980年代のバレーガールのように聞こえてしまう。語彙から取り除けば、すぐにより自信があり、信頼できる印象になる。
5. Be Professional:プロフェッショナルである
プロフェッショナルであることは、堅苦しく、融通が利かないことを意味しない。他者のアイデアに敬意を払い、約束を守り、議論が白熱しても落ち着きを保つことだ。積極的に耳を傾け、自分の意見を述べる前に他者の貢献を認めることでもある。プロフェッショナリズムは信頼を築き、その信頼があなたの影響力を増幅させる。
6. Be You:自分らしくある
ここであなたのパーソナルブランドが輝く。あなたの個性、価値観、情熱が、あなたを記憶に残る存在にする。それらをコミュニケーションに織り込もう。演劇が好きなら、モリエールを引用する。分析型なら、データやフレームワークを使って主張を組み立てる。ユーモアがあなたのブランドの重要な一部なら、適度に散りばめる。真正さこそ、注目される鍵だ。
自分のスーパーパワー、つまりあなたをあなたらしくしている資質を使って、会議をよりよいものにしよう。もしかすると、あなたはもともと整理が得意かもしれない。戦略的に考える人かもしれない。あるいは、人とアイデアをいつも結びつける存在かもしれない。それを強めればよい。自分の個性を表す決まり文句や表現があるなら、それを使う。それがブランディングであり、あなたを認識されやすくする。
会議に自分の足跡を残す
すべての会議には、影響を生み出すチャンスがある。会話を支配するのではなく、意味のある形で適切に貢献し、積極的に耳を傾け、丁寧にフォローアップすることだ。会議は、パーソナルブランディングの強力な瞬間である。同僚、クライアント、リーダーとあなたを結びつける。可視性を与えてくれる。専門性とプロフェッショナリズムを示す場になる。次の会議の前には、深呼吸をし、「自分への3つの問い(Me Three)」を見直し、「6つのBe」を思い出そう。いくつかの意図的な行動によって、退屈な時間の浪費に見える会議を、キャリアを築く機会へと変えられる。
ウィリアム・アルーダは基調講演者、著者、パーソナルブランディングの先駆者である。ブランディング、リーダーシップ、バーチャルプレゼンテーションの習熟について講演している。



