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働き方

2026.08.06 10:17

オフィス回帰の義務化が「真の問題」を解決しない理由

Adobe Stock

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中堅テクノロジー企業の最高執行責任者(COO)が最近、オフィス回帰を義務付ける理由を、珍しいほど率直に語った。「私たちは、業務がうまく行われているかどうかを実際には把握できていません」と彼女は言った。「業務が進んでいることは分かります。ただ、何かが破綻するまで、それが素晴らしい成果なのか平凡なものなのかが判断できないのです。社員がオフィスにいた頃は、フロアを歩けば10分もしないうちに、どのチームが活気づいていて、どのチームが漂流しているかが分かりました。私はそれを失ってしまったのです」

彼女は企業文化については言及しなかった。コラボレーションについても触れなかった。彼女が正確に描写したのは、評価の問題だった。つまり、人が働いている姿を物理的に観察することなしに、必要十分な仕事と卓越した仕事を見分けることができない、という問題である。

このような率直さは珍しい。昨秋、大企業がオフィス回帰の義務化を発表した際、その正当化の理由は企業文化やコラボレーション、イノベーションに集中していた。しかし、生産性に関するデータがその枠組みを支持したことは一度もない。

2024年10月の米労働統計局(BLS)の調査では、民間ビジネス部門の61産業において、リモートワークの増加と全要素生産性との間に正の相関関係があることが示されている。

ニコラス・ブルームが主導した2024年のランダム化比較試験では、ハイブリッドワーク(週2日の在宅勤務)は労働者の生産性やキャリアアップに一切のマイナス影響を与えないことが分かっている。

筆者の勤務先であるギャラップ社のエンゲージメントデータでも、在宅勤務時において系統的な低下は見られなかった。業務がこなされているのだとしたら、オフィス回帰の義務化は一体どのような問題を解決しようとしているのだろうか。

耳の痛い答えは、先ほどのCOOが明確に語った通りだ。多くの組織は、物理的な存在(出社)とは無関係に、チームが実際に何を達成しているかを測定することに苦労している。義務化の本質は、コラボレーションの回復ではなく、業務が行われていることを視覚的に確認することから得られる「安心感」の回復なのだ。

リーダーたちが実際に気づいたこと

経営陣の懸念を根拠がないとして一蹴する前に、長期にわたるリモートワーク期間中に組織のリーダーたちが実際に何に気づいたかを考えてみよう。

本来なら3カ月で終わるはずの戦略的プロジェクトが9カ月に延びてしまった。これは社員が働いていなかったからではなく、廊下で交わされるようなインフォーマルな調整が消滅したためである。

以前なら自発的な会話で解決していた決定事項が、今ではミーティングのスケジューリングやカレンダーの調整を必要とし、依存関係のある他部署へと遅延が連鎖していった。

若手社員が期待通りのペースで成長しなくなった。経験豊富な同僚の近くに座ることで得られていた「観察による学習」(先輩が難しいクライアントをどうあしらうかを小耳に挟んだり、複雑な分析をどのように組み立てるかを目にしたりすること)が失われたためだ。

初期段階のアイデア創出をビデオ会議で再現することが難しくなり、イノベーションのパイプラインは減速した。

これらの観察結果は、組織における本物の摩擦を反映している。問題は、その根本原因の診断が正しいか、そしてオフィス回帰の義務化が「本当に修復すべき問題」に対処しているかである。

「近さ」が覆い隠していた評価のギャップ

リーダーたちが「エネルギーを目にする」「コラボレーションを実感する」「企業文化を感じ取る」必要があると言うとき、それが何を意味しているかを考えてみてほしい。これらは指標(メトリクス)ではない。直接測定することが困難な何かを、経験的に代用しているにすぎない。

ある企業では、副社長が経営陣に対し、会議室の使用状況のヒートマップまで備えた、時間ごとのフロア占有率を追跡する新しいダッシュボードを誇らしげに見せた。そのデータは完璧だった。誰がいつ到着し、どこに座り、どれくらい滞在したかを正確に示していた。しかし、戦略が機能しているかどうかについては何も教えてくれなかった。

ここに本質的な問題が潜んでいる。全員がオフィスに座っていた頃は、お互いが「近くにいること」によって、何となく状況を把握できているような感覚が生み出されていた。リーダーたちはフロアを歩き、忙しそうな人々を目にし、ミーティングに出席し、状況を把握している「気になっていた」。その感覚が、達成された成果に対する体系的な評価の代わりになっていたのだ。リモートワークが評価の問題を作り出したわけではない。物理的な存在(出社)が長年にわたって覆い隠してきた問題を浮き彫りにしたにすぎない。

最近、筆者はあるシニアディレクターに、彼女が8年間管理してきたプロダクトマネジメント職における「卓越した状態」とはどのようなものかを定義するよう求めた。彼女は、ステークホルダー会議、スプリントプランニング、ロードマップのプレゼンテーションといった活動(アクティビティ)については説明できた。また、自分が重視する行動(ビヘイビア)(迅速な対応、徹底さ、主導権を握ることなど)を挙げることもできた。

しかし、「成果(アウトカム)」、すなわちトップパフォーマンスを発揮するプロダクトマネージャーが、平凡なマネージャーと違って実際に何を「生み出した」のかと問い詰めると、彼女は長い間沈黙した。「見れば分かります」と彼女は言った。この一言は、いかなる社内文書よりもオフィス回帰義務化の本質を雄弁に物語っている。

アウトプットが明確な組織は、混乱することなく適応した。そうした組織は、各チームが何をリリースしたか、何がどこで滞留しているか、その理由は何か、どの依存関係が遅延を引き起こしたか、そして品質基準が維持されているかを把握していた。彼らのマネジメントにおける会話は、進捗状況の報告ではなく、障害の排除や意思決定に焦点を当てていた。現在、オフィス回帰を義務付けている組織の多くには、そうしたインフラが欠けている。彼らは、歩き回ること、会議の多さ、そして誰が遅くまで残り、誰が早く出社しているかによってマネジメントを行ってきた。

リモートワークはそれらのシグナルを排除した。多くのリーダーは、これまで「出社していること」を示す指標を通じて監視してきた業務について、「完了」とはどのような状態を指すのかを言語化できないことに気づいたのである。

問題を本当に解決するための5つの転換

一律の義務化は、役割やパフォーマンス、業務の性質に関係なく、同じ要件を課す。これは、この方針が成果の最適化ではなく、組織の「心地よさ(安心感)」のために解決策を提示していることを示唆している。より戦略的なアプローチをとるには、いくつかの具体的な転換が必要である。

1. 一律のオフィス出社義務化をやめる。個人とチームのパフォーマンスを向上させる要因に基づいて個別化を始める

曖昧な問題に取り組む研究開発チームと、定義されたプロセスを実行するカスタマーサービスチームとでは、必要な働き方が異なる。観察を通じてスキルを身につけるキャリア初期の社員は、深い分析作業を行うシニアスペシャリストよりも多くの出社時間を必要とする。部門横断的なプロジェクトチームは、毎日の分散型出社よりも、集中的に対面で行う「スプリント」の方が効果的かもしれない。コラボレーションのパターンを業務要件にマッピングし、一律の遵守ではなく、実際のニーズに基づいてポリシーを設計することだ。

2. 誰がオフィスに戻れるかを問うのをやめる。社員がどのようにして目的に再びコミットできるよう支援できるかを問い始める

大半のリーダーは、オフィス回帰に関する議論を「週に何日か」「何曜日か」「どのような例外を認めるか」といったロジスティクスの観点に終始させた。より重要で結果を左右するはずの対話は行われなかった。若手エンジニアに対して「火曜日から木曜日まではオフィスにいなさい」と指示することと、次のように伝えることの違いを考えてみてほしい。「チームは今、重要なプロトタイプ作成段階に入っており、問題が発生した際にすぐ人を部屋に集められるかどうかが開発のスピードを左右する。この6週間に君がその場にいることは、リモートでタスクをこなす6カ月間よりも、君の成長を加速させるはずだ」

前者は単なる「規則の遵守」の要求である。後者は「重要な価値への貢献」への招待である。社員が、なぜ出社を求められているのかをポリシーとしてではなく、有意義な仕事との結びつきとして理解したとき、遵守は「コミットメント」へと変わる。この対話を省略し、カレンダーによる義務化へと直接飛びつく組織は、出席の問題を解決する一方で、エンゲージメントの低下という問題をさらに深めている。

3. 入退室ゲートのログ追跡をやめる。すべての役割において「卓越した仕事」とは何かを定義し始める

もしリーダーが、部下が働いている姿を見ずして明確な成功基準を説明できないのであれば、問題は「働く場所」にあるのではない。成果物、発生した障害、必要な意思決定に焦点を当てた評価のリズムを構築することだ。活動のシグナルではなく、アウトカム(成果)に基づいて評価するリーダーシップ能力を育成すべきである。

4. 「近くにいればイノベーションが自然に復活する」と期待するのをやめる。意図的なコラボレーションのインフラを設計し始める

もし自発的な交流がクリエイティブなブレイクスルーを生み出すのであれば、同じ場所にいれば自然にそれが起こると仮定するのではなく、創造的な会話を生み出すための専用のフォーラムを設計することだ。若手人材に成長の機会が必要なら、体系的なメンター制度や観察プログラムを設ける。部門横断的な関係性が重要なら、人間関係の資産を意図的に構築する定期的なタッチポイントを作り、それが機能しているかを測定する。

5. 出席率の測定をやめる。人々が一緒にいるときに「何が変わるか」を測定し始める

働く場所に関するポリシーの最適化に本気で取り組む組織であれば、コラボレーションの質、イノベーションの創出、成長のスピード、そして戦略の進捗を追跡し、それらの成果とさまざまな勤務形態との相関関係を調べるはずだ。このデータは、どの構成が実際に成果をもたらすかを示してくれる。単に「しっくりくる」かどうかではない。

戦略的選択

働く場所に関する意思決定を行うすべての組織は、2つの道のどちらかを選択している。物理的な配置に関係なく機能する評価インフラの構築に投資するか、あるいは「出社していること」によって安心感を得られる物理的近接性を復活させるかである。一方は組織の能力を高め、もう一方はただの心地よさを復活させる。

評価のギャップは、人々がオフィスに戻ったからといって消え去るわけではない。ただ目立たなくなるだけだ。リモート環境で明確な成功基準を説明できなかったリーダーが、対面になったからといって突然その能力を身につけるわけではない。彼らは再び、出社していること、会議への出席、忙しそうに見えるかどうかによってマネジメントを行うようになるだろう。業務に対する理解の浅さは以前と変わらないままだが、お互いの姿が見えることで、誰もが以前より安心感を抱くようになる。

この瞬間を戦略的に利用する組織は、アウトプットの明確さを確立し、場所に関係なく仕事を評価するリーダーシップ能力を開発し、実際にパフォーマンスを高める要因に基づいたポリシーを策定するだろう。一方で、オフィス回帰を義務付けるだけの組織は、出席率を追跡し、それで問題が解決したとみなす。しかし、評価のギャップは残ったままである。そして、次に物理的な存在を脅かす混乱が起きたとき、それが何であれ、同じ組織的な脆弱性が再び露呈することになるだろう。

オフィス回帰において自問すべき本質的な問いは、「リモートで働くべきか、オフィスで働くべきか」ではない。「働く場所に関係なく、自社にとって『卓越した仕事』とはどのようなものかを明確に説明できるか」である。もしそれに自信を持って答えられないのであれば、抱えているのは働く場所の問題ではない。いかなる不動産ポリシー(出社方針)でも解決できない、評価インフラの問題なのである。

forbes.com 原文

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