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2015.11.22 12:20

頻繁に飛行機を利用する人がもっとも嫌なことは?

06photo / Shutterstock

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頻繁に飛行機を利用する人が旅でもっとも嫌なことは長蛇の列。セキュリティチェックや搭乗前、そして税関の長蛇の列。それから遅延。

多くの航空会社が乗客にできるだけスムーズで快適な旅を提供しようと努力している。また、ハイエンドな顧客には優先セキュリティや搭乗ラインを設けるなどの待遇を実施している。ファーストクラスの顧客なら長い待ち時間が削減でき、ラウンジにはシャワーやビュッフェ、個人用の仕事スペースが完備されている。空港もレストランやショッピング環境を改善し、ゲートエリアに置かれた椅子も座り心地よいものに変えている。Wi-Fiはほぼどこでも使用できる。こういった改善が顧客満足の改善に寄与している。

ただ、特権を得たハイエンドな顧客でも旅行中のイライラは禁じ得ない。こういった不満はOlyver Wymanが頻繁にトラベルする人を対象に行った調査で明らかになった。対象は空港ラウンジを使用し、優先搭乗やファーストクラスのシートに座っている人たち(通常、荷物を機内に持ち込むので荷物が出てくるまでの待ち時間については文句を言わない)。悲しいことに、こういった顧客でも航空会社の対応に圧倒的に不満を抱いている。調査で明らかになった特に不満の多い8項目を列挙する。

セキュリティの長蛇の列
搭乗前の長蛇の列
出発の遅延
到着後の長い待ち時間
頭上の収納スペースが限られている
出発前の遅延
地上での遅延
税関の長蛇の列

改善策の多くが肝心の問題には対処できていない。空の旅は、多くの厄介なプロセスを伴い、大きな時間のロスになりかねない。ブランド力の向上にはこの不満の解消がカギを握っている。

「需要:人々が好むものをそれに気づく前に創り出すこと」の著者 エイドリアン・スライウォツキー氏は、顧客の生活における感情のホットスポットを明らかにし、緩和することが企業にメリットをもたらすと説明している。問題点を見極めるには、顧客の目線と気持ちで物事を見ることが必要だ。航空会社の上級幹部で顧客が経験していることを知っている人はほとんどいないので、これには訓練が必要だ。顧客をイラつかせるものが何かを知らないで、顧客を喜ばせるサービスの構築は不可能だ。問題点を明らかにするためには、顧客をフォローして、顧客の体験とソーシャルネットワークや苦情の手紙での顧客のコメントを結びつけることが必須だ。

飛行機を利用する人のイライラの深さは、頻繁に世界を旅する450人を対象としたオリバー・ワイマンの調査に反映されている。地点Aから地点Bまでの空の移動そのものは、信頼できると捉えられている。乗継便に間に合わなかったとかフライトがキャンセルになったと回答した人はほとんどいない。大半の問題は、警告や説明なしに遅延が生じるなど、フライト前後に発生している。フライトの遅延はなお顧客の苦痛の際たるもので、回答者の40%以上がイライラすると表明している。空港のラウンジで気持ちよく仕事をしていると、パソコンのスイッチをオフにして搭乗ゲートに向かうように言われ、慌てて仕事を片付けいざ向かうとフライトは20分から30分遅延だったという状況を想像してみて欲しい。

遅延は避けられず、受け入れられる場合も多々ある(乗客は安全上の理由による航空機器の点検や大型気象配置を回避するための遅延には文句を言わない)。一方で、乗客は信頼できる出発時刻を知らされることにより、見通しが立てばイライラの緩和につながると強調する。このほか主要な苦痛にはセキュリティチェックや税関の長蛇の列、搭乗ゲートまでの長い道のりなどが空の旅の一連のサービスに関連する面倒な点として明らかになった。

顧客の不満を和らげることが空の旅を提供する業界関係者全員にとっての最優先事項の1つだろう。その理由?満足した乗客は、次のフライトで同じ航空会社を選ぶ確率がずっと高いからだ。不満を解消する一つ一つの成功事例がブランド価値を構築し、顧客のロイヤリティーを高める。たった1つの未解決の問題が取引全体をダメにする一方、1つの問題の解決が満足する顧客を生み出し、それが数千人の航空機利用者に即時に広がる可能性がある。

顧客の不満を明らかにして対応するのに一部の航空会社は成功している。ただ、こういった例はまれで、その場しのぎの例が多い。大半の航空会社が、顧客のイライラを体系的に明らかにするためにいまだに適切なアプローチを取っていない。顧客体験の向上には、問題がいったん明らかになったらその後に続く刷新的な解決策が必要だ。

ただ、優れた機能的な仕組みを作り出すことは、今日のマーケティング競争への参加条件に過ぎない。目指すは顧客の心をしっかりと掴む魅力的なサービスを生み続けることだ。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

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