全米小売業協会(NRF)が発表した米国で最も急成長する小売企業を順位付けしたランキングで、中国のライフスタイルブランドがディックス・スポーティング・グッズやコストコといった米国の小売大手を抑えて首位を獲得した。また、今期のランキングにはAT&Tやベライゾンなど数社が初めて名を連ねている。
今回のランキングで首位を獲得したのは、米国内での売上高が4億6600万ドル(約735億円)に達し、約53%の米国内売上高成長率を記録した中国企業のメイソウ(名創優品)だ。同49%で2位に入ったディックスを上回った。
メイソウは、ディックス、AT&T、ベライゾン、ケーシーズ・ジェネラル・ストア、アルタ・ビューティ、RH、Jクルーなど他の8つの小売企業とともに初めてランクインした。
ブラインドボックス製品で人気拡大、米国出店が成長を後押し
NRFはメイソウが首位を獲得した要因について、SNSなどで話題を呼んだ中身が分からない箱入り商品(ブラインドボックス)や、マインクラフト、マイリトルポニーなどのブランドとの提携で人気を集めたほか、手頃な価格のライフスタイル商品の成功、「発見主導型のショッピング体験への注力」、そして米国での継続的な事業拡大が功を奏したと述べた。
続くトップ5には、大創産業(ダイソー。売上成長率25.8%)、プライマーク(同24.2%)、ファイブ・ビロウ(同22.9%)などの企業が名を連ねた。一方、コストコの売上成長率は8%で18位にランクインした。
コストコの年間収入は43兆円で、ウォルマートに届かず
コストコの2025年度の売上高は2752億ドル(約43兆4000億円)だ。その大半は米国内での売上(約31兆3400億円)が占めており、同社は米国での収益が最も高い企業の1つに位置づけられている。しかし、直近の会計年度において7169億ドル(約113兆円)の売上を記録したアマゾン、同じく7132億ドル(約112兆円)を記録したウォルマートには大きく差をつけられている。
メイソウは2013年創業、2022年に日本発を名乗る戦略を謝罪
メイソウの創業は2013年で、2020年にはニューヨーク証券取引所への上場も果たした。同社の創業者である葉国富(イエ・グオフー)の資産額は16億ドル(約2500億円)と推定されている。メイソウはかつて日本風のブランドを装って自社を売り出していたが、葉と同社は2022年にそのマーケティング戦略について謝罪し、以降は店舗やロゴのデザインから日本的な要素を排除している。
NRFが調査会社のカンターと共同で作成するこの毎年恒例のランキングは、企業の全体的な規模ではなく、米国内の年間売上高成長率に基づいて各企業を評価したものだ。カンターによると、この評価手法を採ることで、長年にわたり米国の小売売上の大部分を支配してきたコストコやウォルマートなどがもつ市場支配力ではなく、各企業の現在の「勢い」に着目することができるという。



