家計にとって3年制大学は経済的にたいへん魅力的だ。卒業に必要な単位数が120から90に減れば、授業料全体の4分の1を削減できる。それに加え、学生は1年分の家賃・寮費や食費も節約できるし、さらに、働いていれば得られていたはずの賃金も失わずにすむ。学生ローンに苦しむ世代にとって、これは問題を根本から改善する構造的な解決策になるはずだ。
3年制コースは、大学の費用を押し上げている原因に対する現実的な処方箋でもある。数十年にわたる大学の支出データからわかるのは、実際に学生を教育する部門の費用の伸びよりも、事務・管理部門の費用の伸びのほうがはるかに急激だということだ。卒業までの期間の短縮は、学生の1年分の学費を節約するだけではない。大学側に対して、30単位を削減するための取捨選択を通じて、そもそも学位取得に不可欠な単位はどれで、どれはたんに「固定費」のようなものとして漫然と受け入れられてきただけなのかを、問い直させることにもなる。
雇用主や大学院は、90単位の学位を従来の学位と同等のものとして評価するだろうか。また、「より早く、より安い」コースを選ぶのは恵まれない学生だけになるという、二層化につながるおそれはないのか。
ほとんどの雇用主は、期間が3年であっても、中身の詰まったコースで取得された学位の価値を認めるだろう。伝統的な4年制コースを卒業した学生の質に疑問符がつくことが少なくない現状に鑑みれば、なおさらそう思われる。多くの大学院も、3年制コースの卒業生の学力や成績が4年制コースの卒業生と同等、あるいはそれ以上であることが明らかになれば、やがて同様の評価を下すようになるだろう。
適切に設計・実施された3年生学位プログラムは、米国の家計が直面しているアフォーダビリティー(価格・費用の手ごろさ)危機と、米国の大学が抱えるコスト構造の問題を同時に解決できる、数少ない改革のひとつである。


