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暗号資産

2026.08.10 14:00

暗号資産を規制する米「クラリティ法案」、トランプ事業の利益相反が成立の壁に

stock.adobe.com

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トランプは米国を「地球の暗号資産首都」にすると約束した。だが、業界の「交通ルール」を定める基礎的な法案は、休会まで残りわずかとなっても、米上院で必要な票に7票届かないままだ。

暗号資産業界にとって画期的な法案に残された時間は少ない。そして同時に、現政権より長く生き残る法律を手にするという、業界にとって最良の機会も失われつつある。

Digital Asset Market Clarity Act(デジタル資産市場明確化法)、通称CLARITY法案は、デジタル資産の発行・取引・保有に関する連邦レベルのルールブックを創設するものだ。証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の間で監督権限を分け、取引所やその他の仲介業者の基準を設定し、分散型金融(DeFi)の開発者やプロトコルをどのように扱うかを定義する。支持者はこのCLARITY法案を、次世代の取引・決済・資本形成が米国で構築されるのか、それともより明確なルールを持つ法域で構築されるのかを占う試金石だとしている。

賛成60票まであと7人、採決日程さえ定まっていない

目下の障害は票数である。法案には60票が必要だが、共和党の議席は53にとどまる。つまり提案者らは少なくとも7人の民主党議員を探さなければならないが、まだ見つかっていない。

日程表が示す以上に、時間は差し迫っている。米国時間2026年8月3日の上院日程にCLARITY法は載らず、この日行われた点呼投票は、政府資金をつなぐ暫定予算案に関するものだけだった。法案に対する討論終結動議は提出されていない。上院の通常手続きでは、8月5日に動議を提出しても採決は休会前最後の予定日である8月7日となり、しかもその採決は審議入り動議への討論を打ち切るだけで、何かを可決するわけではない。

【編注】米国版記事公開後、米上院では8月8日、CLARITY法案(H.R. 3633)の審議入り動議に対する討論終結動議が提出された。法案は夏季休会前の成立には至らず、討論終結採決は9月15日に予定されている。可決されれば審議入りへ向けた手続きが前進するが、法案自体を可決する採決ではない。

上院多数党(共和党)を率いるジョン・スーン院内総務は7月、休会前に同法案が上院を通過するとは見込んでいないと述べた。ただし、本会議での手続きを開始したいとの希望も示した。ホワイトハウスの暗号資産担当顧問パトリック・ウィットは、8月上旬の上院会期日を挙げ、より楽観的な見方を示した。

予測市場はもっと明確だ。Polymarketが示す2026年内の成立確率は30%近くまで下がり、2月時点の82%から急落した。調査会社ギャラクシー・リサーチも同水準の見通しに落ち着いている。

「CLARITYはすでに行き詰まっているように見える。夏季休会後は中間選挙に焦点が移り、CLARITYのような複雑な法案を通すことには向かわないからだ」。法律事務所White & Caseのフィンテック部門グローバル責任者で、SECの暗号資産専門訴訟部門の元責任者であるラダン・スチュワートは語る。

9月に戻っても3週間、11月以降は会期5週間だけ残る

上院は8月7日にワシントンを離れ、9月14日まで戻らない。再開後、議員が10月上旬に再び散り散りになるまでの時間はおよそ3週間で、その後は11月3日の投票日まで首都を離れたままだ。11月に戻ってきても、年末までの会期は実質5週間に満たず、年間歳出法案やその他の必須法案が本会議の時間を奪い合うことになる。

さらに民主党が下院を奪還した場合、トランプ大統領の任期の残り期間中にCLARITYが成立する可能性は低いと、スチュワートは付け加える。その場合、業界は今と同じ場所に取り残される。つまり、暗号資産に友好的な規制当局への依存だ。

トランプ政権は、バイデン時代の執行キャンペーンの多くを覆してきた。コインベース、Gemini、Rippleが関わる主要訴訟を終わらせ、あるいは決着を模索し、暗号資産企業に活動の余地を広げる指針も出してきた。しかし、こうした変更は当局の解釈と執行裁量に依拠しており、将来の政権が覆す可能性がある。CLARITYは、その大枠を法律に明記するものだ。

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