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資産運用

2026.08.06 15:15

日本に決定的に足りない金融教育「実践の場」。資本市場の未来を変える挑戦とは

歴史的な市場の転換期を迎え、資産運用業界を目指す学生が増えている日本。しかし国内には、世界水準の実践的な金融教育の場が決定的に不足している。この課題に挑むのが、日本最大級の大学生企業分析コンテスト「Gyoseki Competition(Gyoseki大会)」だ。現役のプロの指導のもと、約3カ月にわたりファンダメンタル分析のスキルを磨き、本格的な業績予測に挑むこの大会には、国内外から優秀な若き才能が集結する。本連載は、一流金融機関の登竜門であり、日本の資本市場の未来を変えうる「実践型育成モデル」の全貌と、学生たちの熱い闘いに独占取材で迫る。

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日本の資本市場が歴史的な転換点を迎えている。

東京証券取引所はこの10年、コーポレートガバナンス・コードの公表を手始めに、「資本コストや株価を意識した経営」の要請など、市場改革を進めてきた。大企業を中心にROE(自己資本利益率)の向上や、PBR(株価純資産倍率)1倍割れの是正が進み、海外投資家からも日本企業のさらなる伸びしろへの期待が高まっている。日経平均株価は今年6月に一時7万円の大台を突破した。

2024年には、「資産運用立国」の号令のもと新NISAがスタート。貯蓄から運用へのシフトが進み、金融庁によると、新NISAは25年末で2821万口座、総買付額は71兆円に達している。世界的なインフレの進行のなかで現金の実質的な価値が目減りしていく状況も、投資への関心を否応なしに高めている。

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このような背景から、今、就職先として資産運用業界を志望する大学生が増えている。大手アセットマネジメント会社などでつくる資産運用業協会によると、今年6月に東京で開催された資産運用・アセットマネジメント業界の就活イベントには、200人を超える学生が参加し、出店した企業のブースには立ち見も出るほどだった。

「知っている」から「仮説を立て、伝える」時代へ

一方で、金融業界が求める人材は変わりつつある。生成AIの進化により企業情報や財務データへのアクセスは誰でも容易になり、「知っていること」だけでは差別化できない時代になったからだ。

今求められるのは、自ら仮説を立て、企業を分析し、その考えを他者へ伝え、議論を通じて磨き上げる力だ。こうした能力は、教科書的な学習だけでは身につかない。

だが、日本には決定的に足りないものがある。それは実践的な金融教育の機会だ。

世界に目を向けると、競争は学生時代から始まっている。多くの学生は大学時代から投資クラブやケースコンペティションに参加し、企業分析やバリュエーションを学ぶ。米国ではアイビーリーグをはじめとするトップ校で、優勝賞金最大1000万円規模の金融大会が開かれる。

ゴールドマン・サックスなど、世界有数の金融機関のインターンシップには毎年数十万人規模の応募が集まり、学生時代から競争し、失敗し、学び、成長する。その環境が、世界では当たり前のように存在する。

もちろん日本にも優秀な学生はいる。だが、企業分析を行い、自ら業績予想を立て、第一線で活躍する投資家やアナリストからフィードバックを受ける機会は少ない。

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文=中居広起

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