グローバルな金融機関が注目する「実践の場」
今年、第5回を迎えるGyoseki大会には、これまで延べ750名を超える学生が参加してきた。参加者は、Point72やBlackRockをはじめ、ゴールドマン・サックス、みずほ証券など、国内外の名だたる資産運用会社や投資銀行、証券会社に就職している。
実践的なコンテストの存在は、採用側にとってもメリットが大きいと加藤は説明する。
「これまでは金融機関であっても、学生の地頭の良さや面接の受け答えのうまさなどで採用が決まる傾向がありました。でも、そうしたスキルは運用成績に直結しません。例えば、ワールドカップで活躍した日本選手のもとに、海外名門クラブからオファーが届くのと同じように、学生の実践的な能力を評価して採用することで、入社後の活躍や定着率も全く違うものになると思っています」
もちろん、Gyoseki大会の価値は、就職実績だけでは測れない。同じ志を持つ学生同士が切磋琢磨し、第一線で活躍するプロフェッショナルと出会い、自らの人脈と視野を広げる。
その経験そのものが、大きな財産となる。
資本市場の競争力は、制度改革だけでは高まらない。そこに「挑戦する人材」がいて初めて、市場は活性化し、企業価値の向上へとつながっていく。
だからこそ、今、若者への実践的な金融教育は市場全体で取り組むべきテーマとなっている。
Gyoseki大会の挑戦は、一つの学生コンテストの枠を超え、日本の資本市場における人材育成の新たなモデルとなりつつある。
Forbes JAPANはこの連載で、Gyoseki大会に世界の大学から集う若き才能を独占取材。学生たちが投資に興味を持った背景や、スキルアップの過程での挑戦と失敗を描く。また、すでに一流金融機関の第一線で活躍している過去の大会の受賞者インタビューも予定している。

加藤寛之◎コロンビア大学工学部電気工学科を卒業。ドイツ証券、Point72 Asset Managementおよびゆうちょ銀行などで日本株のファンダメンタルズ・ボトムアップ戦略のアクティブ運用に従事。現在は、Gyosekiで投資プロセスの可視化・共有を支援するプラットフォームの開発・提供を手がける。また、メイテックグループホールディングスCEOアドバイザリー・ボード・メンバー、および、一橋ビジネススクール国際企業戦略専攻(一橋ICS)客員教授を務める。


