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マーケティング

2026.08.05 15:14

顧客が去る本当の理由——「見えないシフト交代」という盲点

stock.adobe.com

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最近、私は近所の小さなジムに入会した。

この一文は、リーダーシップに関する話の冒頭にはおよそ聞こえないが、少し付き合ってほしい。

私は長年、大手のジムに通っていた。しかしそこは混雑しており、マシンが使えないことも多く、全体的な雰囲気も私には合わなかった。友人にそれを話すと、小さなジムを勧められた。月会費はかなり高かったが、清潔で、静かで、混雑もしないという。そこで私は一度も足を運ぶことなく、オンラインで入会手続きを済ませ、アプリをダウンロードした。

この一連の流れ自体が、現代のビジネスについて何かを物語っている。私は誰とも話さなかった。フォームを埋め、クレジットカード情報を入力し、アプリをダウンロードし、店舗側の誰一人として私が何者かを知らないうちに、継続課金の顧客になっていたのだ。

そして、初めてジムに足を踏み入れた。午前8時少し前。館内にいた唯一のスタッフは、フロントに座っていた。私はバーコードをスキャンし、ジムの奥へと消えようとした。そのとき彼女は顔を上げ、微笑んで、「見かけたことがないですね」と声をかけた。新しい会員かどうか、館内を案内しましょうかと聞いてくれた。私は断った。もともと内向的な性格で、大げさにせずにさっと始めたかったからだ。

それから彼女は、私の名前を尋ねた。小さなことだ。しかし、それが体験のすべてを変えた。

スタッフ一人がもたらす違い

その後数カ月間、私はそのスタッフが誰に対しても名前で挨拶していることに気づいた。彼女は励まし、続けて通っていることを褒めてくれた。彼女がいることで、その場所はより人間味のあるものに感じられた。

しかし、午前8時を過ぎるとシフトが交代した。次のスタッフも悪くはなかった。むしろ技術的には、その人物は仕事をきちんとこなしていた。会員には挨拶し、フロントを守り、定期的に館内を巡回し、タオルの補充も怠りなかった。

だが、体験はまったく違っていた。前者は関係性を築いていた。後者は職務記述書をこなしていた。

この違いが頭から離れなかった。なぜなら、経営者やリーダーとして、私たちはこれが重要だと知っているからだ。重要だと口にする。カスタマーサービス、企業文化、関係構築、顧客体験について語る。しかし、居心地の悪い問いが残る。それを本当に測定し、その周りに会社を築いているだろうか。

ほとんどの企業には、この「シフト交代」に相当する瞬間がある。契約が成立した瞬間に、顧客が「業務を遂行する」誰かに引き渡される瞬間かもしれない。関係性を築いた営業担当者が、商品やサービスを提供する技術者に引き継がれる瞬間かもしれない。

ロイヤルティを真に築くもの、それは体験

数日前、ジムに行くと、朝のあのスタッフがいなかった。まず頭に浮かんだのは、「辞めていなければいいのだが」だった。

この点は、あらゆる経営者に注目してほしい。私が最初に考えたのは、器具のことでもアプリのことでもなかった。照明でも清潔さでも会費のことでもなかった。

顧客が現場スタッフの不在にこれほど素早く気づくとき、その人物は単にシフトを埋めているのではない。ブランドの一部を担っているのだ。

ビジネスでは、私たちはしばしばモデルにこだわる。ソフトウェア、システム、プロセス、マーケティング、KPIに焦点を当てる。それらは重要だ。ビジネスは愛想の良さだけでは生き残れない。

しかし、顧客はマーケティングに対してロイヤルティを築くのではない。体験に対して築くのだ。そしてその体験を生み出しているのは、多くの場合、経営陣が「戦略的に重要」とは扱わない役職にいる人物である。

そこにこそ盲点がある。

私の会社では、高度な専門性を要するコンサルティング業務を行っている。知識、正確さ、納期は重要だ。しかし、私はこうも学んだ。顧客はプロセスの中で「どう感じたか」を覚えているものだと。ある顧客のプロジェクトは、社内の何百件ものワークフローの一つに過ぎないかもしれない。しかし、その顧客にとっては、今抱えている中で最も重要な案件かもしれない。その顧客を「その他大勢の一人」として扱えば、相手にはそれが伝わる。

これは、すべての顧客に過剰な手厚さが必要という意味ではない。そういう話ではない。要点は、顧客はジム会員と同じように、見てもらい、聞いてもらい、大切にされていると感じたいということだ。相手側の担当者が、その仕事が自分にとって重要であることを理解している、と知りたいのだ。

私たちはよくこうしたものを「ソフトスキル」と呼ぶが、その言葉では意味を捉えきれていない。顧客維持、紹介、評判、収益への影響という点で、「ソフト」なところなど何もない。

自社の「シフト交代」を見つける

技術的には優秀でも、関係構築が得意でない人もいる。分析力に長け、精密で、裏方として計り知れない価値を発揮する一方、顧客対応の場では苦戦する人もいる。逆に、名前を覚え、適切な質問をし、緊張した会話を和らげ、相手を安心させる天性の能力を持つ人もいる。

誤りは、業務を上手にこなせるからといって、その業務に付随する顧客体験も担うのにふさわしい人物だと決めつけることだ。

リーダーは、自社の中に潜む見えないシフト交代を探すべきだ。多くの企業では、顧客を獲得する人と、顧客にサービスを提供する人が別々である。営業担当者は温かく、自信に満ち、関係構築に長けているかもしれない。その後、顧客は有能ではあっても事務的な対応に終始する技術者へ引き渡される。

このギャップが、静かに信頼を蝕んでいく。

難しいのは、優れた現場スタッフを測るのが難しいことだ。悪い体験はクレームを生むため、経営陣の耳に届く。しかし優れた体験は、しばしばクレームを未然に防ぐ。怒りのメールは届かない。何かの出来事として検知されることもない。ダッシュボードも点灯しない。顧客はただ、通い続けるだけだ。

企業はより良いソフトウェアを購入し、設備を刷新し、ウェブサイトを作り替えることができる。だが、顧客に「自分は覚えられている」と感じさせる人もまた、戦略の一部である。

なぜなら、顧客が店に入って「あのスタッフが辞めていなければいい」と願うとき、そのスタッフは単なる業務の一部ではないからだ。その人物こそが、顧客が通い続ける理由の一つかもしれないのだ。

(forbes.com 原文)

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