今後10年で最も重要になるスキルを一つ選ぶとしたら、あなたは何に注目するだろうか。ライブコーディングか。データリテラシーか。それともプロンプトエンジニアリングか。
ネットフリックス共同創業者のリード・ヘイスティングスなら、まったく別のものをあげるだろう。
ポッドキャスト番組『Possible』に出演したヘイスティングスは、もし自分に3歳の子どもがいたら感情スキルを徹底的に伸ばすと語った。
「感情の領域にあるものは、AIの影響をそれほど受けないだろう。私たち人間は、そうしたものに感情で反応するからだ」とヘイスティングスは、Possibleの共同司会者でLinkedIn共同創業者のリード・ホフマンに語った。
Anthropicの取締役でもある人物の発言としては、印象的だ。しかしヘイスティングスの論理は感傷的なものではなく、経済的なものだ。彼は、給与はその仕事が社会にとってどれほど価値があるかではなく、スキルの供給と需要のバランスによって決まると指摘した。
AIは、分析や文章作成、要約、コーディングといったスキルの供給を急速に広げている。一方で感情スキルは需要に対して希少になりつつあり、多くの組織はその備えができていない。
Santiago "Santi" Jaramilloは、そのギャップを最前線で見ている。彼は、中堅企業向けにAI変革や期待する成果を得るための変革推進手法「チェンジマネジメント」の人的・文化的側面に焦点を当てるコンサルティング企業Pragmaticoの共同創業者兼共同CEOである。
ハラミーヨは、企業が長年過剰に評価してきたものをAIがコモディティ化していく様子を、リアルタイムで目の当たりにしてきた。
「私たちは20年もの間、目に見える成果や四半期ごとの数字に基づいて社員を昇進させておきながら、マネージャーたちが部下の育成方法を知らないことに驚くふりをしてきた」とハラミーヨは語る。「誰もがリサーチアナリスト、ライター、コーダーをポケットに入れて持ち歩くようになると、個人のアウトプットは差別化要因ではなくなる。残るのは、AIが代わりにできない仕事だ」
「AIが代わりにできない仕事」は、チームを率いた経験のある人なら誰にとってもなじみ深いものだ。場の空気を読むこと、難しい判断に直面した若手メンバーをコーチングすること、優秀な人材の気持ちが離れていることに気づくことなどである。



