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テクノロジー

2026.08.10 07:15

AI革命を凌ぐ大激変 国産・光量子コンピューターMoQuren稼働

OptQC社光量子コンピュータ「MoQuren」(産総研公式ホームページより)

OptQC社光量子コンピュータ「MoQuren」(産総研公式ホームページより)

現在、世界中で開発競争が繰り広げられている量子コンピューターだが、産業技術総合研究所(産総研)と東大発スタートアップのOptQC(オプトキューシー)が完成させた光量子コンピューター「MoQuren」(モクレン)が、産総研の研究開発拠点に導入され、稼働を開始した。日本の民間企業が商用化を目指して開発した光量子コンピューターが導入されるのは、初めての事例だ。

光量子コンピューターとは、情報の伝達に光子を使う量子コンピューターのこと。量子コンピューターには、光のほかに、原子、イオン、電子などを使うものがある。だが、それらは超伝導環境を作るためにコンピューター全体を極低温に冷やしたり、真空状態に置いたりと、何かと大掛かりな設備が必要になるが、光量子コンピューターは常温の通常の環境で作動するためそうしたものが必要ない。そのためごく省エネルギーで、コンパクトに作れて、どこにでも配置できるという画期的な特徴を持つ。

また光の周波数を使うため、原理的には数百テラヘルツという桁違いに高いクロック周波数での稼働が可能になる。さらに、光通信との親和性がよく、光通信ネットワークへの融合が自然に行える点も大きな利点だ。

量子コンピューターの原理は非常に難解なため説明を省くが、現在広く使われているコンピューター(量子コンピューターに対して古典コンピューターと呼ばれる)との違いは、圧倒的な計算速度だ。古典コンピューターで何万年もかかるような計算を、ほんの数分で解いてしまえる能力がある。量子コンピューター技術が確立されて一般に普及すれば、現在のAI革命も霞むほどの大革命が起きると言われるほどだ。

MoQurenは、茨城県つくば市にある産総研の「量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター」に設置されている。そこで、光方式以外の量子コンピューターやスーパーコンピューターなどと「量子・古典融合計算基盤」で統合し、それぞれの得意分野を活かした「ハイブリッド計算」の仕組みを構築する予定だ。

OptQCは、年内にもインターネットを使うクラウド経由で企業や研究機関が利用できる体制を整える、つまり商用化を目指す考えだ。現在はMoQuren用のソフトウエア開発キット(SDK)の開発を急いでいるが、それが完成すれば社会実装が大きく前進することになるだろう。

出典:産業総合研究所 OptQCと産総研、光量子コンピュータ1号機「MoQuren」を構築し稼働開始

文 = 金井哲夫

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