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リーダーシップ

2026.08.05 09:31

プロダクトが会社の存在理由から逸れる前に──「ミッション・スチュワード」という新たな役割

stock.adobe.com

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ビジネスにおいて、プロダクトマネジメントも含め、人々は時に「責任のなすり合い」をすることがある。筆者は、カルチャーの変化、リーダーシップへの不信、将来的な方向性の不一致などを理由に、プロダクトマネージャーが職を辞すトレンドに気づいている。彼らが期待するものと、企業の実際の運営方法との間にミスマッチが生じているのだ。

しかし、プロダクトリーダーには、こうしたミスマッチが起こる前に防ぐ役割があると筆者は考えている。彼らは解決策の一部になり得るのだ。

では、どうすればいいのか。筆者が「ミッション・スチュワード(ミッションの擁護者)」と呼ぶ存在になることだ。

「ミッション・スチュワード」を理解する

プロダクトマネージャーは、プロダクトマーケットフィット(PMF:市場適合)を達成することを求められる。これはプロダクトが市場のニーズを確実に満たすようにするためだ。営業担当者が売上に責任を持つのと同様に、最低限満たすべき基本条件である。さらに、優れた実績を持つ成熟したプロダクトマネージャーは、PMFだけでなく、組織にとって予想される投資対効果(ROI)を評価するために、プロダクトロードマップの取り組みを精査する。

これらの適合性(フィット)はよく知られている。

PMFとROIフィットに加え、筆者が注目してきた第3の適合性がある。それが「ミッションフィット(ミッションとの適合)」だ。プロダクトリーダーがPMF、ROIフィット、ミッションフィットの3つすべてを組み合わせたとき、彼らは「ミッション・スチュワード」となる。筆者はプロダクトマネジメントにおいて20年以上にわたり、この「ミッション」という追加の役割を担ってきた。つまり、プロダクトロードマップに何かを追加する前に、そのプロダクトが、会社が存在する理由であるミッションやビジョンと合致しているかどうかを確認するのだ。

すべてのプロダクトマネージャーが、あらゆるプロダクト上の意思決定が会社の基本方針と一致していることを確実にするために、実務レベルでこの役割を果たすべきだと考えている。だからこそ、ミッション主導の成果が生み出される、あるいは見逃される実務レイヤーにおいて、プロダクトマネージャーの新たなアイデンティティとして「ミッション・スチュワード」を正式に提唱したい。

なぜプロダクトリーダーはミッションに責任を負うのか

企業が成長するにつれ、ミッションフィットは短期的な目標のために脇に追いやられがちだと私は感じている。しかし私は、プロダクトが会社のビジョンから逸脱している場合、プロダクトリーダーは経営幹部に丁寧に注意を促すことで、第3の要素としてミッションフィットを持ち込むべきだと考えている。プロダクトマネージャーが実務レベルでこれを行わなければ、企業のプロダクトはミッションから乖離し始め、顧客の不満を招き、競合プロダクトへの乗り換えを引き起こす可能性がある。

筆者の経験上、プロダクトマネージャーやリーダーは、ミッションフィットが通常、自身の年間目標に紐付いていないため、これを重視しないことを選択しがちである。ミッションやビジョンはCEOの仕事であると考えられているからだ。エリック・リース(Eric Ries)の著書『Incorruptible』は、企業の実質的なトップ層だけがミッションに対する責任を負うべきだという考え方に異を唱えている。代わりに彼は、ミッションの達成には組織内に適切な構造を確立することが必要であると主張した。

現実世界の事例

筆者は、かなり最近遭遇した事例を含め、いくつかのミッションのミスマッチに対してこのフレームワークを検証してきた。筆者はある定評ある企業の有料顧客として数年間そのサービスを利用していたが、カスタマーサービスにおける基本的なプロダクト原則が守られていない場面に遭遇した。あらゆるプロダクトは、適切なタイミング、適切な場所、適切な形式で、必要な情報を顧客に提供すべきである。筆者はそのプロダクトによって損失を被ったが、誰も助けようとしなかった。この問題をCEOにエスカレーションしたにもかかわらず、その企業は既存のプロセスを維持することを選択し、解決策を提示せず、チームメンバーに責任を問うことも、会社として誇りを持って提供できるサービスを提供しているかどうかを検討することもしなかった。

同書の論理と筆者の「プロダクト・エクスプローラー」メソッドを適用するなら、この企業は失敗したことになる。彼らの状況への対処法を禁じる法律はない。しかし、取締役会から最末端の従業員に至るまで、同社が掲げるミッションに対して責任を持ち続けていたならば、展開は違ったものになっていただろう。

同じ時期に、ある法人顧客から、最近その組織を辞めたユーザーのプロダクトライセンスを新しいユーザーに移管したいという依頼があった。その顧客は元ユーザーに連絡を取ることを拒み、我々に対処を求めた。利用規約を盾にしてアクセス権を取り消すこともできたが、「ミッション・スチュワード」のアプローチとは、できる限りの方法で顧客を支援することを意味する。

プロダクトフィットとROIフィットを確実に満たすために、単にポリシーを引き合いに出すのは簡単だ。しかし、それはミッションフィット(顧客にとって重要であり、そもそもそのプロダクトを選ぶ理由にもなり得るもの)を犠牲にする可能性がある。私たちのケースでは、現在のライセンス保有者(組織を辞めた元メンバー)に電話をして状況を説明した。相手は感謝し、理解を示した上で、自分にとっては高価ではあるが、そのプロダクトライセンスを使い続けたいという意向を示した。私たちはその状況を受け止め、自社のミッションに沿った創造的な代替案を提示した。結果として、その元ユーザーはさらに多くの購入を行い、当社の熱心な支持者になってくれた。

これらの事例は、企業が最終的にプロダクトやサービスをどう扱うかが、顧客体験を成功させるか、台無しにするかを左右することを示している。だからこそ、プロダクトリーダーがミッション・スチュワードの役割を受け入れることが極めて重要なのだ。

プロダクトリーダーへの教訓

プロダクトマネージャーは、正しいと思うことに向かって行動を起こす権限を与えられていると感じるべきだ。顧客に対して単に「利用規約を参照してください」と伝えるだけでは、その顧客を失うリスクがある。最終的にプロダクトマネージャーは、ルールを「正しい決断を下すためのガイドライン」として捉えるべきである。

プロダクトマネージャーは、会社が掲げるミッションやビジョンからの逸脱がある場合はいつでも、リーダーシップチームに対して声を上げるべきである。例えば、あるプロダクトの指標が顧客体験を犠牲にして収益に寄与している場合、プロダクトマネージャーによる議論と行動が必要となる。

おわりに

筆者は、ミッション・スチュワードの役割を受け入れることができず、結果として会社のカルチャーが変化したことについて、会社や他のリーダーたちに責任を転嫁するプロダクトマネージャーを見てきた。しかし、プロダクトリーダー自身、ミッションからの乖離に一度でも疑問を呈したことがあるかどうかを自問することが重要だと考える。そうでなければ、プロダクトリーダーは自らの不作為に対する責任を受け入れなければならない。

結局のところ、プロダクトマネージャーとしてミッション・スチュワードになることこそが、言行を一致させるための道なのだ。

forbes.com 原文

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