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リーダーシップ

2026.08.05 09:24

「あれば嬉しい」で終わらせない。メンター制度が組織にもたらす確かな価値

stock.adobe.com

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従業員が職業上の成長を実感できず、雇用主が自分の学びを評価していないと感じると、リーダー職への道を開いてくれるような機会を求めて他社に目を向け始める。LHHの2026年版報告書「定着し活躍する未来のタレントの育成(Building future talent that stays and performs)」によると、若手プロフェッショナルの82%が、キャリア開発のサポートがもっと充実していれば、現在の会社にとどまると回答している。

同時に、組織は重大な課題に直面している。それは、退職を控えた年長の従業員が持つ知識と経験の喪失だ。経験豊富な従業員が去るにつれ、長年にわたり培われた人間関係や意思決定の経験、業務上のノウハウも共に失われてしまう。

メンター制度は、これら両方の課題に対処し、測定可能なビジネス価値を生み出すための最も効果的なツールの1つだ。ここでは、効果的なメンタープログラムの構築を目指す人事リーダーが考慮すべき実用的なポイントをいくつか紹介する。

成果を生み出すメンタープログラムの構築方法

組織内で効果的なメンター制度を実現するには、明確な意図を持って取り組む必要がある。最も強力なプログラムは、スキル開発に焦点を当てる一方で、キャリアが進むにつれて必要となる自信の醸成や仕事上の人間関係の構築を支援するものだ。また、従来の「上司と部下」の関係にとどまらない視野を持つことも重要だ。多くのプロフェッショナルは、直属の上司以外、あるいは組織の外からの指導によって恩恵を受けるからだ。私自身、アメリカ人材派遣協会(American Staffing Association)のアクセラレータープログラムでメンターを務めた経験から、外部との関係が、リーダーたちがより大きな自信と客観性を持って課題を切り抜けるのにいかに役立つかを見てきた。従業員が社内外の双方でメンター関係を築けるようリソースを提供することは、バランスの取れたサポートシステムを構築する上で不可欠である。

1. 社内外のメンターシップを促進する

リンクトイン(LinkedIn)の「2025年職場学習レポート」によると、「従業員の84%が『学ぶことは仕事に目的をもたらす』と同意している」という。そして、この学びへの意欲は、キャリアが進んでも衰えることはない。新たな責任を引き受けたり、リーダーの役割を担ったり、不慣れな課題に直面したりするたびに、信頼できるメンターの存在はますます重要になる。さらに、同じ役割に長く留まるほど、慣れ親しんだアプローチや確立された思考パターンに頼りやすくなる。メンターは、そうした思い込みに疑問を投げかけ、進むべき方向を示してくれる存在だ。

効果的な継続学習戦略は、社内と社外のメンターシップ機会をバランスよく組み合わせる。社内の人間関係は組織の結束力を強め、知識の伝承を円滑にする一方で、社外の人間関係は率直なフィードバックやより広い視野をもたらす。私自身、これを身をもって体験している。私がこれまでに受けた最も影響力のある指導のいくつかは、業界の同僚やリーダーシップ開発プログラムから得たものだ。そこでは、参加者が自由に課題を議論し、アイデアを交換し、お互いの経験から学び合っていた。

人事リーダーは、社内の公式なメンタープログラムを創設するとともに、従業員が業界団体やプロフェッショナルグループを通じて組織外に独自のネットワークを構築することを推奨し、このバランスをサポートできる。

2. 自信とスキルのギャップを埋める

専門的なスキルは重要だが、能力があるだけでキャリアアップにつながるとは限らない。多くの場合、欠けているのは「自信」という要素だ。

以前、非常に優秀で、チームの管理にも成功しているあるリーダーのメンターを務めたことがある。彼女は実力があるにもかかわらず、より大きなチャンスに向けて自己アピールすることに苦戦していた。私は彼女の専門知識をさらに磨く手助けをするのではなく、自信を持ち、より効果的に自己を主張できるようにすることに注力した。結局のところ、ただ黙々と有能であるというだけで重要な役割を与えられる人はめったにいないからだ。

世代を超えたメンターシップは、特に強力な効果を発揮する。経験豊富な従業員がキャリアを通じて学んだ教訓を共有する機会が生まれると同時に、若手従業員が仕事に新鮮なアプローチをもたらすことができる。また、価値あるメンター関係は、従業員と直属の上司以外の間でも成立することに私は気づいた。実際、自分の業績を評価する立場にない相手に対しては、質問をしたり、ミスを認めたりすることがはるかに容易だと感じる従業員は多い。

3. 定着率と社内流動性を強化する

従業員が退職する最も一般的な理由の1つは、社内での成長機会が見出せないことだ。メンター制度は、キャリアパスをより明確にし、手が届くものにする。すぐに昇進が望めない状況であっても、従業員に学習と成長を続ける機会を提供できるからだ。また、組織が次世代のリーダーを能動的に育成するのにも役立つ。管理職の空きが出るのを待つのではなく、メンター制度を通じて、その能力が必要とされるはるか前から従業員のリーダーシップ能力を構築できる。

従来の1対1のメンターシップモデルにとらわれないことも重要だ。暖炉を囲むような親睦会(ファイヤーサイドチャット)や、リーダーシップ円卓会議など、従業員が経営幹部と直接対話できる体系的な機会を設けることで、従業員は多様なキャリアパスやリーダーシップスタイルに触れることができる。こうした対話は、公式なメンター関係が存在しなくても、貴重な導きと刺激を与える機会となる。

おわりに

メンター制度は、組織の開発戦略に「あれば望ましいもの」程度に捉えられがちだ。しかし現実には、人員計画の中核要素として位置づけられるべきである。体系化された社内メンター制度と、社外でのサポートネットワーク構築への後押しを組み合わせ、より意図的なアプローチをとる組織こそが、次の時代に備えた、有能で自信に満ちたリーダーを育成する上で有利な立場を築くことができる。

forbes.com 原文

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