NEWS Forbes JAPAN MEMBERSHIP 新機能|
記事ページ内の広告表示を最小限にしました

経営・戦略

2026.08.05 07:32

スプレッドシートの数字で終わらせない:サービス販売から課題解決へ

stock.adobe.com

stock.adobe.com

ビジネスの世界において、確実なものは何一つない。死と指標を除いては——。もしベンジャミン・フランクリンが、今日の私たちの多くと同じように、延々と繰り返されるKPI(重要業績評価指標)のリストと向き合わなければならなかったとしたら、彼の有名な言葉はこうなっていたかもしれない、と私は想像する。

KPIは現代のビジネスに不可欠である。営業の成功をめぐる旧来のモデル、すなわち「1位はキャデラック・エルドラド、2位はステーキナイフのセット、3位はクビ」という考え方は、決して機能したことがなかった。チームメンバーを英雄か足手まといかのどちらかにしてしまう単一の目標は、自信と目的意識を損なう。多くの企業は、事業開発の目標を会社全体の期待値と一致させることこそが、望ましい持続的な文化を築く唯一の方法だと認識している。

そう考えたとき、事業開発チームは顧客に対してどのように自らの価値を伝えればよいのだろうか。顧客のマインドセットを、あなたを「サービス提供者」として見る立場から、「課題解決者」であり「ビジネスパートナー」として見る立場へと、どう転換させればよいのか。

「価値」と「インパクト」の違いを理解する

RFQ(見積依頼書)が単なるスプレッドシートにすぎない場合、最下部に記載された合計金額以外の要素で目立つのは難しい。一方で、顧客に完了すべき業務が数多くあるなら、スプレッドシートをベースにしたRFQ方式は意思決定を容易にする。しかし、その代償として、あなたの価値は数値でしか表現されない。それ以上に提供している内容を伝える余地は残されないのだ。

顧客に仕事があるように、あなたにも仕事がある。顧客が求める指標に応えつつ、それ以外に自分が提供できる(あるいは、すでに提供している)価値を伝える余地をどう残すか。ここで、総合的なインパクトについて対話を持つことが、大きな違いを生む。それは過去に何をしたかを議論することではない。今、何をしているかについての話なのだ。顧客専用の請求プロセスを整えているかもしれないし、常に納期を守るための専属サービススケジュールを設けているかもしれない。基本的な業務慣行から特化したサービスまで、あらゆることがあなたの優位性となり得る。業種によっては、それが決定的な差別化要因になる。

既存の取引先であっても、挑戦する側であっても、共有すべきインパクトのストーリーを構築する方法は存在する。そのストーリーが何であるかを理解する時間を多く取れば取るほど、有利な立場に立てるのだ。

自らのインパクトを理解する

あなたの会社が本当に価値を提供しているのなら、顧客企業内の複数の部署に影響を及ぼしているはずだ。つまり、それらの部門のKPIにも影響を与えている可能性がある。あなたと調達部門の双方が、他部門の成功に自分の仕事がいかに深く関わっているかを把握しておくべきだ。たとえば、ある目標達成のためにベンダーを変更した結果、別の目標が後退してしまうなら、その変更による総合的な価値は当初の想定より低くなる。ある部門が自らを前進させるために他部門を後退させるべきではない。実際に起こることがあるだろうか。もちろんある。しかしそれは、たいてい一つの部門が他部門への影響を認識していないときに起こるのだ。

私の会社は、メーカーと協力してリサイクルとサステナビリティのプログラムを構築している。金属リサイクルはもちろん、段ボール、プラスチック、木材のリサイクル、廃棄物発電プログラムも含まれることが多い。従来の考え方は「金属であればお金になる」というもので、それゆえに調達部門が担当する。しかし、環境インパクトを報告する担当チームは、他のリサイクル対象も管理していることが多く、自らが直接管理しないものも含めてプログラム全体を文書化しなければならない。RFQの過程で、この両部門が状況を把握していることを確認するのが、私たちの戦略の重要な柱だ。両部門は私たちのビジネスパートナーであり、私たちは提案書に両者のニーズが反映されるよう努めている。

顧客のニーズに焦点を当て続ける

このアプローチで最も重要な部分は、しばしば見過ごされている。そして、そこにこそ差別化のポイントがある。「語られないニーズ」でも、「差別化要因」でも、呼び方は何でも構わない。大切なのは、ストーリーを考えるとき、それが誰のストーリーなのかを忘れないことだ。パートナーをヒーローにし、自分の会社を彼らが必要とする道具として位置づけよう。

アカウントを獲得あるいは維持する可能性を高めたいなら、顧客が本当に必要としているものを理解することだ。過去に何をしてきたかにこだわらず、あなたの助けを借りて何ができるかを考える余地を顧客に与えるべきだ。彼らが問題を特定し、解決するのを助けられれば、あなたは代替不可能な存在になる。そうすることでRFQに伴うすべてのリスクを避けられるわけではないが、議論に関与し続け、全員にとって望ましい結果を見出す手助けをすることはできる。

結局のところ、すべての結果をコントロールすることはできないが、成功の可能性を高めるための努力はできる。案件ごとの小さな変化は、すぐに大きな成果へと積み重なっていく。もしかすると、いつの日かあのエルドラドが自分のものになるかもしれない。ただし、あなたがそれを望むのならば、の話だ。

forbes.com 原文

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事