夏の後半になると、海水浴の際にリスクとなるのがクラゲによる被害だ。海でのレジャーを楽しむ中で、予期せぬ刺傷に見舞われた経験を持つ人は少なくないだろう。しかし、実際に被害にあった人が行なった応急処置が、かえって症状を悪化させている可能性がある。
医療法人社団鉄結会が全国の20代から60代の海水浴経験者300名を対象に実施した調査によると、海水浴中にクラゲに刺された経験がある人は67.3%に達していた。クラゲに刺された経験を持つ人に、最初にどのような処置をしたのか問うたところ、最も多かったのが「真水(水道水・ペットボトルの水)で洗った」の42.1%で、次いで「患部をこすった・砂でこすった」が31.4%と続いた。ところが、良かれと思って行われがちな「真水で洗う」行為や「こする」行為だが、これらは皮膚科の専門医から症状が悪化する危険性があると指摘されている。


クラゲの触手には「刺胞」と呼ばれる毒針の発射装置が無数に存在する。この刺胞は物理的な刺激や浸透圧の変化に反応する性質を持っているため、真水で洗うと海水との浸透圧差によって未発射の刺胞が一斉に毒針を放ち、かえって被害を拡大させてしまうのだという。また、患部をこすりつける行為も、毒針を皮膚の奥へ押し込む結果となり、症状の重症化を招く原因となる。



