本件について、グーグルから公式発表はないが、キム氏は今後のプライシングモデルについて自身の見解を次のように述べた。
「市場の状況やお客様の使い方を見極めながら、料金体系については常に最適な在り方を検討していくことになります。ただし、企業のお客様にとって、Google Workspaceにかかる費用が予測可能であることが大事だとも理解しています。Google Workspaceはこれまでにも、サードパーティのコスト上昇によって突然料金が跳ね上がったことはなく、グーグルが一元管理することで安定した定額モデルを提供してきました。もちろん、今後はAIの機能や使い方がより高度化・多角化していく中で、お客様の利用パターンに合わせた支払い条件や異なるプランを導入する可能性はあります」
現在のGoogle Workspaceはユーザー単位の定額制サブスクリプションを基本とし、Geminiの主要なAI機能を各プランに組み込んでいる。そのうえで、より高い利用上限や高度なAI機能を必要とする組織向けに、「AI Expanded Access(AI拡張アクセス)」と呼ばれる有料アドオンも提供している。「今後もユーザーのニーズの変化に応じた柔軟な課金体系のあり方を模索していきたい」とキム氏は答えている。
競合に対するGoogle Workspaceの強みとは
昨今は大手企業やスタートアップから、生成AIを活用するオールインワン型のワークスペースツールの数々がリリースされている。このような市場環境において、Google Workspaceが持ち続ける本質的な優位性はどこにあるのだろうか。
キム氏は「DeepMindの技術力」「リアルタイム・コラボレーション」、そして「エンタープライズグレードのセキュリティ」の3点をキーワードに挙げた。
特にコラボレーションの観点について、キム氏は「世の中の多くのAIツールは『1人の個人』が使うことを前提に設計されています。しかし企業におけるリアルなニーズは、人と人によるコラボレーションに関わるものが少なくない」と指摘する。
Google Workspaceは誕生以来、リアルタイムな共同編集を核として発展してきた。AIエージェントが普及した現在においてもユーザー同士が、また人間と複数のAIエージェントが、同じプロジェクト上で文脈を共有しながらリアルタイムに協働できる環境を実現できていることが、他社の追随を許さない強みになる。


