新たな「Workspace Intelligence」を組み合わせることで、Googleドキュメントは自ら文脈を理解する「コンテキスト・アウェア(Context-aware)」なツールに変化する。例えば「販促イベントにおける顧客のフィードバックと実際の成果を、社内に報告するための資料にまとめて」とGeminiにプロンプトを入力するだけで、AIがGmailやドキュメント、スプレッドシート、Keepに残された会議のメモなどから関連データを自動で集約し、草稿を一瞬で組み上げる。
ユーザーは個別のアプリを操作する手動タスクの管理から解放され、AIエージェントによるチームを統括して最高の結果を導き出すディレクター(指揮官)へと、自身の役割を変えていくのだ。
自律型AI「Gemini Spark」が働き方を変える
Google Workspaceを中心に、組織内の情報を文脈として理解する「Workspace Intelligence」、AIエージェントの開発・運用基盤となる「Gemini Enterprise Agent Platform」、ユーザーに代わって仕事を遂行する「Gemini Spark」が、それぞれ異なるレイヤーを担いながら連携するエコシステムを形成しつつある。それぞれのレイヤーを担う役割をキム氏に聞いた。
第1の層である「Workspace Intelligence」は、Google Workspace内部のデータ、人間関係、プロジェクトの文脈を深く理解するセマンティック層だ。
「Workspace Intelligenceは組織内のコンテキストを完全に把握しています。例えば、私自身がメールを書く際、送信相手が自分の上司なのかチームメンバーなのかを識別します。上司に送るメールとチームメンバーに送るメールではトーンや言葉遣いが異なりますが、そうした組織構造や文脈を理解した上で最適なサポートを提供できるのが特徴です」
第2の層は「Gemini Enterprise Agent Platform」だ。Vertex AIを発展させたこのプラットフォームはWorkspaceの枠組みを超え、企業向けAIエージェントの開発から展開、実行、管理、評価までを一貫して支える。企業が保有するデータやSalesforce、Workdayなどの外部SaaS、ERPをはじめとする基幹システムと連携し、複雑な業務を遂行するカスタムエージェントを構築・運用するための基盤として機能する
そして第3の層として、ユーザーの働き方を大きく変える可能性を秘めているのが「Gemini Spark」だ。エンタープライズ向けのGemini Sparkは、年内リリースに向けた日本語対応が進められている。
「Gemini Sparkは、長時間バックグラウンドで自律して稼働し続けるパーソナルアシスタントです。従来のAIは、ユーザーが指示を出して回答を受け取り、PCを閉じれば処理が終わるワンタイムのやり取りが主流でした。しかしSparkは、ユーザーが席を離れたりPCを閉じたりしても、バックグラウンドでタスクを実行し続けます」


