新しい職場で働き始めるのは、エキサイティングであると同時に不安なものでもある。すぐに自分の実力を証明したいと思うのは自然なことだ。多くのプロフェッショナルが、できるだけ早く大きな貢献をしようとする。しかし、持続的な成功は、小さく効果的で、かつ意図的な行動の積み重ねによって築かれる。ここでは、新しい職場でスタートする際、大きな効果をもたらす3つの小さな行動を紹介する。
必要になる前に、社内ネットワークを構築する
新しい職務や会社でのスタートは戸惑うことも多いが、自らのネットワークを広げる絶好の機会でもある。同僚へのアプローチをためらう必要はない。情報を集めて状況を把握することは、スムーズな移行に役立つ。チームメンバーや他部署のパートナーとの、30分程度のカジュアルなコーヒーブレイクやオンラインでの雑談は、どんなオンボーディングセッションよりも多くの情報をもたらしてくれる。職場で新しい人々と出会うことは、不慣れな環境で地に足を着ける助けとなる。
話をするときは、相手のキャリアや成功体験、直面した課題について、深い質問を投げかけるとよい。そして、会話の最後にはいつもこう問いかけよう。「お時間をいただき、ありがとうございました。ほかに、私が話を聞いておくべきだと思う方はいらっしゃいますか」。これにより将来のネットワークが即座に広がり、紹介の連鎖が生まれて、新しい会社での信頼と人間関係が迅速に構築されていく。
新しい職場では、素直に「わからない」と言えるようになる
新しい職場で働き始めるときは、吸収すべき情報が無限にあるように感じられるものだ。これまでの職場で深い知識を持つことに慣れている優秀な人材ほど、新しい概念を早く理解しようと自分にプレッシャーをかけがちである。しかし、初日からすべてを把握していることなど、誰も期待していない。
多くのプロフェッショナルが犯す過ちは、新しい職場環境でどのように業務が進められているかを十分に理解する前に、新しいアイデアを提案してしまうことだ。知ったかぶりをしたり推測で動いたりするのではなく、学ぶ姿勢と好奇心を示すことで、信頼を勝ち取ろう。そうしなければ、言葉にされない知識のギャップが、のちに大きなミスにつながる恐れがある。
以下のような言葉を、自然に言えるようになろう。
- 「それについては、まだよく知りません」
- 「興味深いですね。そのアプローチについて詳しく教えていただけますか」
- 「そのテーマについての知識を深めたいと考えています。あなたはどうお考えですか」
自分が主体的に学び、向上している姿を見せ、会社や担当業務への知識を深めることに集中しよう。偽りの自信を見せるよりも、謙虚さと誠実さのほうが、常に大きな信頼を築くことができる。
30日、60日、90日の節目にセルフチェックを行う
周囲が自分を評価しているのと同様に、自分自身も最初の数カ月間で会社を評価することを忘れてはならない。新しい環境で働くことについて自分がどう感じているか、自己評価するためのパーソナル・チェックイン(定期確認)の機会を設けよう。
最初の30日間は、自分自身に次のように問いかけてみよう。
- これまでに何を学んだか。
- どのような新しい人間関係を築けたか。
- これまでに自分に求められた期待値は明確だったか。
- この職務において、驚いたことは何か。
どんな仕事でも、最初の30日間は、消化しきれないほどの大量の情報が押し寄せ、圧倒される感覚に陥ることがある。この時期は、自分にも他人にも寛容であろう。新しい環境への移行期にはストレスを感じ、時には摩擦が生じることもある。それらはすべて、変化に適応するプロセスにおいて正常なことだ。
60日の節目には、自分自身に次のように問いかけてみよう。
- 自信を持てるようになってきたか。
- この仕事のどの部分にやりがいを感じるか。
- 自分の知識ベースにおいて、まだ不足している部分はどこか。
- どのようなフィードバックを受けたか。
仕事を始めて2カ月が経った頃は、より深い評価を行うのに適した時期だ。まだ移行期ではあるものの、不透明だった事柄が少しずつ晴れてきているはずである。
新しい職務に就いて90日が経過したら、自分自身に次のように問いかけてみよう。
- この職務は期待通りだったか。
- 事前の期待と比べて、良かった点と悪かった点は何か。
- 自分はこの場所に馴染んでいると感じるか。
- 企業文化に適応できているか。
- ここで自分が成長していく姿をイメージできるか。
- 今後も続けるべきこと、やめるべきこと、新しく始めるべきことは何か。
3カ月が経つ頃は、自分の思い描く今後のキャリア軌道を視野に入れ始めるタイミングだ。会社側が行う公式な面談だけに頼るのではなく、自分自身のチェックインを行うことで、明確な指針が生まれる。これにより、進捗状況を測定し、それに合わせてアプローチを調整することが可能になる。
新しい職場での成功は、初日にして成るものではない。人間関係に投資し、学ぶ意欲を伝え、自身の進捗を意図的に振り返ることが、時間が経つにつれて最も大きな効果をもたらす。優秀な人材は、キャリアを通じて学び、成長し、人とつながることに時間を費やすことで、長期的な恩恵が得られることを知っているのだ。



