経営・戦略

2026.08.04 09:51

AIの理想と現実の狭間で足止めされる中堅企業

stock.adobe.com

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しかし、生産性向上という外見の裏側で、どうにも辻褄が合わないことが起きている。

ある財務マネージャーが、AIが生成した予測を共有前に念のためチェックする。すると、元データに誤りを見つけて出力を修正するが、同じ数値が他の3件のレポートにも使われており、それらもゼロから作り直さねばならないと気付く。

ハリス・ポールがWorkdayの委託を受けて実施した新たなグローバル調査では、人事、財務、IT、オペレーション部門の専門職6100人を対象にアンケートを行った。従業員数500人から3499人の中堅企業においては、3分の2以上がシステムやデータの問題を理由に定期的に業務のやり直しを余儀なくされていると回答しており、これは大企業の同僚たちの割合を9ポイント上回っている。

これこそが、多くの中堅企業が直面しているパラドックスだ。AIの導入は進んでいるものの、約束された生産性の向上やビジネス成果は得られていないのである。

以下では、この問題が企業全体でどのように現れているか、そして中堅企業向けに構築されたオールインワンの人事・給与・財務ソリューションであるWorkday GOが、このギャップをどのように埋めるのかを明らかにする。

AIの価値創造が停滞する理由

調査結果によると、AIの価値創出を阻む障壁は構造的なものであり、主に3つの形で現れる。

ハイブリッドシステムが生み出す摩擦

多くの組織において、AIはゼロからビジネスに組み込まれたわけではない。長年の成長、買収、ソフトウェア導入の意思決定を通じて蓄積されてきた人事、給与、財務システムに、後付けされたものだ。中堅企業の4分の3近く(75%)がコアシステムの外でAIを運用しており、48%が一部の機能を組み込み、残りは完全に切り離して運用している。

連携して動作するように設計されていないシステム同士は、情報の定義、保存、更新の方法が異なる場合が多く、AIはその不整合を引き継いだまま出力を生成してしまう。この事実は、中堅企業の従業員の44%が「AIの導入により、業務における確認、修正、監視の手間が増えた」と回答している理由を説明するのに役立つだろう。

従業員3000人を抱えるアグリビジネス企業のエルダーズ(Elders)は、Workdayに統合する前、まさにこの課題に直面していた。有機的な急成長と買収主導の成長によって従業員数は拡大したものの、システムは分断され、従業員体験もバラバラな状態になっていた。

AIへの信頼は条件付き

中堅企業の従業員は、AIそのものに懐疑的なわけではない。82%が「日々の業務体験が向上した」と答えており、AIへの信頼不足が価値を制限していると答えたのはわずか18%だった。

しかし彼らは、AIを動かすデータに極めて敏感だ。89%が「元のデータを信頼できる場合にのみ、AIによって自信が高まる」と回答しており、これは大企業の従業員を5ポイント上回っている。この条件付きの信頼という傾向は、経営幹部(C-suite)やAIの意思決定に関わる上層部においてさらに顕著(91%)である。AIソリューションの承認を求められる役員こそが、この信頼の問題を最も痛切に感じているのだ。

従業員数約1000人の急成長中のテクノロジー企業であるエアテーブル(Airtable)は、Workdayを導入する前、複数の個別ソリューションを併用していた。そのため、継続的な手作業によるデータ照合や整合性チェックが必要となり、時間が奪われるだけでなく、全社の人材データや財務データに対する信頼性を維持することが困難になっていた。

不確実性が意思決定を遅らせる

AIによる推奨の根拠となるデータをチームが信頼できない場合、慎重になるのは合理的な反応だ。中堅企業の従業員の約61%がリスク回避のために意思決定を先送りしており、これは大企業の同僚たちを8ポイント上回っている。

その影響はためらいに留まらない。システムが追いつかない場合、意思決定の質と速度が最も損なわれ(中堅企業の従業員の約40%がそれぞれを指摘)、次いでチーム間の連携が阻害される。従業員数1500人以上の上位中堅企業において、大企業とのギャップが最も大きいのは財務予測の分野である(大企業の26%に対し、上位中堅企業は30%)。

従業員約3000人を擁するワークフォース・コーチング企業、ベターアップ(BetterUp)は、このダイナミクスを熟知していた。同社が10カ国にわたり急速に規模を拡大するなか、重要なデータはサイロ化したツールや切断されたシステムに分散し、グローバルな従業員の全体像を把握することが困難になっていた。チーフ・ピープル&コミュニティ・オフィサーのジョレン・アンダーソンは、「クリーンなデータ、クリーンなシステム、クリーンなプロセスがなければ、組織文化を作ることはできない」と語る。

解決への道筋

中堅企業の従業員は、すぐに手狭になるシンプルなツールか、はるかに大きな大企業向けに設計された高コストな基幹システムかの二者択一を迫られることが多かった。その結果、多くの企業が目先のニーズを満たすためにツールや統合機能を継ぎ接ぎした「中間の道」を即興で作り上げたが、これは複雑さを増し、少数精鋭のチームをさらに疲弊させることになった。Workday GOは、そのギャップを埋める製品だ。

中堅企業向けの専用設計:Workday GOは、中堅企業には不要な機能やコストを伴う、大企業向け製品の縮小版ではない。少数精鋭のチームを持つ、従業員数500人から3500人の組織向けにパッケージングされ、価格設定された、同じ強力なWorkdayソリューションである。

単一プラットフォーム、少ない統合:人事、給与、財務が一元管理され、多くの中堅企業が個別に管理している個別ソリューションに取って代わる。少数のITチームが維持すべき統合の数が減り、他システムとの接続も容易になるため、メンテナンスの手間が軽減される。

エアテーブルがサイロ化した複数のアプリケーションから統合プラットフォームに移行した際、データの照合負担やデータの整合性を担保するためのオーバーヘッドが解消され、システムの維持管理コストが削減され、新たな自動化によってワークフローが再構築された。人事&財務システム部門の責任者であるメアリーカール・フェルドマンは、「Workdayは当社のビジネス規模に合わせて拡張可能であり、競争上の優位性を与えてくれると確信している」と語る。

「Workdayは当社のビジネス規模に合わせて拡張可能であり、競争上の優位性を与えてくれると確信している」

エアテーブル 人事&財務システム部門責任者 メアリーカール・フェルドマン

信頼できる唯一の情報源(Single Source of Truth):これらの極めて重要なシステムをすべて単一のプラットフォーム上に配置することで、分断されたシステムがもたらすスプレッドシートの追跡や時間のかかる照合作業がなくなり、正確なレポーティングが可能になる。

買収主導の成長の結果、15もの異なるシステムを管理せざるを得なくなっていたエルダーズは、Workdayを導入してこれらを「信頼できる唯一の情報源」へと統合した。その結果、採用にかかる時間を50%短縮し、有給休暇の取りこぼし(leave leakage)を40%削減した。

統一されたデータソースを整えたベターアップは、10カ国にわたって業務基盤を拡大してきた。現在はWorkday AI AssistantとAgent of Record(公式代理人)の統合を進めており、人事手作業の50%削減を目指している。

コアワークフローに組み込まれたエージェンティックAI:セルフサービス、給与計算、配置などをカバーする、特定の目的のために構築されたAIエージェントがコアワークフローに直接組み込まれており、日常的で時間のかかるタスクを自動化する。これにより、既存のアクセス権限を尊重するガバナンスとガードレールを備えた、信頼性の高いAIが確立される。これは、AIを別レイヤーとして後付けした際に生じる、統制の効かないエージェントとは一線を画すものだ。

迅速な導入と成果:何年もかかるような大規模な導入プロセスとは異なり、Workday GOは、数千件の立ち上げ実績から得られたベストプラクティスに基づく定義済みのセットアッププロセスとAI導入ツールを活用し、範囲を限定した高品質かつタイムリーな稼働を実現する。

中堅企業は、大企業の同僚たちよりもAIを信頼しており、すでにその恩恵を実感している。欠けていたのは、その「準備」を「成果」へと変換できる基盤だ。それを解決すれば、中堅企業は追いつこうとするだけの立場を脱却できる。インフラがその大志に追いついたとき、彼らはデータが示す通りの存在になる。すなわち、企業社会において最もAIへの準備が整った集団であり、AI主導の生産性向上における次のリーダーとなるのだ。

forbes.com 原文

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