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AI

2026.08.04 09:16

数多の特許:科学界のレジェンドを称え、AIが果たす役割を探る

Adobe Stock

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この記事は、人々、科学、そして家族を愛した一人の男のレガシー(遺産)に関するものである。

同時に、統計やナラティブ(語り口)の裏付け、その他の事実の「真相」を突き止める上で、ChatGPTをはじめとするモデルがどのように役立つかを示すものでもある。

まず、このような前提から話を始めたい。

米国の科学者ボブ・ランガー(Bob Langer)は、誰が見ても極めて多くの特許を保有する人物だ。Wikipedia(ウィキペディア)によれば、彼は1000本以上の学術論文を執筆し、推定1万4000件の特許を保有しているという。

筆者は今年初め、ランガーの功績を称えるいくつかのトークイベントに参加する機会に恵まれた。そのひとつが、息子のサムとの感動的な対談インタビューだった。また、特許保有者としての彼の功績をネットで調べていた際、いくつかの紛らわしい数値に直面した。大規模言語モデル(LLM)が情報の検索とアクセスに革命をもたらしつつあるなか、筆者が辿った経緯をここに紹介したい。

特許件数

まず、従来の検索エンジンモードでGoogleとBingを使い、世界の特許保有者トップ5のリストをインターネットで検索した。条件を揃えて比較できるよう、「個人特許保有者のトップ5」と指定した。その結果、得られたリストは以下の通りだ。

山崎舜平 — 米国特許約1万2587件

キア・シルバーブルック — 約1万73件

鄭康国 — 約5465件

ローウェル・ウッド — 約5144件

ロデリック・ハイド — 約4775件

ボブ・ランガーの名はどこにもない。さらに、検索クエリに「ランガー」を追加しても何もヒットしなかった。つまり、彼を世界トップクラスの特許保有者として語る人はほとんどいないということだ。

そこで、ChatGPTを使ってみることにした。

トップ5について質問すると、案の定、ChatGPTは同じリストを提示した。

「ボブ・ランガーはどうなのか?」と私は尋ねた。

「ロバート(ボブ)・ランガーは非常に多作な人物ですが、単純な件数で言えば、そのトップ5の『特許保有者』クラブには入りません」と、ChatGPTは回答した。「(特許は何件あるのか?)情報源や日付によって異なりますが、世界中で約1000〜1500件以上の登録済みおよび出願中の特許があるとされています。そのほぼすべてがドラッグデリバリー(薬物伝達システム)、生体材料、バイオテクノロジーの分野であり、彼は医学界における歴史上最も多作な発明家の一人としばしば呼ばれています。対照的に、山崎舜平やキア・シルバーブルックのような絶対的なリーダーは、それぞれ5000〜1万2000件以上の特許を保有しており、その多くはエレクトロニクスや半導体の分野です。そのため、彼らが世界トップ5のリストを独占しているのです」

他の人物の特許が主に異なる分野であることは理解できたが、それでも、ChatGPTが提示した数値とWikipediaが示す数値がこれほど劇的に異なる理由の説明にはなっていない。

「Wikipediaには、ボブ・ランガーの特許は1万4000件と書かれている」と私はChatGPTに告げた。AIモデルが人間のユーザー入力を受けて「はい、おっしゃる通りです。私の誤りでした」と認めることが多いのを知りつつ、あえて投げかけてみたのだ。

すると、LLMはこう答えた。

「先ほどの私の数字は、世界全体の合計としては少なすぎました。ご指摘ありがとうございます。ボブ・ランガーの特許件数の背景は次の通りです。多くの情報源(特に古い経歴書や大学のウェブサイトなど)では、米国および国際的な登録済み・出願中の特許を約1000〜1400件としており、私は当初その数字を引用していました。一方でWikipediaや一部の新しいプロフィールでは、1つの特許ファミリーに属する数十カ国での個別の国別出願をそれぞれ別々にカウントしているため、非常に積極的に数字を切り上げ、『1400件以上の特許』、あるいは時に『世界中で1万4000件以上の登録済みおよび出願中の特許』と表記しているのです」

さらに、こう説明が続いた。

「つまり、特許ファミリー(1つの発明、複数の国)でカウントすると、1000〜2000件程度になります。しかし、国別の出願をすべて個別にカウントすると、1万件以上の領域に達し、これがWikipediaの『1万4000件』という数字の根拠となります。いずれにせよ、単純な件数では山崎やシルバーブルックの域には達しませんが、バイオメディシンとドラッグデリバリーの分野においては、史上最も多作な発明家の一人であり、間違いなくその領域における最高峰です」

さて、この謎が解けたところで、調査の話はこれくらいにして、インタビューについて語ろう。ランガーは、息子のサム、研究助手のひとり、他の数人の関係者、そして不肖私自身と膝を交え、これまでの歩みと、科学の世界で彼がたどり着いた境地について語ってくれた。

心優しい人物

息子とのインタビューからは、素敵な家族写真とともに、愛情深い父親としてのランガーの姿が浮かび上がってきた。また、シュリヤ・スリニヴァサン(Shriya Srinivasan)とのインタビューからは、彼の科学への情熱と、職場の同僚に対する細やかな気配りが垣間見えた。

「研究室に入って最も印象深かったことの一つは、ボブが本当に謙虚で気さくな人だということです」とスリニヴァサンは語る。「これほどの高い名声と重要性、そして知的な深みを持つ人物であれば、ある種の態度で接してくると思うのが普通ですから、ほとんど信じられないほどでした。ボブはただエレベーターから降りてきて、『やあ、シュリヤ。調子はどうだい? 何か手伝うことはある? 私に何ができる? すべて順調かな?』というように声をかけてくれるのです。まさに『君を助けるために私に何ができるか』という姿勢そのものでした」

このようなリーダーシップが、好影響をもたらすのだと彼女は指摘する。

「普通、そんな言葉をかけてもらえるとは思わないものです」とスリニヴァサンは続ける。「そのため、そのようなレベルのサポートや配慮、気配りは、常に彼の人への接し方の最前線にありました。それが研究室のカルチャーに非常に大きな違いをもたらしたのだと思います」

また、将来どのような存在として記憶されたいかという息子の問いに対する、ランガー自身の回答も素晴らしいものだった。それは、特許の件数とは無関係だった。

「どのように記憶されるのが最も望ましいですか?」とサムは尋ねた。

「人々を助け、おそらくいくつかの重要なことを成し遂げた、良い人間として記憶されたいね」と父親は答えた。「他人のことを思いやり、他人が少なくとも自分と同じくらい恵まれた立場に立てるよう努める人物――うまく言えないが、人々に親切に接し、その人が、自分と同じくらい良い扱いを受けられることを願うような人物だ」

私はこれこそが、雑音を削ぎ落として本質を捉えた回答だと感じた。

同様に、ダニアル・コハネ(Danial Kohane)との対話においても、コハネはボブの優しさと誠実さに言及したほか、例えばポリマー(高分子)への情熱や、科学における彼の先駆的な研究の様々な側面に触れている。

そして、筆者自身も彼と同じステージに立つ時間を楽しむことができた。彼の人生は、まさに真理を追究し、人類に貢献するために捧げられた素晴らしい物語である。

ランガーは、私たちが現在直面している課題についてもいくつかのことを語った。今日の世界における科学の苦境について語る際、彼は「悲しいことに」という言葉を何度も使った。しかし、その奥にある希望と優しさは、しっかりと輝きを放っていた。

forbes.com 原文

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