記憶に残るリーダーシップはプレッシャー下で明らかに
ビジネスが順調なときには、誰でも協力的に見せることができる。
従業員の記憶に最も強く残る瞬間は多くの場合、物事がうまくいかなくなり始めた時に訪れる。
締め切りに間に合わない。顧客から苦情が入る。重要なプロジェクトが失敗する。誰かが取り返しのつかない、大きな損失を招くミスを犯す。
こうした状況は、意思決定能力だけではなくその人の本質をも露わにする。
従業員は、挫折に対して非難ではなく好奇心を持って対応するリーダーにより強い信頼を寄せる傾向があることが研究で示されている。失敗を無視できなくなるまで隠し続けるのではなく、早期にミスを認め、そこから学び、共に問題を解決できるような心理的な安心感があるとき、チームはより高い成果を上げる。
従業員がリーダーに完璧さを求めることは滅多にない。
求めているのは公平さだ。
失敗の後に交わされる会話は、失敗そのもの以上に深い印象を残すことが多い。数年後、何がうまくいかなかったのかは正確には覚えていなくても、上司が立ち直る手助けをしてくれたのか、それとも肩身の狭い思いをすることになったのかは、ほぼ必ず覚えている。
優れたリーダーは何気ない会話を通じて記憶される
組織は大胆なビジョンや人を鼓舞する演説によって組織文化を変革できる、卓越したリーダーを求めることが多い。
従業員が求めているものはたいていもっと単純な要素だ。
話を途中で遮らずに聞いてくれた管理職。プライドを傷つけることなく、率直なフィードバックをくれたリーダー。誰もが不安になっているときに冷静さを失わなかった人。自分が称賛されることを求め続けるのではなく、静かに他の人のためにチャンスを作り出してくれた上司。
こうした行動はどれも大袈裟なものではない。
そのほとんどは数分しかかからない。
しかし時が経つにつれ、そうした行動は従業員が組織を去った後もその組織と結びつけて思い出す経験となる。キャリアは昇進やプロジェクト、成果によって形づくられるが、リーダーとしての評判はその場ではほとんど重要に思えないような会話を通じて築かれることが多い。
リーダーシップはときに「決定的な瞬間」の連続として表現されることがある。
しかし、多くの場合、ありふれた瞬間の積み重ねだ。
そして、その何気ない瞬間こそが従業員の記憶に最も強く残る。


