ワールドカップ(W杯)をきっかけに、カーボベルデ、スコットランド、スペインといった国々への旅行者の関心が急上昇している。小グループ向けのアドベンチャートラベル会社であるマッチ・ベター・アドベンチャーズ(Much Better Adventures)では、ノルウェー対イングランドの試合が行われた週末、同社のノルウェー旅行ページの閲覧数が前週の週末と比べて42%増加した。このデータはより広範な検索トレンドとも一致しており、過去1カ月間のGoogleでの「ノルウェー」の検索数は315%増加している。
アーリング・ハーランド本人と会える保証はないが、ノルウェーのフィヨルドで撮影されたチーム写真の彼と同じくらいバイキング気分を味わえる旅程を紹介しよう。
バイキングのように冒険する方法
ノルウェーにおけるバイキングの歴史は、博物館の中だけでなく、その風景の中にも等しく存在している。彼らが航海したフィヨルド、耕した土地、そして暮らした海岸線は今もそこにあり、今なお素晴らしい。「そうした手つかずの自然の中をハイキングしたり、カヤックで進んだりするとき、人は自然に身をさらし、己の力だけが頼りとなり、その圧倒的な風景の力に少し畏敬の念を抱くことになる」と、マッチ・ベター・アドベンチャーズのノルウェー専門家、クリス・カーニーは言う。「それは力強い体験だ」
バイキングは沿岸の民であり、彼らの世界はフィヨルドと船を軸に成り立っていた。それを体感したいなら、角付きの兜をかぶるより、自ら水上に出る方がいいだろう。北極圏のロフォーテン諸島へ向かえば、ボルグで発掘された首長のロングハウス(長屋)を訪ねることができる。巨大な花崗岩の峰々の間をシーカヤックで進み、漁村を巡り、人影の少ないビーチでキャンプすることもできる。
あるいは、かつての海上ルートだった西部フィヨルドを訪れるのもいい。そこは狭く、両側が切り立ち、威圧感がある。「私たちにとって、ネーロイフィヨルドは至宝だ。大型クルーズ船が入ってこないほど狭いため、パドルを手にすれば、その広大さと孤独を本当に感じられる」とカーニーは言う。「クルーズツアーならフィヨルドをずっと速く通り抜けられる。だが間違いなく、フィヨルドを体験する最良の方法はカヤックだ」
カーニーはまた、岸辺で1、2泊キャンプし、少なくとも一度はフィヨルドから上へ登るハイキングをすることも勧めている。ブライスクレッドノシ(Breiskrednosi)はネーロイフィヨルドの上方1189メートルにそびえる山で、壮大な眺望が楽しめる。ノルウェー南西部のリーセフィヨルド上部にも、すばらしいハイキングルートがある。プルピットロックは花崗岩の断崖上にある展望地で、自然にできたものながら、ほぼ完全な四角形をしている。さらに奥にはシェーラグ(Kjerag)の断崖と、2つの崖の間に挟まった巨岩があり、ノルウェーで最も多く撮影されるスポットの1つとなっている。
バイキングについて学ぶ場所
この古代の人々がどのように暮らしていたかを学ぶには、ロフォーテン諸島にあるロフォーテル・バイキング博物館を訪れたい。ここには全長83メートルの、世界最長の復元ロングハウスがある。夏には、復元船での航海体験もできる。
また、ネーロイフィヨルド沿いのグドヴァンゲンには、バイキングの村「ニャルダルヘイムル(Njardarheimr)」があり、ここからハイキングやカヤックのツアーをスタートできる。伝統的な草葺き屋根の家が再現されているほか、さまざまな工芸品作りや調理の実演も行われている。
なお、オスロに滞在する場合、バイキング船博物館は改修工事のため閉館中で、2027年に「バイキング時代博物館」としてリニューアルオープンする予定であることに注意してほしい。
バイキングのように食べる場所
「衣装なども含めて、どうしてもバイキングの食事にこだわりたいなら、ロフォーテルでの『宴の夜』のような没入体験がある。ロングハウスの中で調理された羊肉を、蜂蜜酒(ミード)や語り聞かせとともに味わうことができる」とカーニーは言う。また、ネーロイフィヨルドの近くのフロムには、スターヴ教会(樽板教会)を模して建てられ、北欧の神にちなんで名付けられた「エーギル・ブルワリー(Ægir BrewPub)」があり、自家製のビールや蜂蜜酒を提供している。
だがカーニーにとっては、シンプルに楽しむのが最良の方法だという。「正直なところ、巨大な岩壁の下でキャンプの夜を迎える前に、フィヨルドのほとりで焼いて食べる簡素な夕食に勝るものはなかなかない」と彼は語る。



