━━具体的に、今のものと次のものは、どこがどう違うんでしょうか。
古川 データセンターはどんどん集積化してきますよね。集積化が進むと、より小型で高効率なデバイスが求められるようになります。そのため、私たちは次世代の要求に対応できる新しい材料の開発を進めています。
竹内 一方で、足元の需要もすごく強いのです。今、古川は差別化できていないと申しましたけれども、それでもご期待は強くて。
今のうちに事業を開始しておけば、ファラデー回転子市場でしっかり足場ができて、市場のプレイヤーとして認知されていく。そうなると、次の世代に移るときにすごくスムーズだと思うんですね。
市場での実績もないまま数年後に新しいものを出すのと、ちゃんとプレイヤーとして認知されているところから出すのとでは大きな違いがあります。現在の事業で市場での実績と顧客基盤を築きながら、同時に将来の次世代製品の開発を進める。その両方を並行して進められることが大きな強みだと考えています。加えて、足元では売上と収益にも貢献していますので、将来の成長に向けた投資を進めながら業績にも貢献できている点は大きいと思います。
━━新領域の複数の種のうち、今後3年で最も大きく育つと見ているのは、データセンター向けのファラデー回転子ということでしょうか。
竹内 2023年にライコル社を買収した当時は、宇宙・防衛、エネルギー、美容、量子といった複数の分野を成長領域として位置付けていました。
その後、ライコル社の売却を機に事業ポートフォリオを見直し、現在は量子に加えて、データセンター、SiCパワー半導体、レーザ微細加工、光電融合といった領域を重点分野として位置付けています。
これらはいずれも大きな成長ポテンシャルを持っていますが、データセンター向けのファラデー回転子というのは、今後3年という時間軸で見ると、足元で最も成長が期待できる領域の一つかなと見ています。
一方で、量子、光電融合向けTFLNや、パワー半導体のSiCについては非常に大きな市場機会があると考えていますが、2029年以降を見据えた中長期の重点分野として育成していく方針です。したがって、足元の成長ドライバーはデータセンター、中長期の成長ドライバーは量子、光電融合、SiCという位置付けです。


