━━ライコル社の売上が落ちていた原因は、戦争によるイスラエル製品の不買運動が大きかったのでしょうか。
古川 大きな要因の一つでした。ライコル社の売上の約半分は宇宙・防衛分野向けでした。ウクライナでの戦争が始まった当初は需要が伸びる局面もありましたが、その後イスラエルとガザでの大規模な戦闘が発生し、事業環境が大きく変化しました。
特に、ライコル社の主要顧客はトルコやフランス、スウェーデンなど欧州の一部地域に集中しており、反イスラエル感情の高まりや不買運動の影響を大きく受けました。その結果、主要顧客からの受注が大幅に減少し、業績への影響が顕著に表れました。
━━なるほど、想定外の深刻さであり、経営判断を迫られますね。
古川 頑張っても、売上上位3つのお客さんを失うと、なかなか復活は難しい。少なくとも戦争が続いている間は、事業環境の改善を見通すことは難しいだろうと思いました。
竹内 売上げもそうですし、インフレの影響でコストはどんどん上がって、結果として収益性は下がっていく方向でした。2026年2月期では、売上が15億円程度まで落ち込み、営業損益はマイナス3億円ぐらいでした。かなり厳しかったですね。
最も厳しかったのは、外部環境の影響が非常に大きく、自社の努力だけではどうにもならない状況だったことです。売上拡大やコスト改善に向けた施策はもちろん行いましたが、それ以上に地政学リスクの影響が大きく、経営としても難しい判断を迫られました。

━━昨年もイスラエル軍による散発的な軍事作戦や空爆は行われている中で、実際に古川さんがライコル社に行かれてみてどんな状況だったのでしょう?
古川 かなり緊迫した状態で、もう国の雰囲気そのものが平時と全然違うわけです。従業員の方々も退職せざるを得なくなったり、他社に移ったりして、人手不足も深刻でした。元々温厚な性格の社員が、ストレスの影響で突然感情的になったり泣き出したりと、戦争ストレスの影響の大きさを実感しました。


