イスラエルの子会社を非連結化した「決断」
━━中期目標を1年前倒しで達成する見込みとなり、営業利益率目標を14%に上方修正しました。この前倒しをもたらした最大の要因は何だと考えていますか。
竹内 要因はいくつかありますが、まず大きかったのは、(2023年に子会社化した)イスラエルのライコル・クリスタル社(以下、ライコル社)の株式譲渡でした。2026年2月期まで、ライコル社は売上では15億円程度連結される一方で、営業損失が大きく発生していました。ライコル社を連結解除することで、収益性が向上しました。
ただ、それだけではありません。半導体や新領域を中心に収益性の高い事業が成長していることに加え、生産性の向上や原価低減などの全社的な収益改善活動の成果も着実に表れています。
私たちは単に利益率を改善したというよりも、成長分野へ経営資源シフトしながら事業ポートフォリオそのものの転換を進めてきました。そうした取り組みの積み重ねが、中期目標の前倒し達成と営業利益率14%への引き上げにつながりました。
━━そもそも2023年にライコル社を買収した理由は何だったのですか?
古川 いちばん大きかったのは、半導体のさらなる高性能化を見据えていたことです。
当社は現在も売上の約半分を半導体関連が占めていますが、半導体は今後も進化を続けていきます。その中で、より高性能なレーザが求められるようになれば、その性能を支える結晶材料も重要になります。
ライコル社は当社にはない独自の結晶技術を持っており、その技術と当社の技術を組み合わせることで、次世代の半導体市場に向けた競争力を高められると考えました。ですから、目先の売上や利益を目的とした買収ではなく、10年先を見据えた技術戦略としての投資でした。
━━そのライコル社を今年2月に売却するまでに、どういう経営判断がありましたか。
古川 もともとオキサイドは半導体・ヘルスケアを中心に事業展開していましたが、ライコル社を加えることで宇宙・防衛といった新しい事業領域にも広げていこうと考えていました。
ただ、その後の事業環境の変化によって、当初想定していた成長シナリオとのギャップが大きくなってきました。ライコル社の持つ技術力には高い評価をしていましたが、オキサイドとして経営資源を半導体や新領域などの成長分野に集中した方が、企業価値向上につながると判断しました。
竹内 古川が去年の夏に実際にイスラエルに行き、現地で状況を確認しながら様々な可能性を検討しました。


