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ビジネス

2026.08.05 10:15

戦争の危機を乗り越えた「光のディープテック」━━ブレイクスルー企業100(第2回)オキサイド

オキサイドの創業者で、代表取締役CEOの古川保典氏(写真右)とCFOの竹内健吾氏

━━株価評価を企業価値の転換につなげる話が出ましたが、決算説明会でも使われていたプレハブ小屋の写真は、象徴的な一枚だなと思っています。
 
竹内 海外投資家には、「シリコンバレーのヒューレット・パッカードはガレージから始まった」というイメージを想起させるようです。

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山梨県小淵沢のプレハブ小屋で5年を過ごした。
山梨県小淵沢のプレハブ小屋で5年を過ごした。

━━当時想像していた未来と、今の現実にギャップはありますか。
 
古川 AIというのは、正直全く想像していませんでした。ただ、光コンピューティングについては当時から言われていましたし、今につながる技術の多くは、研究開発レベルではすでに存在していました。

ただ、それが本当に実用化されるとは思っていませんでした。大学やNTTなどは研究が進んでいましたが、それが20年、30年経って、実際の市場として立ち上がってきた。そこは大きな驚きです。
創業当時、私たちが注目していたのは、Blu-rayやデジタルホログラムメモリ、高速光通信といった市場でした。ただ、Blu-rayでは当社の結晶を採用したお客様の方式が競合技術との競争に敗れましたし、デジタルホログラムメモリについては市場そのものが立ち上がりませんでした。その意味では、事業領域や市場環境は当時の想像以上に大きく変化しました。

一方で、当時は研究テーマの一つだった光技術が、データセンターや量子コンピュータという形で大きな市場になりつつあります。

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面白いのは、私たちがやっている技術そのものは創業以来ほとんど変わっていないことです。結晶を作り、その特性を活かして光を制御する。その基本はずっと同じなんです。

変わったのは市場の方ですね。私たちが追いかけていた技術に、20年、30年経ってようやく世の中が追いついてきたという感覚があります。

創業当時は数億円から数十億円規模のニッチ市場をイメージしていましたが、今では、私たちの技術が世界規模の社会インフラであるデータセンターや、次世代計算基盤である量子コンピュータを支える可能性を持つようになっています。私たち自身も、当時はここまで大きな市場につながるとは想像していませんでした。
 

次ページ > 結果として結晶技術を核にしながら川下へと事業領域を広げてきたことが、現在の成長につながっている

文=藤吉雅春 Forbes JAPAN 編集長

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