経営・戦略

2026.08.20 13:30

普通のコンサルは消える 創業5年で売上100億円を超えるグロービングのAI戦略

福田浩基|グロービング取締役CSO(写真左)・田中耕平|グロービング代表取締役社長(同右)

──26年8月の取締役会を経て、社長のバトンが田中氏から福田氏へわたる新経営体制を発表した。なぜ今なのか。

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田中:我々は、代表を約3年で交代させる「輪番制」を敷いている。コンサルティングファームは本来、パートナーシップ制で複数人が経営する業態だ。経営人財を顧客に送り込む我々自身が、特定の個人に依存する経営をしていては筋が通らない。今回の交代は、その設計が予定通り動いているだけだ。退いても一線は離れない。創業者の輪島(総介)は代表退任後にAI事業を率いているし、私も今後は経営戦略やグローバル展開、M&Aに注力する。

──福田氏は何を重視して経営するか。

福田:私はほかの取締役と出自が異なる、一見すれば「外様」として参画した人間だ(ほか3人の取締役はアクセンチュア出身だが福田はボストン コンサルティング グループ出身)。その私が社長になれること自体が、出自やバックグラウンドに関係なくエッジの立った人材・思いのある人材が活躍できる会社だという社内外へのメッセージになる。その環境づくりを最も大事にしたい。加えて、私は前職でプライベートエクイティ支援やM&Aに長く携わってきた。経済環境が歴史的な早さで変わるなか、我々自身がM&Aを行う局面も来るし、先ほどの構想への種まきも始まる。私の経歴が生きるタイミングだ。

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──好業績にもかかわらず株価は軟調だ。市場はまだ貴社を「コンサル会社」として見ているのではないか。

田中:そう見られている自覚はある。だが我々は、そう呼ばれること自体を望んでいない。AIを使い、既存の分類に収まらない新しい事業のかたちをつくろうとしている。その世界観はまだ市場に伝わり切っていない。

福田:市場の問いは、コンサルかAI企業かというラベルの話ではない。このビジョンで本当に成長を続けられるのか、その証明を市場は待っている。IRで「AI」を連呼すれば株価が上がるとも思わない。四半期ごとに結果で示し続ければ、コンサルでもAIでもない「グロービングという産業」として認識される日が来る。


グロービング◎2021年3月創業の戦略コンサルティングファーム。経営人財を顧客企業の中枢に送り込むジョイント・イニシアチブ(JI)戦略と、AI活用による徹底的な効率化が特徴。25年5月期連結業績は、売上高が前年比97.7%増の82.6億円、営業利益が同657.7%増の28億円。今期は売上高42.9%増、営業利益42.8%増を見込む。26年4月、東証グロースへの上場からわずか1年半でプライム市場に移行した。

たなか・こうへい◎京都大学大学院材料工学専攻卒。アクセンチュア戦略グループ、楽天グループ社長室およびJV子会社代表を経てアクセンチュアに復帰後、グロービングへ。2023年5月より代表取締役社長。(写真左)

ふくだ・ひろき◎東京大学法学部卒。ボストン コンサルティング グループにて18年のコンサル経験を経てグロービング取締役CSO/シニアパートナーに。2026年8月の取締役会を経て代表取締役社長に就任予定。(同右)

文=加藤智朗 写真=ヤン・ブース

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