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消費経済:小売業とそれを改革する人々について執筆

Stefano Tinti / Shutterstock.com

ここ数年、売上不振にあえいだ米玩具メーカー、マテル社が、起死回生の一手としてファッションブランド「モスキーノ」とコラボレーションを発表した。

過去4年間、同社のバービー人形の売上は不振続きで、2014年は16%も落ち込んだ。高級人形でコレクターズアイテムにもなっているアメリカンガール(アメリカの少女を模した人形)の売上も、ここ数年はパッとせず、2015年の第3四半期の売上は2%落ちた。

その上、マテルが長年ライセンスを持っていた、人気のディズニープリンセスシリーズ(「アナと雪の女王」のエルサなどを含む)も、来年以降はライバル社のハズブロが契約を獲得し、さらに厳しい競争になると思われていた。

そんな中発表した限定版の「モスキーノ×バービー」は、まずは広告で注目を集めた。CMに出演する少女に人種的多様性を打ち出すだけでなく、着せ替え人形のプロモーションとしては初めて、男の子を登場させたのだ。アメリカも少子化の傾向にあり、女の子が減少している。人形ももはや女の子だけのものではない。

CMに登場した少年は、ブロンドのリーゼントの髪型で、モスキーノのクリエイティブディレクターのジェレミー・スコットにかなり意図的に似せている。スコットは「Style.com」で、バービー人形は自身にとってのミューズであると語り「すべての少女やゲイの少年たちと同様に、自分もバービーが大好きだ」と語っている。

このCMは、すでに男性のバービーファンの間でも共感を呼んでいる。ドラァグクイーン(派手なメイクや女装をしたゲイの男性)の王者を決めるリアリティ番組「ル・ポールのドラァグ・レース」で有名になったパンドラ・ボックスは、YouTubeのモスキーノ×バービーの動画にこのようにコメントしている。

「このCMを見て泣きそうになったわよ! 子供の頃、姉のバービー人形で遊んで、その後いたたまれない気持ちになっていたから。今の子供が、ただ自分らしくいられるようになって、本当にうれしい。ありがとう、モスキーノ×バービー! 人形みたいな男の子たちも! 」

先週発売されたモスキーノ×バービーの150ドルのコレクターズ・エディションは、わずか1時間で完売した。イーベイなどではすでに倍以上の値がついている。現代のアメリカではバービー人形ですら、民族的、性的な多様性を無視できない時代になっている。

編集=的野裕子

 

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