今やテレビは、テレビ局が放映するテレビ番組を見るだけでなく、動画配信サイトのコンテンツを見る割合も増えている。リモコンにはメジャーな動画配信サイトのボタンが付き、チャンネルを変えるようにいつでも切り替えられる。そんななか、テレビはもうオワコンだと言われ、テレビを持たない人たちも増えている。
本当にテレビはもう求心力を失ってしまったのか。それを検証すべく、「レグザ」ブランドのテレビを製造販売するTVS REGZA(ティーヴィーエス レグザ)は、家庭のレグザから収集した視聴データから「番組の流入出データ」を取り出し、関東民放キー局の5つの人気番組の視聴実態を分析した。
レグザには、利用者の視聴行動を秒単位で追跡し記録する機能があり、本調査は、500万台を超える全国のレグザのオーナーから、許可を得て収集できた視聴データを活用している。TVS REGZAが選択した番組は、「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系列)、「水曜日のダウンタウン」(TBS系列)、「シナぷしゅ」(テレビ東京系列)、「報道ステーション」(テレビ朝日系列)、「全力!脱力タイムズ」(フジテレビ系列)の5つ。それぞれにユニークな解析を行い、多角的にテレビ番組の人気度を探っている。
月曜から夜ふかし

VOD(Netflixなどのビデオ・オン・デマンド・サービス)またはYouTubeからの流入に限定して、リアルタイムで視聴された割合を1分単位で可視化した。開始時刻の22時にYouTubeから流入、またはスイッチを入れた件数が一定数あった。いろいろなコンテンツを視聴していた人たちも、この時間に「月曜から夜ふかし」を見ようと、強い目的を持ってテレビの前に集まった証だという。
水曜日のダウンタウン

ここでは、1分間に発生した電源オフ(流出)の量を可視化している。他の番組やVODのザッピングに移ることなくテレビの電源を切る件数が多く見られることから、番組の満足度、およびこの番組を見るという目的意識の高さがうかがえるとのこと。
シナぷしゅ

平日7時30分から7時55分に放送されている幼児向け番組。ここでは、どのチャンネルからどれだけ流入したかを可視化している。特徴的なのはEテレからの流入が多いことと、エンディングテーマが流れるころからまたEテレへ流出している点だ。30代の子育て中の女性に限定した視聴データでも同じ傾向が見られ、「シナぷしゅ」を目当てにチャンネルを変えている明確な視聴行動が確認できる。
報道ステーション

ここでは、NHK、日本テレビ(NTV)、TBS、テレビ東京(TX)、フジテレビ(CX)を流入出の対象に限定し、流入出の可視化を行っている。開始時刻の22時には、NHK「ニュースウォッチ9」からの流入が一気に増えている。また、23時を過ぎると、TBSやテレビ東京の報道番組に分散して流出する様子がわかる。
全力!脱力タイムズ

報道番組をパロディー化した娯楽番組。ここでは、NHK、日本テレビ、テレビ朝日(EX)、TBS、テレビ東京に限定して流入出を見ているが、開始時刻の23時には日本テレビからの流入が多く、同時にTBSへの流出が多い。また時間が経つにつれてテレビ朝日「報道ステーション」からの流入も断続的に増える。報道番組から報道番組を模した知的な笑いを提供する「脱力タイムズ」に流れるという「興味深いインサイト」が浮かびあがるとTVS REGZAは指摘している。
これらのデータから、特定のテレビ番組を見るためにチャンネルを変える、またはそれを見終わったらテレビを消す、といった視聴行動を取る人が一定数いることがわかった。少なくとも一部の人気番組においては、テレビはまだまだ魅力的な存在だと言える。TVS REGZAは、テレビ画面上でアンケートをとるなどして収集した番組調査データを放送局に提供する体制を整えているという。それが、さらに質の高いテレビ番組作りに役立つことを期待したい。
出典:TVS REGZA 動画配信時代における「テレビ番組の強い求心力」〜レグザ視聴データから読み解く、人気5番組の「流入出」分析〜



