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2026.08.18 14:30

1年リターン107%のプロが教えるバリューからグロース株へ激変する銘柄選定法

外木賢人|野村アセットマネジメント シニア・ポートフォリオマネージャー

外木賢人|野村アセットマネジメント シニア・ポートフォリオマネージャー

大型株優位の相場をしのぐ、1年107%の異次元リターン。根幹にあるのは、バリュー株がグロース株へと評価一変する大転換の見極めだ。外しても損はしない独自の「ifシナリオ」で次の主役を先回りする。

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野村アセットマネジメントが運用する中小型株ファンド「小型ブルーチップオープン」が、1年リターン107.6%、3年リターン179.7%(2026年5月末時点)という驚異的なリターンをたたき出している。大型株や、話題先行の銘柄が主導する昨今の相場環境で、誰も気づかないような変化点に潜む爆発力を見抜いている。シニア・ポートフォリオマネージャーの外木賢人が強調する「初回放送を見逃すな」というユニークな比喩に、銘柄発掘術が凝縮されていた。

2026年2月、日米の株式市場を激震が襲った。米AIスタートアップのアンソロピックが発表した高性能AI「ClaudeCowork」がソフトウェア産業を代替するとの懸念から、ソフトウェア株や新興IT株が軒並み暴落したアンソロピックショック。多くの投資家がパニックに陥るなか、関連銘柄の保有率を極端に下げたポジション取りが行われており、この局面を無傷で切り抜けていた。

「市場の過度な期待がすでに入った流行りの銘柄には基本的に乗らない。この戦略が、今回のショックを避けることができた要因です」すでに株式市場から高い期待を寄せられている華やかなITグロース株は、小さなミスや環境の変化で下落幅も大きくなるリスクをはらむ。この過度な期待を避ける「守り」と表裏一体に、いち早く変化をとらえる「攻め」がある。

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投資先選定の核心として外木がこだわるのが、「株価=EPS×PER」の方程式において、その両輪が同時に押し上がる銘柄への投資だ。多くの投資家がEPS(業績)の分析に精緻な時間を割く一方、バリュエーション(PER)の動向にまで踏み込む者は少ない。しかし、かけ算として株価に劇的なレバレッジをもたらすのは、実は期待値であるPERの変動にある。市場から低く評価されたバリュー株がグロース株へと評価一変する大転換を狙う。だが、この戦略には、割安なままで株価が動かない「バリュートラップ」という最大の落とし穴も潜んでいる。

バリュートラップを見抜く3つの視点

外木はこのバリュートラップを回避するために「ドラマがいちばん盛り上がる『初回放送』なのか、『再放送』なのかを見極めることが大切」と言い切る。同じ期待材料が繰り返されている銘柄は市場参加者の反応が鈍くなる。狙うべきは、その銘柄で一度も語られたことがないまったく新しい変化のタイミングだ。

そのポイントは3つある。ひとつ目が「業界の慣習が初めて破られたか」。長年の商慣行や価格構造が初めて逆転するとき、アナリストの業績モデルの前提を根底から覆し、業績予想への影響は甚大になる。ふたつ目は「お休み期間の長さ」。市場参加者が諦めて売り続けた期間が長いほどロングポジションをもつ投資家が少なく、新しい変化が起きると新規の買いが一気に流入しやすい。3つ目は、企業の「過去の文脈」の理解。過去のマイナス評価と、これから訪れる未来とのギャップが激しいほど、株価の変化率は最大化する。

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文=倉田憲多 写真=ヤン・ブース

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