マーケティング

2026.08.03 10:09

AI導入で成果を出す組織と出せない組織を分ける「4つの問い」

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私は1990年代後半にB2Bマーケティングの分野でキャリアを始めた。それ以来、マーケティングオートメーションの台頭、マーケティングテクノロジースタックの急拡大、アカウントベースドマーケティング(ABM)への移行など、この業界がいくつもの大きな変化を経験するのを見てきた。それぞれの波は、本物の熱狂と現実の破壊的変化、そして同じパターンをもたらした。業務運営モデルの変革に先んじてテクノロジーに投資した組織は、限定的なリターンしか得られなかった。一方で、そのテクノロジーを軸に仕事の進め方を再設計した組織は、先へ進んだ。

AIも同じパターンをたどっている。そして今回は、賭け金がより大きい。

過去1年間、私はこの変化を乗り越えようとしている何十人ものB2Bマーケティングリーダーと対話してきた。彼らのほぼ全員が何らかの形でAIを導入しており、その大半が特定の領域で生産性の向上を実感している。しかし、AIによってマーケティング組織のあり方が根本的に変わったかどうかを尋ねると、率直な答えはほとんどの場合「ノー」だ。

マッキンゼーの最近の調査は、このギャップを明確に捉えている。企業の92%が今後3年間でAI投資を増やす計画である一方で、自社を真に「AI成熟度が高い(AIがワークフローに完全に統合され、測定可能なビジネス成果を上げている状態)」と表現するリーダーはわずか1%にすぎない。これはテクノロジーの問題ではなく、変革(トランスフォーメーション)の問題なのだ。

B2Bマーケティングチームと協働してきた私の経験から言えば、真のAI能力を構築しつつある組織と、単に既存の働き方にAIを付け加えているだけの組織を分ける、4つの質問が存在する。

1. 何を自動化すべきか?

マーケティングチームの時間の使い方を可視化すると、付加価値の低い業務に多くの時間が費やされていることに、彼ら自身が驚くことがよくある。報告書の作成、データクレンジング、調査結果の要約、進捗状況の更新といった作業だ。これらは重要でないタスクではないが、AIにこうした負荷の高い作業を任せることができれば、熟練したマーケターの時間を確保でき、その価値は相乗効果を生み出す。

何を自動化すべきかを見極めるには、タスクごとに自動化するのではなく、ワークフローをエンドツーエンドで監査する必要がある。真の成果は、個々のタスクを速くすることではなく、プロセス全体を遅らせている引き継ぎや承認を取り除くことから生まれる。

2. 何を管理すべきか?

ほとんどのチームはこの対話を完全に省略しているが、ここにこそ真のリスクが潜んでいる。AIが生成したコンテンツがプロスペクト(見込み顧客)に送られる前に、誰がそれを確認しているのか。顧客データ、特に金融サービスのクライアントのデータに関するルールはどうなっているのか。AIが扱ってよい領域と、立ち入り禁止の領域はどこか。規模を拡大する前にこれらの問いに答えておかなければ、トラブルが発生した後にその代償を払って答えることになるだろう。

私がこれまで見てきた、AIをめぐるトラブルに陥った組織は、自動化を急ぎすぎた組織ではない。むしろ、ガードレール(安全対策)を整備する前に規模を拡大してしまった組織だ。規制の厳しい極めて重要な環境においては、ブランドイメージに合わないメッセージやコンプライアンス違反、事実誤認といった、たった1つの不適切な出力が、深刻かつ永続的な損害をもたらす可能性がある。ガバナンスがあるからこそ、組織を危険にさらすことなく規模を拡大できるのだ。

3. 何を人間の手に残すべきか?

AIが代替できない人間の仕事とは、単にソフトスキル(対人スキル)だけではない。私の意見では、それは他のすべての方向性を決定づける、10%の意思決定だ。当然ながら、市場の変化に伴う企業のポジショニングに関するCMOの判断や、クライアントとの対話などを、そのままAIに引き渡すわけにはいかない。

当社のクライアントである、ある金融サービス企業には、ライター、デジタルマーケター、ペイドメディアのスペシャリストが豊富に在籍している。しかし彼らに不足しているのは、ターゲットとする独自の機関投資家マーケティングセグメントを熟知している、セグメントマーケティングマネージャーだ。AIを導入することで、セグメントマーケティングのような重要な役割に充てるための時間、精神的なゆとり、そして採用枠を確保することができる。

すでに持っているものを最大限に活用するには、解放されたリソースが再び実行業務に吸収されるのに任せるのではなく、より高次の思考へと積極的に保護し、再投資する必要がある。

4. 何を測定すべきか?

これこそが、最も率直な社内での議論を必要とする。なぜなら、ほとんどのマーケティング測定フレームワークは、急速に変化する現在のビジネス環境以前に構築されたものだからだ。

パイプライン(案件獲得プロセス)やリード(見込み顧客)の獲得数は依然として重要だが、これらはバイヤージャーニーのより初期段階、かつ目に見えにくい場所で起きている事象に対する「遅行指標」になりつつある。現在では、B2Bのバイヤーは貴社のウェブサイトを訪れるよりも前に、AIツールやAIの生成回答を通じて意思決定(企業の評価)を行っている。マーケティングリーダーは、「自社は検索順位で上位にランクインしているか?」という問いから、「自社はAIの回答に引用されるほど信頼されているか?」という問いへとシフトする必要がある。このシフトは、何を追跡し、どこに投資すべきかに大きな影響を与える。

私がともに仕事をしている最も先進的なマーケティングリーダーたちは、自社カテゴリーにおけるAI生成回答のシェア、コンテンツの引用率、あるいは問い合わせフォームを経由しないバイヤーのインタラクションから得られるシグナルの質といった項目を測定し始めている。これらはパイプラインの指標に取って代わるものではないが、6〜12カ月後にパイプラインが機能しているかどうかを予測するための「先行指標」となる。

変革を導く

私が経験してきたすべての重要なテクノロジーの移行期において、真の成果が現れるまでには組織の調整期間が必要だった。マーケティングオートメーションは、単にメール送信数を増やすためにそれを利用しただけのチームには、何の実りももたらさなかった。AIも同じ道をたどるだろう。

ほとんどの組織はすでに有効なテクノロジーにアクセスできている。だが課題は、そのツールを中心に仕事を再設計することである。それには、リーダーシップの足並みをそろえること、何が機能し何が機能していないかを率直に評価すること、そして事業に役立たなくなったプロセスを変える意思が必要だ。

これを完全に解明できている者はまだ誰もいない。現在、優位性を築きつつあるのは、適切な問いを立て、その回答に基づいて行動するための組織的な規律を確立している組織なのだ。

forbes.com 原文

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