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2026.08.03 09:57

スマートグラスがiPhone級の革命を起こす前に踏むべき道

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2006年夏、シャキーラの歌が至るところで流れ、欧州は壊滅的な熱波に見舞われ、企業社会で最も注目されたアクセサリーはBlackBerryだった。それから20年後、シャキーラはワールドカップのハーフタイムショーに出演し、欧州は再び猛暑に苦しみ、一部の企業幹部は新たなテクノロジーであるEven Realitiesのグラスを採用し始めている。職場でのBlackBerry普及がスマートフォンの大衆化につながったように、オフィスにおけるスマートグラスの早期導入層は、メーカーが戦略を誤らなければ、このデバイスがより広く受け入れられる道を切り開く可能性がある。

美団(メイトゥアン)とテンセントが主導する1億5000万ドル(約240億円)の資金調達ラウンドを終え、現在10億ドル(約1600億円)の評価額を得ているEven Realitiesは、法人領域で先行してきた。同社のウィル・ワンCEOはTechCrunchに対し、「当社の顧客の大半は30〜50歳の男性プロフェッショナルです。調査を実施したところ、ユーザーの約3分の1が企業幹部であることがわかりました」と語っている。

同氏はForbesとの会話で、こうも付け加えた。「私たちは、彼らにとっての主なユースケースも整理しようとしています。結局のところ、それは『コミュニケーション』という一語に集約されると思います。彼らは、よりよく意思疎通するため、あるいは本当に重要な会話のために使っています。登壇してスピーチをする場面かもしれません。記者のインタビューを受ける場面かもしれません。パートナーと会話したり、交渉したりする場面かもしれません。こうした重要度の高い会話の場面で、多くの幹部がこのグラスを気に入っています」

Even Realitiesが経営幹部市場に注力してきた一方、この分野の他のプレーヤーは概してそこを見過ごしてきた。メタは幅広い消費者向けを狙っているようで、広告に著名人を起用しているが、プライバシー懸念をめぐる反発にも直面している。スナップはSpecsに取り組むエンタープライズ部門の責任者を採用し、同部門の人員を増やしているが、モデルやインフルエンサーを起用した華やかな広告を前面に出してもいる。グーグルとXreal(エクスリアル)が投入予定のAuraグラスは、コンピューター画面を「プライベートな空間ワークプレイス」に変える手段としても売り込まれている。これは妥当なユースケースではあるが、極めて一般的とはいえない。

スマートグラスが仕事の文脈で語られる際、焦点はしばしば産業用途や製造現場での利用に置かれる。前世代のデバイスはより大きく、一日中、毎日装着することを想定していなかったため、これは理にかなっていた。新世代のグラスにも、こうした環境で優れたユースケースはなお数多くある。だが企業がこの領域だけに注力すれば、グラスの利用を当たり前にし、消費者利用への移行を円滑にし得る巨大な新規層を取り逃がすリスクがある。

大勢の聴衆を前に基調講演を行うのは通常、トップ幹部に限られるが、ほぼすべてのホワイトカラー労働者は情報に素早くアクセスし、それを同僚に提示する必要がある。接続されたグラスは、それをシームレスに可能にする。オフィスにいる相手について、カレンダーからタスク、組織図上の位置づけまでの情報を確認できれば、グラスによってはるかに容易になり、相手の名前や役割を忘れて気まずい思いをする場面を数多く防げる。

オフィスでのグラス利用は、アクセシビリティの観点からも有益である。聴覚に障害のある従業員はリアルタイム文字起こしに利用でき、視覚に障害のある従業員はタスク遂行のガイドに使える。リアルタイム翻訳機能があれば、現地語を十分に話せない有能な人材も、自身のスキルを活用し、経済活動に参加できる。

カメラの問題は依然として大きな課題だが、オフィスは規範を定める場になり得る。Even Realitiesの場合、カメラを完全に取り除いており、それが一部の環境で導入を早める助けになった可能性がある。しかし、カメラ付きのグラスであってもオフィスで成功し得る。ほとんどのオフィスには録音・録画に関する厳格な方針があるため、管理された環境で使用することは、どのような場合に録画してよいのかについての規範を強化する助けになり得る。

ハードウェア企業は、大規模普及への足がかりとして、オフィス環境に注力し始めるべきだ。そのためには、なぜこうしたグラスを使うべきなのか、そしてそれをさらに有用にするアプリをどのように構築し、拡張していくのかを説明できる専門家の協力を得る必要がある。コンピューターからスマートフォンに至るまで、他のデバイスはまさにこの道をたどり、大きな成功を収めてきた。スマートグラス企業は、モデルや俳優に焦点を当てるのではなく、経理部のバーバラやIT部門のジムの顔に装着されることを目指し始める必要がある。

forbes.com 原文

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