ソーシャルメディアは依然として重要だが、多くのブランドがかつて頼りにしていたほどの視認性やエンゲージメントを保証するものではなくなっている。アルゴリズムがさまざまなシグナルを優先し続け、オーガニックなリーチを獲得することが難しくなるなか、マーケターは従来の戦術(プレイブック)を超えて、アプローチしたい人々との間に、より強固な関係を築こうと模索している。今日の目的は、単に注目を集めることではなく、オーディエンスに対して、さまざまなチャネルを通じて自らブランドを探し求め、参加し、長期にわたってつながり続ける理由を提供することだ。
このシフトは、プラットフォームそのものを超えて、人々が自発的に戻ってくるきっかけとなる関係性、習慣、信頼へと目を向けることで、フィードの枠をはるかに超えた価値を創造することを意味している。ここでは、Forbes Agency Council(フォーブス・エージェンシー・カウンシル)のメンバーが、アルゴリズムに頼ることなく、オーディエンスとつながり、本物のコミュニティを構築するためのアプローチを紹介する。
1. コンテンツの柱となる計画を策定する
SNSのオーガニックな成長と認知度向上に少しでも時間を使うつもりなら、ブランドのコンテンツの柱(ピラー)を中心とした攻略計画を立てる必要がある。投稿はどのようにリード(見込み顧客)へと変わり、それがどのようにコンバージョンへと結びつくのか、そしてそのファネルを毎週どのように再現していくのか。SNSマーケティングに費やしている時間が、ビジネスにおいて実際に具体的な成果をもたらしているかを確認するために、これらの問いを自らに投げかける必要がある。もはや、頻繁に投稿するだけでは十分ではない。――タイラー・ダイクストラ(SFL E-commerce)
2. コミュニティのために行動で示す
私は何年もSideshow Collectiblesの顧客だが、今でも覚えていることがある。彼らのコミュニティマネージャーの1人が、かつて私が主催した人権キャンペーン(Human Rights Campaign)の募金活動に寄付をしてくれたのだ。それは些細なことだったが、強く印象に残っている。自社の顧客に対して一方的に語りかけるだけでなく、実際にその人たちのために行動するブランドになろう。ブランドを大切に思ってくれる人々との間に真の関係を築くことができれば、アルゴリズムがどう変化しようとも、離れることのない擁護者を生み出すことができる。――マイク・デモポロス(hosting.com)
3. UGCを次のレベルへ引き上げる
ブランドはユーザー生成コンテンツ(UGC)を次のレベルへ引き上げるべきだ。AI生成コンテンツが溢れる世界において、信頼できる顧客の本物の声は際立つ。商品のギフティング、インフルエンサーへのシーディング、電子メールやロイヤルティプログラムを通じたコミュニティの構築に投資しよう。顧客をクリエイターや擁護者に変えるのだ。彼らのコンテンツは、従来のSNS戦術よりも信頼とエンゲージメントを生み出すことが多い。――バーナード・メイ(National Positions)
Forbes Agency Councilは、PR、メディア戦略、クリエイティブ、広告代理店で成功を収めているエグゼクティブを対象とした招待制のコミュニティである。入会資格の確認はこちらから。
4. 何度も戻ってきたくなる習慣を作る
オーディエンスが、それがなくなったら寂しいと感じるような、再現可能な習慣(儀式)を作ろう。週次のチャレンジや会員向けブリーフィング、関係者向けツールなどは、偶然ではなく、目的を持って戻ってくる理由を提供する。これにより、ブランドは反応を得るための投稿を卒業し、ユーザーの習慣の一部になることができる。その結果、定着率は高まり、記憶に強く残り、視認性ではなく有用性に基づいたコミュニティが構築される。――ヴァイバブ・カッカー(Digital Web Solutions)
5. 価値優先のコミュニティグループを構築する
私たちは、ブランドのために提供する価値を最優先にしたWhatsAppやFacebookのコミュニティを構築することで、より強力な成果を上げてきた。あるベビー用品のクライアントのケースでは、製品を自然に宣伝する前に、育児のアドバイス、栄養指導、ベビーケアのヒント、新米ママ向けのライブワークショップなどを共有した。信頼が深まるにつれ、メンバーはグループ内で自発的にレビューやおすすめの情報を共有し始めるようになり、オーガニックな口コミ、ロイヤルティの強化、そして売上の向上につながった。――ヴィン・ソンパル(CS Web Solutions)
6. エンゲージメントをプライベートなチャネルへ移行する
「いいね!」が減ったからといって、関連性や視認性が低下したと誤解してはならない。SEOは必須のものとなった日にトレンディな話題ではなくなったが、現在でも需要を牽引し続けている。SNSも同様の過渡期にある。本物のエンゲージメントは、フィード上からDM(ダイレクトメッセージ)の中へと移行しつつある。公の場での称賛は減り、プライベートな空間でのコンバージョンと本物のつながりが増えているのだ。したがって、アクセスしやすさと本物であること(オーセンティシティ)が重要になる。なぜなら、人々が信頼するのはリーチの数値ではなく、確かな証拠だからだ。――モニカ・アルバレス=ミッチェル(Pulse Creative, LLC)
7. 単一の関心事に絞ったニッチを確立する
多様なテーマを扱うオーガニックリーチは縮小している。今日、フォロワー数にはほとんど意味がない。しかし、プラットフォームは関心に基づいて最適化を行っている。そのため、単一のトピックに絞ったテーマ型のページが、多種多様なトピックを扱うページを圧倒している。最近の例として、フォロワーゼロのページが、まったく同じトピックについて同じ切り口で投稿を続けたところ、30日間で700万件のオーガニックリーチを獲得した。ゲイリー・ヴェイナチャックが述べたように、アルゴリズムは関心に対して最適化されるため、単一の関心事に特化したページやチャネルが勝利することになる。――ディーン・セドン(Maverrik)
8. 帰属したくなる体験をデザインする
コミュニティは、人々に参加し、そこに帰属する理由を与える体験を創出することによって構築される。イベント、パートナーシップ、共通の理念、あるいは顧客の巻き込みなど、どのような方法であれ、最も強固なコミュニティが成長するのは、人々が「いいね!」をクリックしたからではなく、ブランドの中に自分自身の姿を見出しているからだ。――ジャクリーン・ラマー・バーニー(VI Marketing and Branding)
9. 宣伝ではなく、役立つコンテンツを投稿する
私の専門分野であるB2Bセクターの多くのブランドは、単に自社の製品やサービスをプロモーションするのではなく、どのように顧客を支援できるかを考えることで、はるかに高いエンゲージメントを獲得できるはずだ。オーディエンスは、見え透いた広告を見るためにLinkedInなどのSNSを利用しているわけではない。心から役立つコンテンツは、特にそれが読んで楽しいものであれば、SNSのアルゴリズムがどう変化しようとも、常にエンゲージメントを促進する。――マイク・メイナード(Napier Partnership Limited)
10. 従業員をブランドの擁護者にする
最も強力なインフルエンサーは、すでに社内にいる。従業員が自分たちの仕事、成果、専門知識について本物のコンテンツを共有すれば、ブランドの公式チャネルを常に上回り、より深い信頼、広いリーチ、そして本物のコミュニティを獲得することができる。チームに自分自身として投稿する権限を与えることは、多くのブランドがいまだ見過ごしている、最もROI(投資対効果)の高いSNS戦略である。――ケイティ・メイヤー(MoonLab Productions)
11. AEOを通じて、検索前の段階で信頼を獲得する
ここ数カ月、クライアントの回答エンジン最適化(AEO)戦略に取り組むなかで、私たちの運用チームは常に同じインサイトに突き当たっていた。人々はもはや、意思決定のためにコミュニティに参加するのではない。あらゆる場所を見るだけで投稿はせず、AIがすでに太鼓判を押した後に購入するのだ。重要なのはリーチではなく、顧客が検索すら始める前にAIが推奨する名前になることだ。今日の信頼は、自社が所有していないアルゴリズムによって構築される。――ニタル・シャー(Mavlers)
12. 本物のUGCを後押しする
従来のSNSオーディエンスは、減少傾向にあるような数字が見られても依然として膨大であり、見捨てるわけにはいかない。今日の課題の一部は、オーセンティシティ(本物であること)に関わるものだ。インフルエンサーは、インフルエンサーを装った広告のスポークスパーソンとして契約していることが多いため、宣伝するブランドに対する信頼性に欠けることが多い。そこにAIが加われば、オーガニックという概念は完全に失われてしまう。UGC自体に目新しさはないが、それを後押しすることで、さらなるエンゲージメントとUGCの連鎖を生み出すことができる。――ディーン・トレベリノ(Trevelino/Keller)
13. 実際に使われる実用的なツールを構築する
単なるコンテンツではなく、実用的なユーティリティを構築しよう。最も強固なコミュニティが形成されるのは、人々が自らの仕事をよりよくこなすために、何度も戻って使いたくなるもの(実際に役立つツール、システム、体験、あるいはインサイトなど)をブランドが作り出したときだ。単に目立つだけでなく役立つ存在になったとき、エンゲージメントは、縮小するリーチとの闘いではなく、提供する価値の自然な副産物となる。――フィルドシュ・タングリ(Fantasy)
14. 現実世界の人間関係に投資する
現実世界における関係構築に投資しよう。イベント、ワークショップ、ネットワーキンググループ、教育的な体験などは、アルゴリズムに頼ることなく直接的なつながりを生み出す。これを、互いに補完し合える企業との戦略的パートナーシップと組み合わせることで、信頼を生み出し、コミュニティを強化し、SNSのエンゲージメント指標を超えた長期的な成長を支える紹介ネットワークを構築できる。――ブロック・マレー(seoplus+)
15. 直接リーチできるオーディエンスを所有する
信頼が積み上がる環境を活用すべきだ。ニッチなコミュニティ、自社所有のニュースレター、実際の買い手が読んでいるフォーラムである。関連性の高いsubredditやDiscordで本物の存在感を示すことは、表示を絞られるフィード上でリーチを追いかけるよりも有効だ。これらは、AIモデルが権威性を評価する際に参照する情報源でもある。アルゴリズムから注目を借りるのではなく、直接リーチできるオーディエンスを所有することだ。――リール・エルダン(Moburst)
16. 製品ではなく、人を中心としたブランドを構築する
従来のエンゲージメント戦術を一貫して凌駕するアプローチの1つが、製品ではなく、人を中心としたブランドを構築することだ。オーディエンスは、創業者による本物のストーリー、実際のチームメンバー、および舞台裏のコンテンツに親近感を抱く。ビジネスのこれまでの歩みや、ありのままの日々の現実に触れてもらうことで信頼が生まれ、より深いエンゲージメントを育むことができる。――レオン・ギッターレ(MyMedia Marketing)
17. 体験型マーケティングに注力する
ブランドは体験型マーケティングにより多くの投資を行うべきだ。AIによって生成されるコンテンツが増え、オーガニックなリーチが減少するなかで、人々はリアルな体験や人間同士のつながりをますます重視するようになっている。ブランドをターゲットとなるオーディエンスの目の前で直接感じてもらえるような、記憶に残る没入型の瞬間を作り出すことは、本物のコミュニティ、情緒的なロイヤルティ、そして口コミによる推奨を育み、従来のSNSエンゲージメント戦術を上回る成果をもたらす。――マリリン・カウリー(PREM - PR & Social)
18. 特定のニッチに特化したグループを運営する
プライベートなニュースレター、ポッドキャスト、またはメンバーシップグループがあれば、アルゴリズムの変更や有料でリーチを買う仕組みに翻弄されることなく、オーディエンスに直接アプローチできる。住宅建築のようなニッチなビジネスの場合、既存顧客や見込み顧客を対象とした厳選された電子メールリスト、あるいはプライベートなFacebookやSlackのグループは、「いいね!」を追いかけるよりも一貫して高い成果を上げる。なぜなら、オーディエンスが自発的に参加しており、信頼度が高く、あらゆる接点が時間とともに蓄積されていくからだ。――ニコラス・コーミエ(Home Builder Marketers)
19. 従業員向けのSNS研修を実施する
従業員は、SNSにおける最大の未開拓の資産である。リーダーやチームメンバーに積極的に投稿してもらうことで、ブランドのオーディエンスと視認性を高めよう。中西部を拠点とする大手銀行で従業員向けのSNS研修を実施したところ、研修後の1カ月間で、その銀行のLinkedInのフォロワー数は28.6%増加し、インプレッションは20.9%増加、さらにブランドコンテンツのエンゲージメント率は66.7%も跳ね上がった。――クリスティ・ピール(Media Minefield)
20. GEOへの投資を開始する
解決策を探すとき、いつかはAIを利用することになるだろう。クライアントも同様だ。生成AIエンジン最適化(GEO)への投資を開始しよう。そうすれば、すでに検索や決定のフェーズにある確度の高いユーザーが自社ブランドを見つけられるようになる。AIの回答に一貫して表示されることで、時間の経過とともに親近感が高まり、認識される権威性が強化されるため、クライアントがコミュニティに参加しやすくなる。――ナタリヤ・アンドレイチュク(Viseven)



